1章2節 その実力は。
貯めないで毎日書くのは無理です(白目
広域戦闘訓練場にてようやく長い教官の話が終わり憂鬱が増してくる。
そんな中、話が終わりオーベルが近づいてくる。
「まぁそう膨れるなよ」
苦笑しているってことは僕の気持ちは察しがついてるだろ。
「笑いながら言うな。腹が立つ。……魔法だけが模擬戦闘ないんだぞ納得いかないよ」
そう魔法使用の模擬戦がないのだ。魔法を使えるものたちは大ブーイングだ。
教官が目だけで黙らせたけど。おっかない。
丁度ルルエナとシーウェルがこっちに来た。
まぁ不機嫌なのは僕と同じか、魔法組の同志よ。
ルンドがいないということは模擬戦闘の待機組かな?
「私も納得いかないわ!」
ルルエナが不満を漏らす。
まぁ僕も納得はいかない。
ルルエナは僕の領地の領主の娘だ。
よくわからないけど親父とルルエナの親父さんが親友らしくその縁でこうして仲良くしてもらっている。
年齢は10歳で背中まで伸びた紅い髪が特徴だ。
僕と年齢が近いこととなんか気に入られていたので一緒に魔法とか武術の訓練それとあらゆる勉強を教えてくれた。
感謝してもしきれない。僕がここにいれるのもルルエナのおかげである。
「納得はいきませんけど教官が言ってたこともわかりますわ」
ルルエナの友人である、シーウェルも僕達に同意する
「『魔法は暴走があり危険なので全員が基礎を終えてからの模擬戦闘を行う』だっけ? でもなー」
そう言う風に優等生発言ルルエナの友人である、シーウェルも僕達に同意する。
てか同意してないのは僕含めた魔法使えない組だけだしな。さもありなん。
「でしたら魔法の技能が高い人だけで行えばいいじゃない? それに2年生は魔道具を使って大規模戦闘できるらしいし、それを貸してくれればいいのに!」
「さすがルルエナは良いことを言うな」
「ルルエナさんらしいですね」
「もっと褒めてもいいのよ?」
「はぁー。これだから魔法バカどもは」
「まぁまぁ、オーベルさんや言うだけ無駄やで。あいつらは魔法のことになると制御できへんからなぁ」
僕達があーだこうだ意味のない話をしていたらルンドがやってきた。どうやらいつの間にか教官に呼ばれて模擬戦闘やっていたのだろう。
正直すまん、気づかなかった。
「おーおつかれ」
「ルンドおつかれ様です」
「まぁ私たちは貴女の勇姿を見てませんけどねどうでした?」
「おい可愛そうだろ本当のこと言うなよ」
各々好き勝手言っている。まぁ好き勝手言ってたのはルルエナだけか。
「って見てへんかったのかい! まぁこの様子じゃ仕方あらへんか。相手さんな、あたいの姿見てビビってたさかい。剣構えてたけど懐に潜ってこうよっ!」
そう言ってアッパーの真似をする。
ルンドは鬼族の女の子でシーウェルと仲がよくシーウェルの伝手でこの軍に所属したらしい。
鬼族は自分の腕試しで放浪する種族と文献で呼んだことがあるからそうなのだろう。
シーウェルとどうやって出会ったのか機会があったら聞いてみるか。
「俺も当たるならルンドみたいな強いやつが良いな。じゃないと歯ごたえがない」
「まぁオーベルさんとやったら良い模擬戦できたかもしれへんなー」
「お互い火を花飛ばすなよ。筋肉バカ」
オーベルとルンドのお互いの視線がぶつかっている。
オーベルのほうが種族的に身長が低いから見上げてる感じである。
なんならここで一戦しましょうかって感じだ。
あっオーベルはれっきとした人間種だよ?
「そんなことより教官にせめて魔法師だけの模擬戦闘をいかに納得させれるか考えませんか」
「さすがシーウェル建設的な話ね」
「そうだな、なんか考えてみるか」
「オーベル! ディウエル・ヘンヴァッハー! 両名そろそろ待機所まで来なさい。三戦後です」
教官補佐の声が聞こえた。
うん? 俺とオーベル? もしかして?
「あーあ」
ルルエナがどんまいという顔をし。
「これは?」
シーウェルが自体を読み込めてない様子で。
「ディーさんどんまいやで」
ルンドが俺の肩に手を置いて首を振った。
「オーベル僕魔法使えないとそのね、かなーり弱いので手加減してくれてもいいんだよ?」
「冗談がうまいな親友。『年齢で下に見てると痛い目見せるよ』ってかっこいいこと言ってたじゃないか?」
「オーベルその前に『僕は魔法が使えるから』って言ってなかったけ?」
「俺、頭悪いから忘れた。もし仮にあたっても手加減しないからな」
「ハハハ、……お手柔らかに」
僕の乾いた慟哭は訓練場のの喧騒に霧散した。