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幕末自衛隊NEO~the end of EDO to self defense force~  作者: 佐久間五十六


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ワームホールの出現

 「おい!ノグチ?ここどこ?」

 「1866年12月…幕末ね。」

 「…ん?」

 「あれは!?」

 「すみません?あの艦てもしかして戦艦大和ですか?」

 「おう!これが世界に誇る戦艦大和じゃけん。」

 「ちなみにここは?」

 「広島県呉市だが?」

 「マジかよ。」

 「大和の中には薩摩・長州のお侍さんも乗ってるよ?あんたも見ておくと良いよ?」

 「おい、ノムラ直ぐに江戸に行くぞ?」

 「とんでもねぇ物がディスには降臨しちまったみたいだな。艦長にいち早くそれを伝えないとだね。」

 「大和が東京湾に現れたら…。」

 「ガクブルだね。」

 「確かにヤベェな。」

 ノグチセイコ海士長とノムラタカオ海士長は、事の重大さを理解している。

 「って言うか、何で江戸なの?」

 「何となく、江戸に行けばきりざめの情報にありつけるであろうと…。」

 海路を東に向かう事一週間。二人は江戸晴海埠頭に到達した。

 「おい、ノグチ!あれを見ろ!」

 「き、きりざめ…。」

 「広島からか、随分長旅をしたもんだな。」

 「艦長!ご報告がございます。」

 「どうしたノムラ士長?」

 「戦艦大和が薩摩・長州の手に渡っています。恐らくボシン・ウォーで使われるかと思われます。」

 「46㎝主砲か…。」

 「艦長!横須賀のトリタニ士長より入電です。」

 「戦艦武蔵らしき艦が横須賀を出港しました。武蔵のクルーもTSPしてきた様です。」

 「武蔵を遊軍に取り入れるには、勝さんに一肌脱いでもらう必要があるな。」

 「って訳で勝さん、お願いします。護衛はいくらでも付けますから。」

 「仕方あるまい。ワシが行くしかなさそうじゃの。」

 「江戸幕府幕臣勝海舟である。」

 「大日本帝国海軍少将戦艦武蔵艦長のアカギタカノリです。」

 「あの近代日本海軍の父勝海舟だと!?」

 「貴様等は昭和から幕末にTSPしてきたんじゃ。驚くのも無理はない。」

 「抜いた刀をどうすれば良いか分かりません。どうか御指南を!」

 「なぁ?海野?ワシは凄いじゃろ?」

 「それは分かりました。ありがとうございます。」

 「しかし、今後もこの様な事が続くようでは、困るな。」

 「クルーの帰還は待たねばならぬが、誰かが意図的に設置したワームホールから様々な時代の艦船が来ていると思われます。」

 「どうにかならんのか?」

 「きりざめは動けませんが、武蔵なら…。」

 「空母や潜水艦が来たらもう手に終えませんよ?」

 ちなみにノグチセイコ海士長は、WAVE(女性海上自衛官)である。歌が上手く海上自衛隊音楽隊に所属している。一方でノムラタカオ海士長は、射撃の名手であり、クレー射撃の日本代表でもあった。64式小銃では人は殺せないと言われているが、ノムラ士長の腕なら殺める事が出来るだろう。

 だが、それにしても困った事態になった。これでは日本海軍や海上自衛隊の艦船がだだもれになる可能性がある。本来の歴史ではあり得ないゼアーからの来訪者であるきりざめクルーの責任も問われかねない。多かれ少なかれ、きりざめクルーの行動次第では幕末の動乱に巻き込まれる可能性もある。それでも自分達には非がないと開き直るきりざめクルーと海野玄太郎艦長。神のいたづらにしか思えないこの、海上兵器のTSPが、ボシン・ウォーの結果を大きく左右する事になる。

 

 

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