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異形の冒険者  作者: まる
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護衛と討伐をする

【人間編 護衛と討伐をする】


決意を固め依頼を探すが、護衛は元より、遠距離の討伐も無い日々が続く。


ウハーに相談すれば、とっととダンジョンへ行けと言われていただろう。

しかしアザゼルは、協会とギルドのアドバイスを頑なに守っていた。


「今日も護衛や討伐の依頼はなさそうだな」


元々天使と言う存在であり、争ってまで何かを得ると言う概念が無い。

幾ら早く並んでも、周りを押しのけてまで依頼を受けていないのも原因の一つだ。


ワンテンポ遅れて、協会の掲示板を眺めていたある日の事。


「アザゼルさん」

「何かな?」


協会の職員から声が掛けられる。


「アザゼルさんに、指名依頼が来ていますよ」

「・・指名依頼?」


指名依頼は、少しずつ信頼の上に信頼を積み重ねた者が得られると聞いている。

決してランクEの、ましてやこの外見の自分にあるはずの依頼では無い。


「何かの間違いでは?」

「いいえ、間違いありません。・・その、特徴が一致しています」

「なる程。では誰であろうか?」

「アザゼルさんが、初めてこの町に来た時に一緒になった商人と言えば分かると」


視線を巡らせ、記憶をたどり、遂に一人の人物像となる。


「ああ、あの御仁か。あの時はとても世話になった。礼らしい礼はしていなかったな・・」

「そうなんですか?」

「うむ。ならばその依頼、何が何でも受けねばな」

「どうぞ」


手渡された依頼書に書かれた商人の元へと向かう。




慌ただしく動き回る店員の一人を、何とか捕まえて話しかける。


「失礼。依頼を頼まれたのだが?」


アザゼルの姿を見てギョッとする店員に、自分が依頼で来た事を伝言してもらう。

しばらくして、あの時の商人が出てくる。


「おお、アザゼルさん。ご無沙汰しております」

「こちらこそ。あの時世話になったのに、礼らしい礼は出来ず」

「何を仰っているんです。助けられたのはこちらなんですよ?」


お互い旧知の間柄のように挨拶を交わす。


「護衛の依頼を受けていただけるのですよね?」

「勿論そのつもりだ。しかし私はソロで・・」


協会やギルド、依頼の状況を見る限り、ソロは嫌がられる。

もしかしたら、自分がパーティに居ると思った可能性もある。


「大丈夫です。メインのパーティは決まっており、追加のパーティを探していたんです。依頼の度にアザゼルさんの事を確認してまして。ランクEなられたんですよね? おめでとう御座います」

「それで、わざわざ指名依頼を?」

「勿論ですよ」

「わざわざ、すまない。しかし・・」


小手を外すでは無く、上からたたいて痣の事を思い出させる。


「その件に関しては、申し訳ありませんが黙っていて下さい。しかし、それを差し引いても、私は貴方の実力を買っています」

「最善は尽くすが、人を騙すのは・・」


良くもまあ、今まで騙されずにやってこれた物だと苦笑いする商人。


「普通は自分のプライベートを、率先して話す人はいません。私にだって聞かれたくない事の一つや二つあります」

「そうなのか?」

「当然です。でもアザゼルさんは、私の事を根掘り葉掘り聞きたいですか?」

「いや、全く」

「それと同じです。答えたくない事は答える必要はありません」

「・・善処しよう」」


確かに自分の痣は、人々にとって好ましい物ではないだろう。

しかし、わざわざ自分は不幸な人間ですと、言いふらす物だろうか?

