休み無し月月火水木金金
ヤマダマサジ海曹長は防衛大学校卒業のエリートで、幹部候補生課程の艦艇実習でたまたま、きりざめに乗っていた不運な男である。ヤノケイジ二等海曹は、米国生まれの日本育ちの日系米国人である。米国国籍と日本国籍を両方持っており、海軍軍人になる夢があるが、英語はからきしのヤノ二曹は米国海軍ではなく、日本の海上自衛隊に入った。趣味はバスケットボール観戦であり、ワシントン・ウィザーズのファンである。
両名は横須賀付近で発見され、きりざめの元へ送られた。
「これはなんですか?」
「SH-60Jシーホークと呼ばれる対潜哨戒ヘリだ。」
「使わないんですか?」
「パイロットがまだ戻っていなくてな。今は飛べないんだ。」
「それは勿体無いですね。」
「ああ、宝の持ち腐れだな。」
「ま、そのうちヘリパイも戻ってくるだろう。それまで、見張っててくれるか?ヤマダ曹長。」
「分かりました。」
「頼んだぞ!」
「ヤノ二曹の元の配置は何処だ?」
「通信科でした。」
「そうか、じゃあそのまま通信科に入ってくれ。」
「なぁ、カイドウ三佐やシドウ三佐はぶっちゃけ艦長になってみたいだろ?」
「海野艦長が何を言っているのか、理解に苦しみます。」
「右に同じく。」
「私はもっとフリーランスに動きたいんだ。代理で良いからさ。頼む‼」
「最先任は、カイドウ三佐なんだから艦長代理はカイドウ三佐ですよ。」
「シドウ、貴様!?」
「じゃあカイドウ三佐が艦長代理で、シドウ三佐は副長代理って事できりざめの事よろしく頼むな。」
「仕方ありませんね。海野一佐の破天荒ぶりには振り回されっぱなしすよ。」
「艦長の言う通りにしようぜ。それが最善ならさ。」
「なぁ、海野一佐?きりざめクルーは優秀なのか?」
「アカギ中将、その様に言われるのなら、まず武蔵のクルーの質を何とかするべきでは?」
「我々武蔵のクルーときりざめクルーとでは根性が違う。」
「そうかも知れません。令和の海上自衛隊は土日祝日は基本休みですから。月月火水木金金の昭和の日本海軍とは違い、洗練されて根性論に訴え無くなりましたからね。」
「未来の海軍は随分お気楽なんだな?」
「丘勤務はさておき、海上勤務や、潜水艦部隊は月月火水木金金ですよ。それにお気楽な訳無いじゃないですか。」
「そうか、スマートネイビーの魂は受け継がれているのか…。」
「カイドウ艦長代理、オイルの事でテツタロウ殿と、戦艦武蔵でサウジアラビア王国に行って来る。あとは頼んだぞ。」
「了解しました。」
「待て待てい!ワシをおいていくな!」
「勝さん?今まで何処に行ってたんですか?」
「江戸城にこもり、薩摩・長州とどう対峙すべきか徳川家15代将軍慶喜公と話し合っていたのだ。だが、徳川幕府の力だけでは万策尽きた。」
「そこで上様が目をつけたのが戦艦武蔵とイージス護衛艦きりざめじゃ。」
「我々を利用するならオイルの安定供給が必須ですぞ?」
「その為にサウジアラビア王国に行くのではないか?」
「困ったな。歴史変わってるよ。絶対。」
「きりざめと戦艦武蔵があれば薩摩・長州を倒せるとワシは思うちょるが?」
「存分にやって見せます。」
「頼もしいぞ、海野一佐!」
「日本海軍としては、薩摩・長州を倒すのは出来るだけ避けたいんだが…。」
「まぁ、アカギ中将そう言わず。」




