第35話 襲撃者
「何なんだ……これは……」
レジェンドに渡された確認装置で、まさかこんな事になっているとは……
オニシエントが教えてくれた能力とかは全部ある。
オニシエントが嘘をついているということも無いだろう。
だが、俺がさっき見た紙よりも強くなっているのが分かる。
名前
・ブライア・グリーンドラゴン
能力
『創成』
・攻撃創成
・防御創成
・能力創成
・特異体質創成
・恩恵創成
・魔法創成
・武器創成
・防具創成
・物質創成
・世界『全てを創りし始まりの世界』
・極限創成『限界のその先へ』
『緑龍』
・緑龍魔法
・緑龍武闘
・緑龍剣術
・緑龍召喚
・緑龍使役
・緑龍融合
・緑龍武具
・世界『緑に染まりし緑龍の世界』
・極限緑龍『緑を慕いし王』
『全知全能』
・『全知全能生物』オニシエント
・『全知』全テヲ知リシモノ
・『全能』全テノ能力ヲ使ウモノ
・極限全知全能『全てを我がものに』
『森羅万象』
・並列連立
・植物制覇
・天地万象
・極限森羅万象『万を超えた現象』
『断罪』
・罪指定
・罪ヲ断ツ
・裁きを下す神なる剣
・極限断罪『罪人を滅ぼせ』
『無限』
・無限ノ空間
・無限ノ魔力
・無限ノ強化
・無限ノ容量
・極限無限『その無は限りなし』
『輪廻』
・時間支配
・空間支配
・次元支配
・輪廻転生
・極限輪廻『廻れ輪の中の生命』
『太陽』
・太陽剣術
・太陽魔法
・太陽武術
・太陽地獄
・太陽変形武具『テル・ラ・サリューズ・フェル』
・極限太陽『燃やし尽くせ最強の炎』
『事件』
・腐恐悪音
・地龍耐久
・混血天性
特異体質
『無効眼』
・物理攻撃無効
・精神攻撃無効
・状態異常無効
・能力無効
・特異体質無効
・恩恵無効
・魔法無効
・属性無効
・武器無効
・防具無効
・世界無効
・極限無効『全無効』
これらは同時に発動出来ない
『神魔眼』
神眼
・読心・刃切眼
・分解・消滅眼
・増減・反復眼
・確率・収束眼
・変化・万物眼
・分析・解析眼
魔眼
・支配・使役眼
・破壊・崩壊眼
・危険・追求眼
・万里・探索眼
・魔力・圧迫眼
・反転・自由眼
・極限神魔『全眼者』
これらは同時に発動出来ない。
ただし、無効眼との並行使用は可能。
解放
『剣技解放』
『魔法解放』
『武闘解放』
『闘志解放』
『全開放』
『限界突破』
『極限突破』
『極限状態』
闘志の色
緑
属性
九天(炎、水、風、雷、氷、地、光、闇、癒)
魔力量
五億
『極限突破』『極限状態』……十五分間
【極限大罪】
・憤怒『極限防御』
・傲慢『極限反撃』
・嫉妬『極限同一化』
・強欲『極限吸収』
・怠惰『極限攻撃』
・暴食『極限強化』
・色欲『極限治癒』
【極限美徳】
・正義『極限武器』
・節制『極限抑制』
・勤勉『極限叡智』
・勇気『極限英雄』
・博愛『極限好奇』
・希望『極限探求』
・純潔『極限波動』
──何なんだ、これ……
オニシエントに確認して貰ったのとは全然違う。
俺はこれに気づくことが無いとこだったのか。
『事件』にも新しく追加されている。
そもそも『事件』の事も書かれていなかったな。
素直にレジェンド、助かった。
でも極限には制限時間があるのか。
十五分、短いな。
やっぱり全力だからそんなもんか。
「どうだ、極限について分かったか?」
「……いいや、分かんないことだらけだ。だが、それを俺は探す。真の力をな」
使い道を新たに増やし、応用する。
事件を解決するには四の五の言ってられない。
そのうち一般の人にも危害が及ぶ可能性がある。
事件は即解決を目的として行動だな。
「第三の事件から数ヶ月だ、もうすぐ第四の事件がきてもおかしくは無い」
「確かにそうだな……で、特訓はしてくれないのか?」
「極限を捨てたら、相手してやるぞ」
「ああ、もちろんだ!」
とりあえず、何回も挑まないとな。
でも、レジェンドはなんで極限を嫌っているんだろうな……
まあ他人に関与しない、そう決めた。
いつまでも待っておこう。
「──何者だッ!?」
いきなりレジェンドが俺に槍を振るった。
いや違う、俺の後ろをめがけた。
後ろを振り向くと、迷彩ローブの人間が立っていた。
男か女かは現時点では判別がつかない。
ローブには何も傷がついていない。
あのレジェンドの槍を避けた?
