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幕末自衛隊NEO~the end of EDO to self defense force~  作者: 佐久間五十六


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インフレ

 ビネガー・レッカ二等海曹は、日本人の父親と米国人の母親を持つ日系人である。高校までを日本で過ごしたレッカ青年は、悩んだ末日本の海上自衛隊に入隊する事を決める。母親には反対されたが、父親の説得で入隊を許可された。レッカの様に自衛隊に入るには親の同意が不可欠で、親の反対で、入隊出来ないケースは少なくない。

 もう一人レッカ青年と共にディスにやって来たのはスズキ・レモネム三等海曹である。喧嘩に青春の全てを捧げ、地連のおっさん達にもレモネム青年は悪童として名の知れた黒人系日本人であった。とは言え、自衛隊にはこう言うヤンチャな青年を更正させる事の出来る、いや活用出来る場所がある。自衛隊にスカウトするのは容易いものであった。

 「なぁ、スズキ君?君より強い猛者がいる海上自衛隊って場所があるんだが、興味ないか?」

 「え?俺より強い奴なんているの?」

 「今すぐにとは言わない。名刺渡しとくから親御さんと話し合ってみて?」

 「俺に親はいない。だから連れていってくれよ。」

 と、即決した肝の座った青年であった。二人は横須賀沖で発見され、即日晴海埠頭のイージス艦きりざめの元に送られた。

 さて、ディスでは、気候変動が発生しており、主食である米や穀物の供給が危機的な状況になっていた。

 「海野一佐?この団子旨いだろ?いくらすると思う?」

 「旨いっすね。一本5円二本で10円ってとこすか?」

 「バカタレ。日本で50銭じゃわい。それでも高いと思わんか?」

 「このディスでの金銭感覚は全くありません。しかし、これはインフレであると確実に言えます。その位の事は分かります。」

 「インフレ?」

 「はい、物価が急に上がる状況です。その逆に物価の急落をデフレ、そのどちらにも該当しない事をスタグフレーションと言います。」

 「最近の穀物の不足が影響していると考えられます。私達にも無関係とは言えません。」

 「そうじゃろ?」

 「戦艦武蔵では、食糧難民を受け入れているとか?」

 「残念ながらきりざめにはその様な余力はありません。」

 「何も無理を言うてる訳では無かろう?」

 「我が艦は関係者以外立ち入り禁止ですからね?」

 「貴様らの力を借りんでも、何とかしてみせるわい。アカギ中将は快く引き受けてくれたがな?」

 「艦の規模もベットの数も武蔵は桁違いなんですからね?」

 「せめて炊き出し位は…?」

 「嗚呼、もう分かりました。きりざめに立ち入らないと言う条件は厳守させていただきます。」

 こうして、アカギ中将と海野一佐は江戸の食糧難民の空腹を満たしてあげる事になった。

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