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momotaro-

作者: けろよん

 桃から生まれた桃太郎。青年になったので鬼退治に行くことにした。

 そうお爺さんとお婆さんに告白した。

「拙者、鬼ヶ島に鬼退治に行く故」

「そうは言っても場所は知っているのかい?」

「知らん」

「ならばこのスマホを持っていけ。地図アプリに鬼ヶ島の位置を入れておいた。お前を導いてくれるだろう」

「ありがとう。助かる」

「戦う能力は持っているのかい?」

「それは戦ってみんことには分からん」

「仕方ないのう。ガチャを回して最強装備を手に入れてくるから、ちょっと待っておれ」

「こころえました」

 退室していくお爺さん。ガチャを回しに行ったのだ。お婆さんは心配そう。

「一人では不安じゃ。この三匹の獣から一匹を連れていきなさい」

「犬か猿か雉か。じゃあ、犬で」

「うむ、今回仲間にしなかった者も旅先で仲間にすることが出来るじゃろう。このきびだんごでな。持って行きなさい」

「ありがとう。助かる」

 桃太郎は三つのきびだんごを手に入れた。これでお供を仲間にして持ち運べるのだ。

 桃太郎は丸いきびだんごを一つ掴むと横のスイッチをカチッと押した。ビームが発射されて犬が収納された。必要な時に呼び出そう。

 そうこうしているうちにお爺さんが戻ってきた。

「SSRの武器を手に入れたぞ。今日はついてたわい。これで鬼もイチコロじゃ」

「ありがとう。じゃあ、行ってくる」

 こうして桃太郎は旅に出ました。お爺さんとお婆さんに見送られて。


 静かな田舎の街道を歩いていく。草むらから野生の猿が飛び出した。コマンド?

「行け、犬」

 迷うことは無い。今はお供の仲間は一匹しかいない。

 桃太郎は犬の入ったきびだんごのスイッチを押すと投げた。犬が飛び出してバトルが始まる。

「やれ、犬! ワイルドファングだ!」

「ワンワン!」

 犬の攻撃が猿にヒット! 効果はバツグンだ! 敵の体力ゲージがみるみる減ったぞ。

「よし、あいつを仲間にするぞ。きびだんご!」

 桃太郎はきびだんごのスイッチをカチッと押すとポイッと投げた。ビームがピシャッと迸って猿が収納された。

 きびだんごはしばらく小刻みに揺れていたが、やがてチンと音がして動きが止まった。

 猿を仲間にすることに成功したのだ。

「よし、この調子で旅を続けるぞ」

 旅を続ける桃太郎。雉を仲間にしてさらに歩き、森を抜けて港町から船に乗ってついに鬼ヶ島に辿り着いた。

 上陸した桃太郎。その前に鬼が現れた。

「よくここまで辿り着いた、桃太郎。ここがお前の墓場だ!」

「お前のな! 行け、犬! 君に決めた!」

 桃太郎はきびだんごを投げて犬を呼び出した。鬼は笑った。

「そんな犬で俺の育てたディアボロスに勝てると思ってるのか? 行け、ディアボロス!」

 鬼はきびだんごを投げた。敵が出して来たのはディアボロス。とても強そうな悪魔だ。

「きゃうん!」

 犬はなすすべも無く敗れ、

「うほー!」

 猿も負けてしまったが、

「ケーン!」

「ぴぎゃー」

 雉で何とか敵の体力を削りきって勝つことが出来た。

「戻れ、ディアボロス!」

「お前の自慢のモンスターは倒したぞ!」

「馬鹿め! 俺はまだきびだんごを持っているぞ!」

「なんだって!」

「行け! バハムート!」

 鬼が呼び出したのは竜の王者。とても強そうなドラゴンだ。

「汚いぞ! こっちは犬や猿なのに!」

「ハハハッ! 勝てばいいのだ。それ、メガフレアで雉を攻撃だ!」

「ケーン」

 ああ、哀れ。雉はなすすべも無く爆発の渦に呑み込まれてやられてしまった。

「やはり、ここはお前の墓場になるようだな!」

「くっ」

 桃太郎の仲間は全てやられてしまった。だが、まだ希望はあった。お爺さんのくれたSSRの武器が。

 今までバランス崩壊を恐れて使わなかったが、今使う時が来たのだ。

「ファイナルジャスティスグラビトンハンマー!」

「なっ、お前卑怯だぞ!」

「お前が言ったんだぞ。勝てばいいんだ!」

「うぎゃあああ!」

 SSRの強大な武器を叩きつけ、鬼は倒れた。ここは奴の墓場となったのだ。

 ボスを倒したことで仲間は復活し、島の崩壊が始まった。

「大変だ! 鬼の隠し持っている金銀財宝を集めないと! 二度と手に入らないレア装備もあるかもしれないのに!」

 桃太郎は島を回って財宝を回収し、脱出した。島が沈んでいく。

 こうして故郷に帰った桃太郎はみんなに崇められ、伝説の英雄となったのでした。

 めでたしめでたし。 

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