エターナル・徳川
「ナミノ二士、誰かいます。」
「おい、お前達何をしている?」
「我々実は2日辺り前にここに来たんですけど、乗っていた護衛艦が何処かに行って、困っていたんです。」
「お前ら海上自衛官なのか?」
「下っぱですけど。きりざめクルーです。」
「自分もです。」
「安心しろ。俺達もきりざめクルーだ。」
「とりあえず、ナミノ二士のアテンドで江戸に向かってくれ。艦長やきりざめクルーにきりざめも健在だ。」
「本当ですか?それは嬉しい知らせですね。」
ハマナカオサム海士長28歳。潜水艦の乗組員に成りたくて、海上自衛隊に入隊するも、適性検査で不合格。きりざめに配属されて3年目の少し変わった青年である。一方、ハチムラルイジ二等海士は19歳の若武者で、釣り好きがこうじて海上保安官を目指したが、学力が足りなく落第。困り果てた所見つけ出したのが、自衛官候補生からの海上自衛隊への入隊であった。
横須賀から歩く事3日…。ハマナカとハチムラは江戸晴海埠頭のきりざめの元に辿り着いた。
「では、私はここで失礼します。艦長には挨拶を忘れず。」
「ナミノ二士ありがとう。じゃ!」
「どうもでした。」
「艦長!」
「おっ!?ハマナカにハチムラ、元気そうだな?」
「この通りアゲアゲですよ。」
「早速だが二人は炊事班に入ってくれ。詳しくはセイノ二尉に聞いてくれ。」
「了解しました。」
「ナミノ二士が言ってたけど、ここは幕末の江戸らしい。だから横須賀には何も無かったんだ。」
「なるほど。」
「他艦の来襲への警戒を厳にせよ!」
「それにしても、石油がなけりゃあ無敵のイージス艦でも自由に航海するのは、難しいな。」
「重油を大量消費する大和や武蔵も同じだな。」
「早く開国して貰わないと。軍艦一隻まともに動かせませんよ。その辺頼みますよ勝さん?」
「次から次へと、分かった。掛け合ってみよう。」
しかし、ゼアーでもそうであった様に、開国までにはいくつかのフロー(流れ)がある。ディスでのフローがどうなるかは分からないが、1866年12月までに、ゼアーであった様な政治イベント(大政奉還やボシン・ウォー)と言う重大フローは何も起きてはいない。まるで徳川幕府がエターナルに続くかのように。いずれにせよ、どこかのタイミングでの一刻も早い開国が必要である。まぁ、戦がない限りは何とかしのげそうである。後は、散り散りになったクルーの具合だけが心配の種である。
「口を挟める状況にはありませんが…。」
「坂本龍馬の件、鉄太郎が力を貸してくれました。」
「ほう?」
「龍馬の進めていた中東への産油国との貿易ルートを海援隊が獲得しました。そのルートを用いれば幕府とは別のルートでのオイル調達は可能です。いくらでもお持ちしますよ?」
「流石は天下の海援隊。そんなことはとうに忘れていました。では先ずは3000トンをお願いしたい。その取引が上手く行く様でしたら、海援隊との取引を開始しましょう。期限は一週間後、場所は江戸の晴海埠頭。」
「海野一佐、了解した。報酬は勝さん経由で支払って貰いましょう。重油3000トン、相場で300両と言った所でしょうか?」
「それボッタクリじゃないよな?」
「天下の海援隊がボッタクリなど笑止千万。こっちも遊びでやっている訳じゃないですよ。」
「金はどうとでもなる。それより、大和や武蔵相手にビジネスはするな!」
「金のなる木だって事は良く分かるさ。海援隊は軍隊じゃ無いからな。だがビジネスの相手だけは、見間違うなよ?甘い蜜を吸うのは構わないが、後で破滅的な目を見る事は忠告しておく。美味しい話には罠が仕掛けられている事もな。」




