呉の漁師
「それは誠か?」
センドウ三佐は驚愕した。
「はい。大和と武蔵は巨大な鏡の様なものに吸い込まれて行きました。」
「そこに誰かいたか?」
「仲間の漁師以外は確認出来ませんでした。」
「そうか。ありがとう。」
(そういやぁ俺達の時も何かに吸い込まれていた様な…。)
「いかん!もうこんな時間だ。列車に乗り遅れてしまう。」
「センドウさんって言ったか?ワシの船で大阪まで送ったるわ。」
「良いのか?」
「まだ貴方には話さなければならない事が山程あるけん。」
「それはありがたい。」
「実はな、GLZIとか言う奴等が大和と武蔵のTSPに関わっていると、ワシは思っているんだ。」
「どうしてそう思うのですか?」
「大和と武蔵がいなくなる10日前頃から背中にGLZIと言う文字の書いてあるパーカーを着た米国人…10人位かな。呉の港に突然来てテント張り出して泊り込みを始めたんじゃ。」
「そのGLZIと言う連中の中に日本人はいましたか?」
「それは分からない。そこまで目立つ場所にいた訳ではないから。港の端っこに陣取って、何かを探してるみたいだったけど、漁師のワシには詳しい事は分からなかった。」
「それで、GLZIと言う連中はいついなくなりましたか?」
「大和と武蔵さいなくなった時には綺麗サッパリいなくなったよ?そういやぁ、この話広島県警の本山と言う警部にもしたな。センドウさんあんた何者だ?」
「NEO日本海軍の少佐でGLZIに出向している。」
「それは驚いたな。センドウさんは海軍さんでしたか。」
「今貴方の話を聞いて愕然としているのは、私以外にも日本で活動していたGLZI研究員がいたと言う事実です。至急米国に戻って確認しなくては。」
「さ、そろそろ着きますよ。大阪湾。」
「色々と情報を聞かせてもらってありがとうございました。これは船賃です。」
と言うと1000円を漁師に渡した。
「困ります。こんな大金貰えません。」
「いいからいいから。じゃあ。」
「お、おい!センドウさん!ったく仕方無いな。」
ゴトンゴトン、ゴトンゴトン。
「ふぅ。何とか東京行きの終電には間に合ったな。シャワー浴びてこよ。」
翌朝朝刊見出し。
「呉の漁師殺害。NEO日本海軍センドウ三佐を指名手配。」
「センドウ三佐?どういう事だ?とりあえず急いで、横須賀に来い!」
「俺も混乱しています。確かにあの漁師には大阪湾まで送って貰いましたが、殺してはいません!」
「GLZIの仕業では?」
「カイドウ三佐!?心当りがある?」
「このままではセンドウ三佐の身が危ない。海野一佐、センドウ三佐を迎えに行かせて下さい。」
「分かった。気を付けて行け。」
「了解。」




