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異形の冒険者  作者: まる
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エルフに出会う

【世界編 エルフに出会う】


四人はドワーフと村人を装った兵士に見送られた後、東の町へと戻ってくる。


「さてウォックちゃん、ズウェイトちゃん。ドワーフの所へ行った訳だけど・・どうする?」


奴隷からの解放を待つ二人に話しかける。


「「無理だと思います」」


ドワーフの話では、奴隷を解放された二人を受け入れるのは構わないと言う。

ただ二人が受け入れられていると感じるかどうかは別であると。


「孤独・・、孤立するわよねぇ。間違いなく」

「多分、そうなるだろう」


セッチの言葉に、アザゼルでさえ同意する。


長い時間をかけたとしても、ドワーフと言う種族の価値観から見て、多少の改善は見込まれるだろうが、今の自分たちの様な関係になるのは厳しい。




ドワーフ族との会合について、話し合いが一段落するとアザゼルが問う。


「ならば、次はどうする?」


自分が言いだしたドワーフと言うアイデアが不発だったので、今度は皆の意見を尋ねる。


「そうねぇ。貴方からの情報の限りでは、魔族は除きましょう」


戻った来た人がおらず、まともな情報も無ければ、判断のしようがない。


「となると、獣人族かエルフ族になるんだけど・・」

「獣人族は、一枚岩ではないとの事でしたが・・」

「エルフ族は、その・・、不可解な行動が・・」


ウォックとズウェイトは、ドワーフたちの対応から、自分たちの同族にも少々悲観的な感想を持ってしまったようだ。


「一枚岩でない獣人族よりも、ズウェイトの事を聞くためにもエルフ族が良いのではないか?」


エルフ族は少数であり、囚われている同族は必ず取り返すと言う。

東に向かっていたとはいえ、旅の間はズウェイトに接触してくる様子は無かった。


「そうね。大森林は広大だけど、まだ探せる場所を限定できるからね」


ドワーフの様な地下や、大陸を移動している獣人族に比べればの話である。


「奥へ奥へと向かえば、向こうから接触があるだろう」

「・・敵として認識されるのは得策じゃないんだけど」


ズウェイトを奴隷としている段階で、問答無用で襲われても致し方が無いのだが。




流石にエルフ族を敵にするのはよろしくないと、もう一方の種族を検討してみる。


「では獣人族を先にして見るか?」


ウォック、ズウェイトは眉間にしわを寄せて、無理と言う表情をしている。


「自分たちのために、同族を売る様な考え方の種族って言うのが問題よねぇ」

「うむ。受け入れた振りをされる恐れもある」

「獣人族って、どう言う思考回路をしているのかしら?」


獣人のウォックが傍にいるにも拘らず、あんまりな物言いである。


「と言うと?」

「強い者に従うなら、虎視眈々とトップを狙うにしても、見かけは一枚岩になると思うのよねぇ・・」

「群に手を出せば、ボスを含めて黙ってはいないと言う訳だな」



アザゼル達は知らない事だが、獣人族たちも元は王国に値する物があった。

家族意識が強く、群の一番強い物がボスになる。

ボス同士が戦い、より大きな群れとなって王国の様な物が出来上がる。


しかし東西南北の町と、街道が獣人たちを分断してしまった。

街道を跨いでのボス戦を避けるようになり、徐々に群れごとの考え方に温度差が現れる。


そして今の複雑な獣人族の在り方となっていったのである。



「獣人族に接触して、色々と聞いてみたい事は確かなんだけど・・」

「人間との交渉に長けた者がいれば、騙される危険があると」


もう少し情報を集めてからでなければ、獣人族は難しいと判断される。


「つまり、エルフ族の所と言う訳ね」

「ふむ、それしかあるまい」


完全な消去法ではあるが、今の自分たちに与えられている情報では精一杯である。




珍しくウォックとズウェイトが声をかけてくる。


「そうなりますと・・」

「ん? なあに?」

「砦が使えないと思いますが・・」


町役場で聞いた話・・

砦では奴隷にも拘らず、他種族は殺される可能性があり、関わるなと警告を受けている。


「そうね。砦を一時的な拠点にできないと、補給が厳しいわね」


アザゼルの『倉庫』を知らない彼女たちにとって、アザゼルのマジックバックが、荷物を入れる頼みの綱となる。


しかしどれだけ大容量であっても、中身は時間と共に劣化するため、保存食に頼ざろう得ない。


「あ、あと・・、その、お、お風呂も・・」

「・・そ、そうね」


セッチも自分の研究に没頭して、机に齧りついている事が多かったが室内だ。

野外ではそうも言っていられない。風呂は元より服だって・・

汗や汚れなどは、風呂に入る事に慣れた女性にとって、少々辛い出来事となっていた。






