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五話

私達は出撃ゲートを潜る。

其処は、私の知ってる街ではなかったけど、燃え盛っていたのは同じだ。

まさか、私を瀕死に追い込んだ怪獣がやったのかな?

「ねえ愛香。こんなに街を炎が燃え盛る地獄に変える怪獣って、他にも居るの?」

「居るよ。君を瀕死に追い込んだボルケノスが来てる可能性もあるからね」

「ボルケノス?」

それが私を巻き込んだ怪獣の名前かな。

「ボルケノスは、以前に私達が取り逃がした怪獣で、モグラの姿をしたマグマのような色の皮膚をしてるわ。全身の穴から液体が漏れるけど、人間サイズの滴で五メートル以内を吹き飛ばす破壊力があるわ」

人間サイズの滴・・・ってそれ滴じゃなくて小規模の滝じゃない?

「ボルケノスは体液全てが強い衝撃を受けただけで爆発するから、私達も迂闊に奴に攻撃出来ないんだよ。とはいえ、ほっといたら人間社会をあちこち爆破させてあっという間に文明を破壊しかねないんだよ」

「滴だけなら可愛い方よ。奴がもし自爆したり全身に強い衝撃が加わったりすれば、核弾頭クラスの爆発を起こす事も計算されてるの」

・・・いや、倒せないじゃん。

どうやれば倒せるんだよ。

『怪獣出現!ボルケノスを確認しました!そして空からカミナリサマを確認!殲滅を開始してください!』

耳に着けた通信機から声が響く。

「じゃあ私達は逃げ遅れた人達の避難を優先するよ!」

「う、うん・・・でも、こんな火の海の中を進んで──」

「御託は良いから進みなさい!」

リサに背中を叩かれた。

「避難・・・避難・・・避難・・・えっとえっと・・・」

何をしたら良いの?

頭の中がしっちゃかめっちゃかだ。

オロオロとして、もう何をしたら良いか分からない。

すると、私は瓦礫の下から何かの鳴き声を聞いた。

人間じゃないけど、弱々しい鳴き声。

「なんだろう・・・」

私は瓦礫を退けて行く。

瓦礫は普通の人間が持ち上げるには大きすぎるサイズだし、重そうにも見える。

しかし、私は楽に持ち上げた。

ツヴァイフェニックスを宿したからかな?

瓦礫を持ち上げて、ある存在を見つけた。

それは、何か蛇みたいな模様のある結晶に寄り添う子犬だった。

「大丈夫!?今助けるから!」

私は子犬と結晶を同時に抱えて、その場から走り出した。

「待ってて・・・君の飼い主はきっと生きてる!必ず連れてってあげるから!」

私は子犬と結晶を抱えながら、その場で思い付いた励ましの言葉を子犬に聞かせ、炎の中を走る。

「芽々!」

「何単独行動してんのよ!って、その子は?」

愛香とリサが現れた。

「この子を助けないと・・・怪獣が来たら・・・急がなきゃ急がなきゃ・・・」

私はオロオロとするだけだった。

子犬を助けたけど、どうしたら良いか分からなくなった。

「落ち着いて芽々。その子は此方で保護しよう。飼い主を探してみせるから」

「う、うん」

私は愛香に子犬を預けた。

でも、結晶は何故か私が持ってなきゃいけない気がした。

でも、怪獣が現れた場所にある結晶なんて、そんな偶然がある筈も無い。

「もしかして、此れが怪獣結晶?」

「うん。そうだよ」

そうなんだ。

此れが私達のパワーアップアイテムになる訳なんだ。

「此れって、この場で取り込んで良いのかな?」

「構わないわよ。怪獣結晶の入手は自由競争。早い者勝ちよ」

でも、どうやって取り込めば良いの?

「愛香。どうやれば──」

「・・・待って。どうやら話をする暇は無いみたいだね」

愛香が会話を止めた。

私達は、愛香が見ている方向を見た。

其処にはまるで、天に掛かる雲に頭がぶつかりそうな程に巨大な雷神らしい人型の巨人が、私達の前に現れた。

「カミナリサマだね。多分身長で見たら500メートルはあるよ」

「こいつは大きい癖に、雷を自在に操る上に雷のような速さがあるから厄介ですわね」

カミナリサマって、見たまんまだね。

見た目が雷神だからって、安直過ぎるよ。

でも、私は思わなかった。

此れが私の、モンスターガールズに置けるデビュー戦になるとは。

怪獣紹介

ボルケノス

・体長15メートル

・体重1000トン

外見

モグラの姿をしており、マグマのような色をした皮膚を持つ。身体の至る所に穴があり、其処からマグマ色の液体が漏れている。

能力

体液は強い衝撃を受けると周囲を巻き込む爆発を起こす。また、吐き出した体液の量によって爆発の威力が増す。もしボルケノスが自爆したり、全身に強い衝撃を受けてしまえば、核弾頭クラスの爆発を発生させて一国をあっという間に滅ぼせてしまう。


カミナリサマ

・身長500メートル

・体重300トン

外見

日本の雷神と似た容姿。背中には13個の太鼓が着いている。

能力

雷を含めた電気を自在に操る。雷雲を発生させて雷を好きなだけ落としたり、磁気を利用して物を浮かせて操ったり等々、応用もかなり効く。太鼓によって技が違う。

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