薩摩の陸軍大将
「チェスト!」
「なぁ、スダ二曹俺達凄い所に飛ばされてないか?」
「スムラ一曹、ここ薩摩っすよ。」
「やべーなそれ。」
「何かお困りでごわすか?」
「困惑しているのだが、貴方は?」
「サイゴウツグミチでおはん。」
「(おいマジかよ!陸軍大将じゃねーか!)ああ、僕達はスムラ一曹でこちらは。」
「スダ二曹であります。」
「おはんら軍人か?」
「まぁ、そう言う認識で大丈夫かと思います。」
「大変申し上げ難いのですが、日本一の薩摩海軍のお力をお借りして、江戸まで送ってもらえませんか?」
「海路で二週間はかかるがよろしいか?」
「ええ、こちらとしては江戸までいければプロセスはどうでも良いです。」
「では、節操だが明日出発じゃな。」
「有り難うございます。」
「ツグミチどのは、陸軍大将を目指しているのですか?」
「別にどうでも良い事じゃ。何の大将でも所詮たった一人のちっぽけな人間じゃ。」
「うちの艦長も同じ事を言ってました。」
「その艦長さんにおうてみたいの。」
「サイゴウタカモリっちゅう人物をご存知ですか?」
「ワシの兄じゃが、それがどうかしたか?」
「いえ。ツグミチ殿少し席を外しますね。」
ボコッ!「いってぇな、何すんねんスダ二曹。」
「何とか言えよ。」
「いいですか?スムラ一曹。我々が未来から来たと言うのかがばれちゃいますよ?もし、そんな事になったら、大変な事になるんすよ?」
「そんな事くらいで変わるような軽い歴史ちゃうやろ?」
「まぁ、そうなんですけどねぇ。」
「おい、どうかしたか?」
「ツグミチ殿、我々実は150年以上先の2022年の未来からやって来たタイムスリッパーなんです。本来はここにいてはいけない人物なんです。」
「スダ二曹!」
「強力な軍艦も来ている事でしょう。我々の仲間であるクルーも何の因果か全国各地に飛ばされました。僕達はそんなクルーの一味なんです。」
「だからどうした。」
「ツグミチ殿!」
「君の心は今も未来でも変わっていないのだろう?」
「貴方の敵になるかもしれないのですよ?」
「今は敵対していないではないか。」
「確かにそうなんですけどねぇ。」
「それに今江戸がどうなっちょるのかも気になっておっちゃ所なんじゃ。」
「その先は好きにせい。」
「ツグミチ殿…。」
「貴様らを陸路で行かすと言う選択もあるが、それではワシの良心が許さんのじゃ。安心せいワシの口は鉄より固いけん。」
「命より大切な秘密を暴露してしまったのです。その辺りは察してもらいたい。」
「分かった。」
こうして薩摩海軍の軍艦はやとで二週間の航路をひたすら東へ。
「ツグミチ殿、あの巨大クルーザーが我々の母艦きりざめです。」
「そうかでは、きおつけてな。」
「有り難うございました。(敬礼)」
「誰かいるか?」
「スダ二曹にスムラ一曹じゃないですか?」
「艦長、スムラ一曹とスダ二曹が薩摩から戻って来た様です。」
「そんな遠くからご苦労であった。サイゴウツグミチ殿にはこちらから礼の品物を渡しておきました。」
「有無。パーフェクトな対応であった。」
と海野一佐には誉められたが、薩摩の陸軍大将に正体をばらしたのはスムラ一曹とスダ二曹のミスリードであったかもしれない。