人間側の安全地帯とは、町同士をつなぐ街道の内側までである。


それぞれの町の先には、砦があり他の種族との防衛線となっている。

町と砦の間の草原地帯や森には獣人族がおり被害を抑えるため、常に兵が巡回している。


砦の外側ともなれば、明らかな危険地帯と化す。


北側は湖沼群が多く湿地帯のためか他の種族は少なく、砦から更に海の町へと通じる街道が整備されている。


東の砦はドワーフ族と停戦中であり、主に獣人族に対する備え。

南の砦は未だ砂漠を越える者がなく、東西の砦の支援。


そして西の砦は開拓の足掛かりとして、エルフ族と獣人族と激戦状態である。




先に町役場で聞いた話は、砦では法律と軍規を天秤にかけると後者に傾く。


「こう言った訳で、西の砦とその周辺の村々では、他種族を連れて行くと協力は全く得られない、下手をすると問答無用で襲われるわね」

「なる程」


アザゼルに説明しながら、全員でエルフ族に会うための準備の話し合う。


「最終補給ポイントとなる村がここね」


羊皮紙に手書きで、主要な町や村、砦の位置が書き込まれている。


街道にはほぼ一日で進める距離毎に宿場村が出来ており、その一つを指し示す。


王都から、西の町まで徒歩で4日。

西の町から、最終補給ポイントの村まで徒歩で3日。

最終補給ポイントの村から、西の砦まで徒歩1日。

西の砦から、真西に向かった大森林の始まりまで徒歩で1日。


「ここから先の村では、多少なりとも他種族の被害を受けていると考えた方が良いわ」

「ふむ」

「この村から砦を望みながら遠回りして、他の村にも寄らず森へ向かいましょう」

「分かった」


ウォックとズウェイトが、不安な気持ちで問う。


「森と言いましても、大森林ですし・・」

「・・出会えると思いますか?」

「そうねぇ・・。せめてエルフの村みたいな場所が分かると良いんだけど・・」


実の所、エルフ族には村と言う概念がない。

森全体が彼らの家であり、庭なのだ。

彼らは好き勝手な所に居を構え、常に森を巡回し、必要に応じて集まる。


目標も無く、当ても無く、ただ彷徨うと言うのは、肉体的にも精神的にも負担が大きい。

そこへエルフ族の急襲でもあった日には、目も当てられない状況になる。


「期間と場所を決めて、戻るのはどうか?」


アザゼルは協会やギルドでの依頼を通して得た経験から提案する。


「ちっ! そうね、その線で行きましょう」

「「(何ですか、そのこれ見よがしの舌打ちは!?)」」


アザゼルは特に気にした様子はないが、ウォックとズウェイトは若干引き気味。


セッチは何故か時折適切な助言をするアザゼルに、プライドをいたく刺激される様だった。







東の町から王都を通って西の町へと戻ってくると、アザゼルは冒険者ギルドへと顔を出す。


「ドワーフ族は、ウォックちゃんとズウェイトちゃんを受け入れてくれそうですか?」

「難しだろうな」

「そうですか」


アザゼルは余計な事を言わずに、奴隷からの解放が厳しい事を伝える。


「皆さんはどうです?」

「長旅だったためか、疲れているようなので休むように言ってある」

「それは、仕方ありませんね」


ランクアップや依頼をこなすために、町を回るだけでも一苦労である。

交流のない他種族との交渉ともなれば、疲労感も大変なものであろう。


「それでアザゼルさんは、その報告に寄られたのですか?」

「いいや。依頼を受けに来たのだが?」

「・・・」


何となく嫌な予感がする。いや、ギルドとしては嬉しいのだが・・


「もしかしてギルドの依頼や、ランクアップのために協会の依頼もこなしました?」

「ん? 当然行ったが?」


交渉の直前や、失敗した精神状態で皆に依頼をこなさせるとは、嫌がらせか罰ゲームだろうか?と思ってしまう。


「三人はさぞ大変だったでしょうね」

「うむ。楽な仕事など無いからな」


いやいやいや、言いたいのはそう言う事では無くてですね・・と思うが諦める。


「三人はしばらく休まれるのですよね?」

「その予定だ」


ならばと彼女達のためにも、ありったけの依頼を消化してもらう事にする。


「ではかなり依頼が貯まっておりますので、よろしくお願いします」

「分かった」


ささやかではあるが、同居人たちへの仕返しをするウハーであった。






セッチ、ウォック、ズウェイトの三人は、アザゼルがギルドの依頼をこなしている間に、次の計画を立てる事にする。


「南北どちらかのルートで、西の砦を望みながら大森林の始まりを目指すと」

「最終補給の村からなら、直線でしたら徒歩二日程ですが・・」

「・・三日は見た方が安心です」

「問題はどのあたりまで森に入るかと言う所なのよねぇ」


手書きの地図と三人で睨めっこする。


「経験則からですが、最初のアタックは・・」

「・・左程深く奥へ入らない方が良いと思います」

「尤もだわ」


可愛い冒険者たちの助言は、何故か素直に受け入れられる。