それでもやはり、他の人たちに隠し事をしている事に変わりは無い。


「では、今日の護衛を共にする方々を紹介しましょう」


そう言って、他の護衛の待機している場所へと案内してくれる。






メインパーティは、5人組で、リーダーがランクDで、残りがランクEである。


アザゼルを見ると、その容姿を胡散臭そうに見るが、雇い主には文句を言わない。


「では、明日の朝一番で、西の砦へと向かいますので、皆さん準備をお願いします」

「「分かった」」


メインパーティとアザゼルは、簡潔に答えて解散となる。




アザゼルの後姿を見ながら、自分たちのリーダーに声をかける。


「おい、リーダー。あんなのと一緒かよ?」

「まあ、狙う側もそう思うだろうよ」


野盗だって襲う相手を選ぶ。

あから様に変な奴がいれば、襲撃を迷うかも知れない。


「・・なーる程。単なるお飾りね」


野盗がどう判断するか分からないが、戦わなくて済むならそれに越した事は無い。

メインパーティの面々は、ニヤニヤと笑っている。

しかし彼らはすぐにアザゼルの強さを、まざまざと見せつけられる事になる。




西の砦は、周辺の草原の獣人と、更に西にある森に住むエルフへの備えである。


「まあ、エルフたちは森に立ち入らない限り、衝突はありません」

「ふむふむ」

「獣人に関しましては、砦の近隣の村々さえ狙われているんですよ」


町を出て西の砦への納品へ向かう途中、商人からの話である。


「とは言え流石に町と砦の間の街道では見かけませんがね」

「そうか」


獣人には獣人の、エルフにはエルフの、人間には人間の事情がある。

アザゼルは其々の種族の立場を慮り、その様に考えていた。






町から砦へと7割ほど進んだあたりで、アザゼルが声をかける。


「依頼主殿、リーダー殿」

「どうしました?」

「何だぁ?」

「この先に、じっとして動かない者たちが10名程居るのだが?」


アザゼルの持つ、探索能力の最遠距離に引っ掛かる者たちが居た。


「な、何ですって?」

「はぁ!? そんなはずがあるか! 何も居ねえし感じねぇぞ?」

「ほ、本当何ですか?」

「依頼主、単なる勘違いだ。新人が良くかかる臆病風邪ってやつさ。気にするな」


メインパーティのリーダーが、何の問題も無いと無視して進もうとする。


「しかし・・」

「よしんば何者かが居ても、進むしかあるまい」


取り成しをする形で、アザゼルが商人に話をする。


「た、確かに、そうですが・・」

「十分警戒して進めば良い」

「わ、分かりました。皆さんお願いします」

「ふん、俺たちに任せておけ!」


護衛としては、依頼主に対する態度ではないが、商人としてもアザゼルの事を詳しく話せるわけでもない。




しばらく進むと、アザゼルが依頼主とメインパーティのリーダーに告げる。


「動き出したぞ」


その言葉に合せるかのように、ワラワラと姿を見せる。


「本当だったのか・・って、獣人じゃねぇか!?」

「やべぇぞ・・」


パーティの面々は、人間が10名と思っていたが、獣人だった事に驚く。

獣人と領地争いはあるが、まさか街道で襲ってくるとは思いもしなかった。


「ちっくしょー・・」

「もう・・、ダメだ・・」


リーダーと、商人も既に諦めモードに入っていた。


獣人は魔法は使えないが、身体能力は非常に高い。


「けっけっけっ。皆殺しだ!」


獣人の一人が声を発すると、場違いの問いをアザゼルが問う。


「何故、我々を襲う?」

「あぁ!? お前らが人間で、人間が俺たちから全て奪うからだろうが!」


その一言を合図に、獣人たちが一斉に襲い掛かる。


しかし獣人の数人が音も無く倒れる。


「なっ!?」


あまりにも唐突な出来事に、一旦距離を取るために生き残った獣人たちは離れる。

が、続けて更に数人が倒れる。


「馬鹿な!? 魔法か? しかし詠唱が・・」


その思考の間に、アザゼルの大剣が降ってくる


「(まったく気付か・・、しかも俺より速い・・?)」


その思いを最期に意識を手放す。




ほんの一瞬の出来事・・。正にその言葉通りであった。


「おいおい・・、10人の獣人をたった1人でだと・・。しかも一瞬で?」