そんな人間がこの国にいるなんて──ってそんなこと考えている場合じゃない!
「何しに来た?」
そう聞いた時、迷彩ローブの人間は消え去ろうとした。
逃がすかと思い掴もうとしたが、間一髪で逃げられてしまった。
第四の事件がもうすぐ起こるのか?
「あいつ、一体……」
「分からない、未知の人間だ。俺はあの人間がこの国にいることを知らない」
「レジェンドが知らないなんて……奴を探さないと、何か起きるかもしれない」
「分かった。『捜索の恩恵』」
あいつ、ガルでは無いよな?
体格は分からないが、身長が違うだろう。
だが迷彩ローブ、あれは異世界の物だろう。
時雨から聞いた話が本当なら、全員異世界に来てるはずだ。
……分からない。
放置する訳にもいかないし、早く解決しないと大事に至る可能性もある。
というより、可能性では無くほぼ確定で大事に至るだろう。
「身元は分からない。だが、現在の場所は分かっている」
「どこだ?」
「今は……迷都だな。俺達も向かおう」
「もちろん」
戦いは避けられないだろう。
しっかり準備していかないと。
といっても、必要なのは覚悟だけだ。
迷都に何かあれば、第四の事件で確定だろう。
だが、今回はレジェンドもいる。
頼れる存在がいるのは大きい。
「さて……行こうか。『転移の恩恵』」
さて、迷都では何が起きているんだろうか。
──迷都にて
「なんだここ……殆ど砂漠じゃないか」
地面は砂、周りの建物は古いレンガで出来ている。
砂嵐は吹いていないが、砂漠と言うには相応しかった。
かなり風化していて、砂は硬い。
「迷都はその名の通り迷宮が多い。隠れられる場所なんていくらでもある」
「そうなのか……それにしても、人が少ないな」
「迷都はあまり人気が無くてな、普通の草原や森林に冒険者がよく集まるんだ」
迷都……不思議な場所だな。
異様な雰囲気を漂わせている。
周りを見渡しても、すぐに砂漠が終わる様子は無さそうだ。
レジェンダ帝国もスティア王国に劣らない広大な国だ。
「さて……反応はある。だが、やはり迷宮に隠れている様だ」
「どこか分かるか?」
「もちろん、そこまで行くぞ」
砂漠を歩く。
進むに連れて、人がどんどん少なくなっている。
ただ聞こえるのは、砂を踏む音だけだ。
──数十分後
先程の静けさとは一変し、一つの迷宮の前で人だかりが出来ていた。
迷宮の入口は大きく、冒険者を飲み込まんとする様に口を開けている。
だが、誰一人として迷宮に入らない。
一体何が……
「こんな迷宮、知らないな。突如として出来たのか?」
「レジェンドが知らないなら、そういうことじゃないのか」
ほぼ確定だろう。
あの迷彩ローブは、この迷宮にいる。
それなら、入るしかないだろう。
人だかりを避けて、迷宮の前に立つ。
視線が俺とレジェンドに集中し、声が静まる。
中は真っ暗だ、明かりも何もない。
光で照らしながら進むしかないな。
「覚悟は出来たか?」
「そっちこそ」
迷宮への一歩を、踏み出した。
──迷宮内にて
光のおかげで視界がかなり良くなった。
無ければ進むことすらままならなかっただろう。
今のところは一本道だけで構成されているようだ。
何もトラップやギミックは無い。
一体どこまで潜ればいいのだろうか。
深さも何も分からないため、手探りだ。
壁は何も描かれていない、ただの砂壁だ。
触ると、砂がサラサラと落ちてくる。
崩れてもおかしくはない。
地面は柔らかい。
足が砂にハマる。
泥じゃないだけマシと思いながら、砂を踏み続ける。
数分経った時、大きな扉が立ち塞がった。
