転生者もふもふに癒された一時
もふもふ出てきました。
川で涼んだ後、村の宿屋に移動して明日の朝、村を出ることになった。俺はワンコの側にいたいので、部屋で休むのは遠慮した。その後幌馬車の中に藁を敷き、その上に布を被せる。そこを今夜のワンコと俺の寝床とする。ワンコの食事は、護衛さんの処理した熊コウの肉をかなりの量貰ってある。
「ほらお肉だよ‼内臓も用意してあるぞ~」
俺は2頭に食事与える。身体が弱っているので躾ることは、まだしない。
「メディ、本当にここで寝るのかい?」
「ええ。ボクはここで寝ます。もし部屋で寝ている間にワンコ達を捨てられたら困りますから!」
「そ、そんな事しないよ~っ」メディに懐疑的な眼差しを向けられているような?
「パーパは部屋で休んで下さい。」
「いや、メディを1人だけには出来ないよ。パーパもここにいるよ。」
「そうですか。体調を崩さないでくださいね。」
ワンコ達は食事を終えたようだ。明日も早いし寝るかな!
「パーパおやすみなさい。」
「うん。おやすみ」
┅┅
翌朝、鳥の鳴き声で目を覚ました。
「く~っはぁ~っ。目をうっすらと開けワンコを見る」
どうやら2頭とも俺の欠伸を聞きつけたらしく、俺の顔をじっと見ている。俺はそんな2頭を薄目で見つつ、さ~ら~に様子を見る。そんな俺の様子が2頭の気を引いたのか、俺の側に近より腹、脇、首、頬、頭をフンフン嗅がれハァハァ、もう1頭にもふんふん嗅がれハァハァされる。狸寝入りを続けるものの2頭共「気づいてるんだぜ、起きろよ!」とばかりに今度はペロペロ、こっちもペロペロとされ俺は「クク~~っははははー」俺、バタバタ転げ回る「だ~ハハ~メッッ~ハぁハァ」首を引っ込め身悶える。
┅┅「わ、わかった、わぁかっ!たっから~」不意にわかったと口走ったものの、何がわかったのかは?俺自身もわからずに、さらにフンフン、ペロペロされるがそこは強引に立ち上がり┅ワンコに待て!?の指示を出したら止めてくれた。
冷静になり視線を感じた方向を見ると、パーパと目が合った。どうやら起こしてしまったらしい。
「おはようございます。顔洗って来ます!」
「おはよう、いってらっしゃい。」朝から騒がしく目が覚めた。どうやらメディとウルフがじゃれあっていたらしい。こんな子供らしい笑顔を見せてくれるのはここ最近ない。というかここまで笑っているメディを見るのは初めてだ。これから先もメディを子供らしく破顔させてくれるなら、ウルフ達も私は大事にしよう!
「ウルフ達にありがとう!」と一言伝えると何が?と2頭共に首をかしげられる。つい、そのしぐさに可愛らしさ感じてしまう。
「私も顔を洗ってくるか。」
あの後、朝食を皆で済ませて村を出る。
俺は馬車の中で、ワンコにご飯をあげながら、名前を考えていた。
1頭は光の加減で灰色っぽい白に見え、所々黒っぽい毛が甲斐犬の様に生えている。
もう1頭は黒っぽい灰色で、こちらは所々に金色の毛が生えている。
どうするかな?前世の職業で1日1回言っていた言葉からもらうかな!
白のワンコは「フールセック!君の名は、フール!!」
黒のワンコは「デミセック!君の名は、デミ!!」
名前を決めた後すぐに声をかけられた。
「メディ、名前が決まったの?」
「この子がフールセックで、この子がデミセックです。ボクは、フールとデミと呼びます!」
「メディと仲良くしてね。フール!デミ!」2頭共シッポを激しく振り、残像が見えるほどだ
「パーパ、フォレスト·ウルフってどんな魔物なの?」
「飼っているという人も、魔物使いとして手元に置いているという人も、知り合いにはいないからな~ただ森で出くわした時は注意が必要な魔物だよ。成犬は大きいもので、体高は120㎝くらいかな、2頭いればこの間のグリーンベアーには余裕で勝てるかな。ま、素早く、力強い、噛む力も強力!討伐依頼がなければ出合いたくない相手だね。」
「メディ、領地に着いたら冒険者ギルドに行って、魔獣登録をしに行こうね。義務だからね!」
「はい!わかりました。」魔獣登録か、冒険者ギルドって事は絡まれるか、いい人が助けてくれるか、テンプレあるかな?!
「今日はここで野営をしよう」幌馬車が止まり、俺はこの間と同じ準備を始めていく。
┅
フールセック、デミセック これを知っている方はお菓子に詳しい方だ!