カイドウ三佐武蔵移官
ガザミ二曹とガマグチ二曹は、京の都で盗みを繰り返し生計を立てていた。彼等の言い分は生きる為と言う大義名分があったが、時代は変われど悪い事は悪い。
「よーし。ガザミ二曹、江戸に行くぞ!」
「どうしたんすか?急に。」
「そろそろ本業に戻らなくてはな。」
「本業?」
「忘れたのか?俺達は海上自衛官だろ?」
「でも、何で江戸なんすか?」
「風の噂でな、きりざめが江戸にあるって情報をつかんでな。」
「この盗んだものどうします?」
「置いて行くぞ。」
「船賃位は必要じゃないですか?」
「それは確保してる。安心しろ。」
それから一週間後…。
「おい、ガザミ二曹!きりざめだぞ!」
「流石ガマグチ二曹。」
「艦長、ガザミ二曹とガマグチ二曹が帰還しました。」
「御苦労と伝えておいてくれ。」
「ハッ‼」
その頃きりざめCICでは…。
「艦長、少しよろしいですか?」
「どうしたカイドウ三佐?」
「私を戦艦武蔵に移官させてください!」
「理由は?」
「きりざめに居づらくて。」
「そんな男がきりざめの航海長とは情けない。武蔵で鍛えてもらってこい。許可する。」
「ありがとうございます。」
「って訳でアカギ中将、うちのカイドウ三佐をよろしく頼みます。」
「海野一佐事情はよく分かった。責任を持ってお預かりいたそう。」
カイドウ三佐の武蔵移官はきりざめクルーにインパクトを与えた。多分に問題なしとする海野艦長であったが、シドウ三佐を代理航海長にするなど、慌ただしい人事に批判も一部ではあった。とは言え、これ以上ディスの歴史を塗り替える事は本意ではなく、本音としてはカイドウ三佐の武蔵移官は許したくない事ではあった。
「まぁ、致し方無い。カイドウ三佐が願い出た事だ。それにもう、ゼアーの歴史を辿るのは不可能だと思われる。カイドウ三佐を武蔵に移官した所で、ディスの歴史を大きく変える要因には成り得ぬだろう。」
その頃武蔵では…。
「アカギ中将私の無理をお受け頂き誠にありがとうございます。」
「うむ。ここに来たと言う事は、カイドウ少佐に成ることも厭わないと言う事だな?」
「はい。呼称が変わるくらいドーッテ事はないです。」
「もうきりざめには戻れないかも知れぬぞ?」
「海野艦長も私もその覚悟は出来ております。」
「兵士には私から通達しておく。君は武蔵の参謀官になって貰う。」
「はい。」
「何でぇ。気に食わねぇ。カイドウ少佐?何何だよ。アカギ中将も何を考えてあの若造を武蔵に?」
「まぁ、ベンケイ少佐、そう言わずに仲良くやってやりましょうよ。」
「そうですよ。よろしくお願いしますよ。ベンケイ少佐?」
「げっ!?カイドウ少佐?」
「同じ日本人同士なんですから、そう言わずにやって行きましょうよ。」
「まぁ、そうだな。カイドウ少佐には聞きたい事も沢山ある。のべつまくなしにざっくばらんとやろうじゃないか。」
「よろしくお願いします。」
「こちらこそ。」