見上げる程の巨大な扉は、すんなりと開けることが出来た。
重量があるように見せかけているだけだ。
扉を開けると、そこは海だった。
砂浜が金色に輝き、海が煌めく。
幻想的な風景が、迷宮内にあったのだ。
思わず見とれていると、何やら雲が迫ってきた。
有り得ないスピードでこの空間の空を覆い尽くし、雷が鳴り響き、雨が大量に降る。
海を見ると、荒れていた。
だが、そんなことはどうでもよかった。
それを超える驚きが、俺の前に広がっていた。
「ク、クラーケン……!?」
巨大なタコ──クラーケンが、暴れていた。
雷雨と共に強襲しに来たのだろう。
突如現れたモンスターに、警戒心を最大まで高める。
大きな足を砂浜に打ち付け、俺達を押し潰そうとする。
間一髪で避けるが、クラーケンは足が八本ある。
さらに足を猛打してくる。
砂が飛び散り、視界が悪くなる。
目を擦っている時間なんてない、とにかく避けないと押し潰される。
「その足、貰うぞ」
その声が聞こえたと同時に、クラーケンの絶叫が聞こえた。
足の一本が、レジェンドによって切られた。
何とか時間が生まれた。
俺も時空刀を出し、応戦しようとする。
その時、後ろにある切られた足が動いた。
物凄く早いスピードで、もう片方の切られた足に接着した。
再生能力もあるとなると、かなり厳しい戦いになる。
それに、向こうは海にいて俺達が不利だ。
海に行こうとしても、向こうの独壇場になる。
どうにかして攻撃を通さないと……
「その刀いいな、貸せ」
「えっ、ああ……時空刀って言うんだ」
「時空刀……ほう、これなら簡単だ」
鞘から刀身を抜き出す。
槍を俺に投げ、時空刀を持ったレジェンドはクラーケンの正面になるよう立った。
刀を頭の上に振りかぶる。
何をするんだ、レジェンドは……
「この刀がどこまで出来るか、俺が試させてもらおう」
そう言い刀を振ると、クラーケンの頭から血が吹き出た。
クラーケンは何が起こったのか分からず、ただ叫んでいた。
「空間の力も持ち合わせるのだろう、なら振った空間とお前の頭の近くの空間を交代させた。ただそれだけのことだ」
一度触っただけで、レジェンドはこの刀を使いこなした。
凄い、本当に凄い。
俺でもまだ使いこなせていない、少し悔しい。
「槍、返してもらうぞ。やっぱりこっちの方がしっくりくる。そうだな……この隙に、海を凍らせろ」
「俺が出来る訳──」
「あるだろ、さっさとやれ」
槍をブンブン振り回し、俺に命令した。
偉そうにしやがってと思ったが、本当に偉い人だった。
仕方なくその命令に従い、凍らせる準備をする。
使いたくはないが、この魔法が適切だろう。
「『武破氷雪』」
広範囲殲滅魔法……そして、俺に悪い縁のある魔法だ。
ガルのことを思い出すと、どうにも癇癪を起こしそうになる。
海が白銀の世界に変わり、クラーケンの半身が凍りついた。
その隙を逃さないとばかりに、レジェンドが氷海を走っていく。
クラーケンがもがいている中、レジェンドは槍を振るった。
クラーケンに付いた氷は全て砕かれた。
二撃目、レジェンドは槍を投げた。
頭に突き刺さり、それを跳躍したレジェンドは掴む。
槍を掴みながら、叫んだ。
「伸びろォ!」
槍がクラーケンの頭を貫通する。
クラーケンは意識を失い、倒れた。
レジェンドは、一瞬の間に俺の横に移動していた。
クラーケンが散る瞬間、海が消え去った。
俺達が立っていたのは、何も無い暗い空間だった。
光で部屋を照らす。
すると、奥に階段が見えた。
どうやら、まだまだこの迷宮は続くようだ。
第四の事件【巨大迷宮事件】