誰もが目の前で見ているのに、信じられない出来事であった。


少数精鋭の獣人の戦士に勝つには、最低でもランクCが必要と言われている。

その獣人が10名ならば、ランクDやEが何千いた所で勝てはしない。


「最低でもランクBじゃねぇのか・・?」


呆然とするメインパーティが、空気を読む事なく問う。


「依頼主殿、向こうは殺す気だったが故に殺す事になってしまった。どうしたら良いのだろうか?」


仲間への危害の事を考えれば、やむを得ない事ではあった。


「獣人であり、襲われた訳ですので、それは問題ありません。そのまま放置しておけば、モンスターの餌にでも・・」

「モンスターが増える事にならないか? 聞けばこの者たちは、戦士なのだろう? 戦士には戦士の弔い方があるのでは?」


戦場なら未だしも、僅かとはいえ弔う時間はある。


襲ってきた者たちを弔おうと言うアザゼルに、依頼主である商人は驚く。


「うむぅー。獣人たちの習慣などは存じ上げませんので、何とも・・」

「そうか・・。仕方ない、野晒しを許してくれ」


そう言うと、死骸・・、いや遺体を丁寧に並べる。


「待たせたな、行こう」

「・・はい」


アザゼルは自分の罪の償いのため、どうしたら皆が仲良くできるかと考えていた。


魔族の友であるスミナユテから、他種族間の争いの話を聞いていた。

そして戦争を止めたいとも。


仲間を守るためとはいえ、実際に襲われ、倒し、死に至らしめてしまった。

一体自分は何をやっているのだろうと思い悩む。




商人は、彼の言動から不思議なものを感じる。


「(この方は何処から来たのだろう? 今時こんな考えをする人がいるとは)」


アザゼルは獣人を何人といい、自分たちは何匹と呼んでいるのが良い例だろう。


護衛のメインパーティは別の事を考えていた。


「(ランクEだぁ? 獣人を10匹だぞ? 何がなんだか・・)」


獣人の戦闘能力から考えてランクB・・、何故こんな所で燻っているのか分からない。






程なくして、戻らない仲間を探しに来た獣人たちが死体を見つける。


「ちっくしょう・・。よくも人間たちめぇ・・」


悲しみよりも怒りに憤るが、その中の一人は別の事を考えていた。


「(こいつらは、魔法で倒された訳じゃない)」


数人の眉間にスローイングダガーの痕が残されていた。


「(純粋に戦いで敗れた・・。辱める事無く、可能な限り悼む気持ちが感じられる)」


自分たちの仕来たりとは違うが、丁寧に並べられ、人の目に触れない深い草の中に。

モンスターの餌となる可能性は高いが、自分たちが見つけやすいようにしてある。


「おい! 偽物。ぼさっとしてないで、仲間を連れ帰ぞ」

「はい。(俺たちと同じ考えをしてくれる人か?)」


偽物と呼ばれた獣人は、アザゼルの事を考えながら、元仲間を抱え上げる。






商隊は獣人の襲撃以降滞りなく、砦に物資の納品を済ませ帰路に就く。

町に戻ると商人は、獣人を倒したボーナスを上乗せして報酬を渡してくれる。


「また機会がありましたら、お願いしますね」


獣人10匹をたった1人で倒せる・・、是非とも確保しておきたい人物である。


「おい、あんた。それだけの実力があるなら、もっと上のランクじゃねぇのか?」


問われたアザゼルは、逡巡して自分の仮面を叩く。


「色々と事情がある」

「そっか・・」


パーティの面々は、アザゼルの外見に何かあると理解する。

商人も、その答え方で良いと言わんばかりに頷いている。


お互いにそれ以上聞くでも語るでもなく、別れを告げる。






戦闘職協会で、護衛の依頼報告を済ませて、ギルドに無事の帰還を報告する。


報告のついでに、ウハーに尋ねてみる。


「何故、他の種族と争うのだろうか?」

「・・・さあ?」


依頼を探しながら、一言冷たく答える。


「何故、我らを襲うのかと聞いた時、私たちが奪うからだと言っていた」

「領地など誰の物でもありません。お互いが自分の者だと言い張っているだけです。結局は自分たちの益のため、自分勝手に奪い合っているに過ぎません」


人間も他の種族も、自分たちの益のために奪い合っている・・。お互い悪しき存在なのか?

