四話
「それじゃ、先ずは私からだね。改めて、私の名前は愛香。趣味は女の子とイチャラブする事。宿した怪獣結晶は『アイタウロス』という幻術使いの怪獣だよ」
愛香は背中の目玉だけでなく、腕や脚、お腹にも目玉を生やした。
その目玉で幻術を操る訳か。
「じゃあ私ね。私はリサ。愛香とは幼馴染みで、第一部隊では三番目の実力を持ってるわ。趣味は愛香と同じだけど、愛香が好きになった相手を寝取って愛香を悲しませて、私に泣き付かせるのが好きよ」
なんて趣味してんだよ。
「酷いよリサ」
「芽々と言ったかしら?寧ろ、愛香は私に他の愛人を寝取られても喜ぶのだから。私は愛香に泣き付かれたいのよ」
「泣かないよ。寧ろ興奮するよ!」
酷すぎる。
歪な愛と言うべきか?
ラノベでもこんなヒロインは居ないよ。
「それで、リサが宿す怪獣は何?」
「あら、忘れてたわね。私が宿した怪獣は『チーサー』よ。何処までも伸ばせる触手で触れた相手に麻痺させる毒を塗るわ。そして、走れば走る程に速くなるわよ」
速度が無限に上昇する上に麻痺させる毒か。
あの触手、千切れて痛くないのかな?
「因みに、リサの触手って射程距離に限界無いよ。地球上のどの物質より硬いのに変幻自在に動くんだから」
「強すぎるかな?」
「だってリサは第一部隊の副隊長だよ?」
「そうなんだ」
副隊長だったんだ。他のメンバーも気になるね。
「よし、じゃあ他のメンバーも───」
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
警報が鳴り響く。
「チッ!お前等、怪獣の出現だ!出撃するぞ!」
リンダの顔が凛々しくなった。
『はい!』
「は、はい!」
もしかして、訓練無しでいきなりですか?
ええええぇぇっ!?
「ただ、新入りの芽々は初戦闘で上手く戦えないだろうから、愛香、リサ、お前等が傍に居てやれ」
「分かったよリンダ。芽々は私が守るよ」
「リンダ、芽々は私の命に懸けて守ってあげるわ」
「よし言った。芽々、初戦闘だから無理はすんなよ。よし、全員出撃だ!」
私は、愛香とリサに連れられて行った。
長い廊下を進んで、出撃ゲートらしき場所までやって来た。
なんか、異次元への入り口みたいな感じ。
「なんかSFみたいだね」
「言い忘れてたわね。私達の本部は、表世界と裏世界の狭間に存在する『中枢世界』に存在するのよ」
「私達モンスターガールズは、怪獣結晶を宿した時点で表世界と裏世界、そしてこの本部である中枢世界を行き来出来るようになったんだよ。怪獣も多分同じだね。最も、裏世界に行ったら多分死ぬと思うよ。誰も戻ってきてないし、多分死んだかな?」
ホントに裏世界ってどうなってるんだろうね。
『では皆様、出撃ゲートを潜ってください!怪獣の討伐、怪獣結晶の回収、そして民間人の救出を優先してください!』
アナウンスが流れる。
『では、出撃開始!』
アナウンスの後にサイレンが鳴り響く。
空襲みたいなサイレンだね。
「行こう!芽々!」
「貴女が始めにやる事は、民間人の救出最優先よ!私達も手伝うし、モンスターガールズなら家やマンション程度苦もなく持ち上げられるわよ!」
「う、うん!」
初めてだし緊張する。
そして、私達は出撃ゲートを潜って、私が元々暮らしてた表世界に向かった。
どんな戦闘が待ち構えて居るか分からないけど、私に出来る事からやるしかないよね。
怪獣紹介
アイタウロス
・体長200メートル
・体重86万トン
外見
コモドドラゴンの姿がベースであり、四肢や背中、尻尾から頭に掛けて無数の目玉を生やしている。また、四肢には50メートルもの鉤爪が生えている。
能力
目玉で見つめた相手に幻術を仕掛ける。どんな幻術を掛けるかは掛ける者の好きに出来る。アイタウロスは相手が恐れる又は安心する幻術を見せるが、宿した愛香の場合は状況に合わせた幻術を見せる。
チーサー
・身長15000メートル
・体重400万トン
外見
頭に触手を生やし、両足がチーターのようになっている人型の怪獣。
能力
無限に伸びる触手は地球上のどの物質よりも硬い上に、自分の数百倍もある怪獣すらも一時的に動けなくする麻痺毒を分泌して獲物を捕縛する。また、足も速くて走れば走る程走力が増していく。