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幕末自衛隊NEO~the end of EDO to self defense force~  作者: 佐久間五十六


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ディール

 普通の高校生が自衛官の身分や定年年齢を知っていると言うケースは少ない。親族が自衛官でもない限りは、複雑な自衛隊の制度を知る事も少ない。とは言え、メザキ三曹の様に任期生自衛官からの叩き上げは多い。メイケチカゲ(WAVE)三曹も境遇は似ている。この二人は横須賀をさ迷っているところを、直ぐにトリタニ士長に発見され、晴海埠頭にいる海野艦長の元へ送られた。

 その頃、きりざめCICでは…。

 「薩摩・長州の偵察の状況はどうなっている?」

 「スマホやPCが使えない為、難航しているものと思われます。」

 「アナログではあるが、郵便は使えないのか?」

 「残念ながら薩摩・長州の者に見つかります。」

 「こうなったら、出し惜しみはしていてもしょうがない。きりざめの無線通信チャネルを解放しよう。メザキ三曹、メイケ三曹到着して直ぐのところ誠に申し訳無いのだが、きりざめの通信員だった君達ならば、通信チャネルの開局等雑作もない事だよな?」

 「了解しました。」

 「カイドウ三佐、薩摩・長州が進軍して来る前に戦艦大和の状態を確認しておいてくれ。」

 「それなら、もう手は打っています。」

 「流石だな。頼れるぜ。」

 「薩摩・長州の動きは?」

 「江戸幕府に一任してあります。」

 「手を打ったと申したではないか?」

 「ええ。薩摩・長州は陸路で攻めてきますから、陸上兵力では江戸幕府方に分があります。」

 「いいか。事の意味を履き違えるなよ?私達は、本来ディスに居ちゃあいけない余所者なんだ。武蔵も大和もそれは同じ。だが、最悪の場合、我々の武力を行使せねばならぬ時が来るやも知れぬ。幸か不幸か我々は江戸幕府方についている。勝さんを裏切る訳にはいかないからな。正直な所、大和を抑えれば、薩摩・長州を撃退するのは容易だろう。しかし、そんな事をしてみろ?歴史は滅茶苦茶になり、私達がゼアーに戻れなくなるかもしれない。だから反撃は必要最低限言うなれば専守防衛が望ましいと、考えている。」

 「それにディールの結果次第じゃあ大和も手に出来るかも知れない。」

 「でも、それは薩摩・長州と戦にならない前提である。」

 「ゼアーの史実では、大和や武蔵は役立たずの木偶の坊であったとされているが、ディスでは陸上戦闘に使えば、これほど火力のある兵器はない。あの米国海軍戦艦アイオワにも勝るとも劣らない日本海軍の大和型戦艦2隻がディスの幕末にはある。」

 「とにかくディスでは内戦(ボシン・ウォー)は起こしてはならない。」

 「海野艦長、チャネル開局出来ました。偵察部隊とコンタクト可能です。つなぎます!」

 「クニヤマ曹長です。海野艦長、大変です。薩摩・長州の陸上部隊が我々が制圧し隠していた大和を発見されました。薩摩・長州の本隊が合流し、大和奪還作戦を展開しようとしています。」

 「早まるなよ、クニヤマ曹長。とりあえず様子見だ。このチャネルで逐次状況報告してくれ。」

 「了解しました。」

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