しかし必死に生きている人々、正しく生きようとする人々、助けあう人々がいる。

獣人だって同じではないのだろうか? いや他の種族だってそうである。


では自分はどうなのか・・。痣を隠して浅ましく生き延びている。


「自分も、自分の益のために偽っているのだろうか?」


アザゼルが仮面を外そうとする手を、ウハーは優しくそっと押し留める。


「隠そうとするのが、傷だろうと、痣だろうと、素顔であろうと関係ありません。人には人の事情があり、隠す側にも、受け入れる側にも問題があります」


結局のところ人それぞれですと言って、依頼を渡してくる。

価値観と言う物に、雁字搦めになっている事を、改めて理解する。


スミナユテの、世界を回れと言う言葉が、今さらながらに胸に突き刺さる。






深く考えながらの日々で、ウハーの警告通りの依頼を協会で見つける。


「この討伐の依頼は、何故残っていたのか?」


酪農をする村からの依頼を、協会の受付嬢に確認する。


「えっーっと・・。ああ、報酬が低いのですね」

「他と比べても、遜色ない金額に思えるが?」

「ソロなら問題ないでしょうが、パーティの人数で等分すると、割に合わないんです」


飼育している動物を襲うモンスターを、退治して欲しいしか書かれていなかった。


村にはある程度、自警の責任が求められる。

手に負えない様な問題があれば、管轄している町に相談するのだが。


「この依頼ですが、何が何匹と書いていないが?」

「そうですね・・。依頼主と話してもらえますか?」

「依頼を受けるかどうかは、その後で構わないか?」

「もちろん結構です」


町役場の方で確認不十分なまま、協会が依頼を受理してしまったようだ。


村の依頼主に聞けば、逆に相談されてしまう。


「この依頼は、何を何匹倒せば完了するのか?」

「良く分からないのです。どうしたら良いのでしょう?」


彼ら自身、依頼慣れをしている訳ではない。


「大体で構わない」

「確か犬系のモンスターが2匹から3匹程度だったかと・・」

「では3匹倒して、2日から3日程様子を見よう」


本来であれば、町役場や協会の方がフォローして確認すべきものなのだろうが。


「も、もし、再び現れたら・・?」

「改めて依頼を出してもらう事になる」

「そ、そんなぁ・・」


彼らの言っている事は自分勝手だろうか?

ただ日々の生活に精を出し、歯を食いしばって生きているだけだ。


町役場や協会の方が、もう少し確認してくれればと思う。

しかし彼らには彼らの言い分があるだろう。


ならば獲物を狙うモンスターが悪いのか?

モンスターとて生きるためには、襲って食わねばならない。


それとも何も出来ない自分が悪いのか?


