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幕末自衛隊NEO~the end of EDO to self defense force~  作者: 佐久間五十六


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ロイヤル・エリート

 どこの国にも王族や貴族と言った上流階級の人間はいるが、この二人の王子(プリンス)は並大抵の王族ではない。本来、防衛医科大学校では留学生の受け入れはしていないのだが、英国王室たってのお願いとあっては、無下に断る訳にもいかなかった。ロト・ボンディーノ海曹長とロト・ウィリアム海曹長の二人は特別待遇者という事もあり、防衛医科大学校4年生にして、階級を与えられていた。ロト兄弟は観艦式にたまたま乗船実習に来ていた不運のプリンス達であった。

 さて、彼等は江戸晴海埠頭で発見され、収容された。ロイヤル・エリートでもTSPしてしまえばただの異邦人である。

 その頃、戦艦大和では…。

 「山城艦長、出発の時です。」

 「何処へ?」

 「薩摩です。」

 「目的は?」

 「西郷隆盛に会いに…。」

 「貴重な燃料を使ってまで、ごますりはしないと何度申せば分かる?」

 「同じ燃料を使うなら江戸に行かないか?」

 「黒船再来ですか?」

 「勝海舟のビビった顔が目に浮かぶよ。」

 だが戦艦武蔵を知っているディスの勝海舟にはビビる事は無かろう。戦艦大和は停泊していた高知の室戸岬を北上し東京湾を目指した。

 「で、大和が動き出したか?」

 「どうやら江戸に向かっているようです。勝さんのちからで、どうにか大和との戦は避けたいのですが?」

 「分かっておる。」

 「恐らく大和のレーダーには、武蔵しか映らないはずです。それだけのステルス性能がきりざめには備わっています。」

 「それより、センドウ三佐、シドウ三佐は何処に行っている?彼奴らなしじゃきりざめの操艦もままならぬぞ?」

 「今、急いで探してます!」

 「ったく、使えるのは無線のみか。インターネットは?」

 「当然使えません。インフラが全く整備されていないので…。」

 「分かってはいたが、それはきついな。非常に困った事態だ。」

 「艦長、モールス信号です!」

 「ヤマトシニンセリ。ゲイゲキタイセイニハイラレタリ。」

 「もうお出ましか。武蔵にモールス信号で、専守防衛徹しろと伝えろ。」

 「ハッ‼」

 その頃京都では…。

 1867年1月下旬、遂に徳川幕府が手を打った。天皇家のお住まいである京都御所に進入。宮家全員を殺害した。これにより、薩摩・長州の企んでいた新天皇制は全て御破算。徳川政権は朝廷を潰す事で日本における権力基盤を半永久的なものとした。殺害されたのは10人。中には本ノ宮親王(ゼアーでの明治天皇)も含まれており、薩摩・長州にとっては、大きな痛手となった。天皇家つまりロイヤル・ファミリーを失った日本がどうなっていくのかは、江戸幕府最高権力者である徳川慶喜の手にかかっていた。ゼアーで行った大政奉還はディスではもう行えない。徳川250余年の歴史の中で最大のピンチが訪れようとしていたのである。

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