パーティー
会場はガヤガヤと賑わっている。
こういうところは、日本も中国も変わらないんだな、と、つくづく思う。
そう、それは、いわゆる
仮装パーティー
というやつだ。
言い方を変えれば、コスプレである。
だが、アニメのコスプレではないぞ?
漢服を着ての立食パーティーである。
日中の学生の交流イベントである。
あたりを見回すと様々な格好をしている学生がいる。
「あ!あれは、冕服!すごいな、皇帝の格好をする人がいるなんて!」
独特な帽子を被ってる。
「あれって、前見にくくないんだろうかね?ジャラジャラと邪魔じゃない?」
言われてみるとそうかもしれない。
目の前を装飾品がジャラジャラしてたらちょっと邪魔な気もする。
「お隣は、お妃様かしら?真っ赤でとても華やかね。」
隣にいる女性は割と体格の良い人のようだ。なんと言っても、妖艶な様子が見受けられる。
「あんたにはあの衣装は無理だね。重さで潰されちゃうんじゃない?」
そう言って麗奈がからかってくる。
そんな麗奈は、宮廷の女官と言うのだろうか、派手すぎず、地味すぎず、彼女の闊達さをより引き出すような曲裾袍に身を包んでいる。
「え、私そんなにやわじゃないよ?」
そう言ってはみるものの、深淵のご令嬢よろしく、薄手の絹でヒラヒラしている服装である。
「やっぱ、あんたにはあのごつい衣装は似合わないよ。」
そういって、私の上着を引っ張った。