アザゼルは、善悪でしか裁けない法律やルールでは、人々の価値観を満たせないと痛感する。


「どうする?」


只今の自分に言える事は、ただ一つなのだ。

そして自分の提案を受け入れるのか、拒否するのか、彼らの答えを待つだけである。


「・・先程の条件で、お願いします」

「承知した」


村長の苦しい判断を受けて、討伐の依頼を受諾する。




その夜から長距離探索を仕掛けて、モンスターの来襲に備える。


やがて20匹ほどの群を捕らえる。

どうやら村人たちが見たと言う3匹は、この群の一部だったのだろう。


この数が群の最大規模で、おそらくボスが存在する。


「ふむ」


『倉庫』からスローイングダガーを取り出し、慌てるでも急ぐでもなく、いつもの足取りで群れの居る位置へと向かう。




重低音の唸り声と共に姿を現したのはグレーウルフで、犬系の上位である狼系であった。


しかし斥候役の3匹は体をビクリと震わせて、その場に倒れてしまう。


「行くか」


そのまま探索で捉えたウルフの群に急襲を仕掛ける。


敵はただ一人。一匹を除く全てのグレーウルフが囲い込むように迫ってくる。

しかし対峙出来たのは、ほんの5匹・・。いつの間にか残りは地に倒れていた。


その5匹も警戒していたはずなのに、いつの間にか手にした大剣で打ち倒される。


グレーウルフより二回りは大きい群のボスである、ブラックウルフは近づく者を威嚇する。


もしウルフたちが喋れるとしたら、こう言っていたに違いない。


「(おかしい・・、何故・・?)」


確かに敵を見ていたはずなのに、大剣の切っ先が唐突に目の前の現れる。

回避は元より、反応する事すら許されずに、眉間に一撃を受け事切れる。




20匹全てを村へと運びこみ、そのまま朝を待つ。


起きてきた村人たちと村長は、あまりの光景に慌てふためいていた。


「一応、20匹の群れだった。ボスが居たので群れごと潰せたはずだ。大丈夫だと思うが、2日から3日程待機する」

「あ、ありがとうございます・・」


3日待機するが、他の群や探索に引っ掛かるモンスターも無く依頼終了を宣言する。


流石の村長も20匹の群と、ボスの存在に文句のつけようが無かった。




皮や牙などの素材だけ剥いで、西の町の協会へと報告に戻る。


証拠品の素材を見せてながら、依頼の詳細を説明する。


「ブラックウルフをボスとする、20匹のグレーウルフの群? 信じられない・・」


どの様なモンスターが何匹と言う確認を怠っていたが、ランクEのソロの仕事では無い。

調査報告として切り上げて、町の緊急依頼にしても良いレベルである。


素材の代金と報酬を受け取ると、呆然とする協会の職員を残しギルドへと向かう。


「今戻った」

「お帰りなさい」


協会の依頼を見せて、事の顛末をウハーに話す。


「ブラックウルフ率いる20匹の群。勝てたから良い様な物を・・。あまりにも依頼と実際の状況が違えば、協会へ報告して下さい」


話を聞けば、自分が言った様に終わりを確認しているので、アザゼルに手落ちはない。

実際にフタを開けたら、格上のモンスターだったと言う良くある話だ。


「失敗にならないか?」

「成功や失敗の前に、命あっての物種です」


ウルフ系の群であったから良かったものの、更に上位の種であれば村を滅ぼしかねない。

村々を管轄している、町が対応すべき事案である。


「それに貴方が失敗すれば、村人への対応は遅れていました」

「っ!?」


ウハーの一言にハッとさせられる。

自分が失敗したら、村は滅んでいたかもしれない。


その事実にショックを受ける。

仮面に隠された感情を、ウハーは目聡く見つける。


「少し依頼を休みますか?」

「いいや。やらせて欲しい」

「分かりました。どうぞこちらを」


内容をろくすっぽ確認せずに、アザゼルはギルドを後にする。


「とうとう厄介事に首を突っ込みましたか・・」


アザゼルの思い悩んでいる事と、少し違うがウハーは察していた。


依頼主を本気で助けようとするのだが、自分の行いの結果が状況をより悪くする。

町の外の依頼を受け始めた新人たちが、最初にぶち当たる壁である。


「こればかりは、幾ら口で説明しても・・」


一言つぶやいて仕事に戻る。


自分の身体と命と心をすり減らして、倒れて行く冒険者たち・・

彼女の脳裏には最悪のケースが浮かんでは消えていた。





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