月2両
「はぁ、俺らいつまでこんなサバイバルしなくちゃいけないんですか?トリタニ士長?」
「目標の"あれ"が見つかるまでは、陸上自衛隊のサバイバル訓練の様なこんな生活を続けなきゃ駄目だ。我慢してくれトミタ一士。」
「ここはどこですか?」
「それは俺も知りたいよ。」
精神衛生上限界が来そうなので、恥を捨てて民に教えをこうた。
「お前さん方は?日本人か?異人か?」
「はい。」
「水兵とやらか?」
「よくご存知で。」
「数日前にも君達の様な水兵が来たもんでな。良い男じゃったよ。」
「海上なんちゃら隊のジージス艦に乗ってると言っていたな。」
「海上自衛隊のイージス艦ですね?」
「おう、それじゃよ。」
「って事はここは横須賀ですか?」
「そう言う人が多い土地じゃのう。」
「米国も日本も海軍基地を作ってないって事はここは明治時代以前って事だな。」
「トリタニ士長、とりあえず江戸に向かいませんか?イージス艦も東京湾を北上したって言いますし。」
「つーか、俺達タイムスリップしてませんか?」
「その様だな。おい、トミタ一士、江戸への行き方を聞いて来い。」
「畜生電車も車も無しかよ?冗談きついぞ。」
「トリタニ士長!これ見て下さい。」
「JMSDF海上自衛官晴海埠頭に集合せよ!」
「これは、海野艦長の筆跡だな。」
「ここに行ければ、"あれ"(きりざめ)があるんですかね?」
「恐らく、と言うよりよくこのビラここまで来たな。」
「艦長の事見直したぜ。よし!江戸の晴海埠頭に行くぞ!」
こうして、トミタ一士とトリタニ士長は行く宛を見つけた。ちなみにトミタエイジ一等海士は、元々陸上自衛隊志望だったのだが、枠の関係で海上自衛隊に回された苦い経験を持つ。一方、トリタニタケシ海士長は、20歳にして二児の父である。近い将来三等海曹への昇任試験を受けて、長く自衛隊で活躍する事を願っている。
「トミタ一士、トリタニ士長よくぞきりざめに辿り着いた。」
「艦長のビラ、役に立ちましたよ!」
「そうか、もう少し早ければきりざめに乗せてやれたのにな。」
「どういう事ですか?」
「きりざめは最初は横須賀にあったんだ。それをワザワザ江戸の晴海埠頭まで持ってきたのよ。まぁ、色々大人の事情があってな。既に着隊した隊員は幕臣勝海舟の傘下におさまったのさ。そんな事より、恐らく今後も横須賀方面から時間差でやって来る者がおるかもしれん。そこでディール(取引)をしよう。毎月2両を送金する。それがお前らの給与だ。少ないかもしれないが我慢してくれ。任務は簡単だ。横須賀方面でさ迷っている自衛官の保護および晴海埠頭までのアテンドをお願いしたい。嫌なら断っても良いぞ?」
「やりますよ!当たり前じゃないですか?なぁ、トミタ一士?」
「は、はい。俺は大丈夫です。」
「タイムスリップした先が一番多いのは横須賀なんだ。今後も多くの同志隊員が来ると予想される。人員は拡大予定だが、トリタニ士長、トミタ一士には先遣隊として横須賀に言ってもらう。」
「一刻も早く現代に戻らねば。」
「トミタ一士、活動資金を得られる事で以前の様な非人道的な生活はしなくて済む。食糧を横浜辺りで買い前にいたアジトを拠点にする。いいな?」
「はい。」
「人員が集まり次第きりざめで横須賀まで迎えに行く。だから横須賀港へのチェックを忘れない様にな。」
「了解しました。」
こうして、トミタ一士とトリタニ士長は横須賀で偵察任務に就いた。