「徒歩1日分の距離までで、ベースキャンプとなる場所を探す事を目標にしましょう」

「「分かりました」」


最終補給の村の情報を集め、そこで手に入れにくい物をピックアップする。


アザゼルがギルドの依頼を終えると、必要な物品を購入し西の大森林へと向かう。






人間の兵士たちの巡回に注意しながら、予定通り西の大森林の始まりに到着する。


朝一番で大森林へと踏み入れる事しばらく、アザゼルの探索能力に引っ掛かる。


「誰かが近づいている」

「早っ!?」

「どうやら一定の間隔を保っている様だ」

「監視・・」

「・・と言う事でしょうか?」


流石は森の番人と言われるだけはある。あまりの行動の速さに驚く。


「早いがこの辺りでキャンプ地を探すとしよう」

「奥深く入る事無く接触があるなら、それに越した事はないものね」


アザゼルは警戒を、三人はキャンプ地を探す。


少し開けた場所に出ると、アザゼルが三人に警告する。


「自分たちを囲むように、集まってきている」

「どうするの?」

「気付かない振りをして、此処でキャンプの準備をしよう」

「分かったわ」


アザゼルの言葉にセッチも了承し、ウォックとズウェイトも頷く。


キャンプの準備を始めや否や、問答無用で矢が放たれ、アザゼルの足元に刺さる。


ズウェイトはすぐに水の精霊で、自分とセッチ、ウォックを守る壁を作る。


アザゼルは大剣で、降りかかる矢を打ち払おうとするが、矢は周囲に着弾する。

しばらくすると第一陣が終わったのか矢が止まる。


するとすかさず、アザゼルがマジックバック経由で『倉庫』からある物を取り出す。


「それ・・何?」

「果菜だ」


取り出したのは、赤い汁気の多い熟れた果菜だった。


「いや、見れば分かるけど、何に使うのかって事よ」

「こうする」


そう言うと果菜を投擲する。


やがてアザゼル達を取り囲んでいた者たちが、索敵能力の範囲から消える。


「どうやら、一旦退却したようだ」

「へっ!? その果菜ってエルフ族が苦手なの?」

「いや、傷つけない様に追い払おうと思ったのだが。しかし上手くいった」

「??」


意味が全く分からず、ウォックとズウェイトを見るが2人も分からないと首を振っている。


これ以上問い詰めても無駄と思い、野宿の準備を始める事にする。






アザゼルを襲った第一陣と呼べるエルフたちが、長老の待つ場所へと戻ってくる。


場所は大森林のほぼ中央、アザゼルの居る所から徒歩で3日と言う所である。

エルフたちは風の精霊魔法と、木々を駆け巡ると言う荒業で、僅か1日で到着する。


「長老」

「仕留めたか?」


第一陣の代表と思しきエルフが声をかける。


「・・何じゃ、その成りは?」

「侵入者の手によって投げられた果菜です」

「ん? ・・避けられなかったと?」

「・・はい」


投擲の的となったエルフ全員が、額に赤い実がこびり付いていた。


「つまり、石や刃物であれば死んでおったと・・」


身なりを整えず、恥を忍んで長老の前に出たのは、危険性を知らせるため。


「それから・・」


全員の弓を長老の前に差し出す。


「どうした? 特に変哲もない様じゃが?」

「侵入した者たちに放った矢は全て外れ、終いには弓の弾力さえ失われました」

「何じゃと!?」


弓に矢を番え打ち放つが、特に問題なく狙い通りの所に刺さる。


「どう言う事じゃ?」

「全く訳が分からず、一旦引いてご報告に」

「なる程・・。魔法か? それともスキルと言う物かのぉ・・」


先陣を切ったエルフたちが、嘘をつく必要は全くない。

その場を見ている訳ではないが、事実であると判断する。


「まあ、お前たちを殺さなかった事に免じて、会ってやるとしようかのぉ」

「長老!」

「ふん、大丈夫じゃ。苦しんで死ぬのが、苦しまずに死ぬのに代わっただけじゃ」


長老の恐ろしい言葉に、エルフたちは胸を撫で下ろし、安堵の表情を浮かべる。


死の選択のみ・・。

全く会話をするつもりはなく、エルフ族の人間たちとの確執が垣間見える。




長老率いるエルフ族が、再びアザゼル達のキャンプを訪れる。


「・・来たようだ」

「えっ!?」


キャンプを張ってから、早二日、相手から何の反応も無くなり、明日帰るか、しばらく待つかと話し合っている最中の事だった。


エルフ族は前のように囲うのではなく、単純にアザゼル達の前に現れる。


「私はアザゼル。エルフ族に尋ねたい事があり森へとやって来た。争うつもりはない」


こちらの言い分を一気に行ってしまう。


「エルフ族の長老を務めておる。仲間を殺さずにいてくれた事には感謝する。死ぬ前に遺言として話を聞いてやるのも吝かではない」

「遺言?」

「森に入った人間を生かしておくはずがあるまい?」

「そうか・・」


少し寂しそうに、悲しそうに俯くが、直ぐにズウェイトを前に押し出す。


ローブを外したズウェイトを見たエルフたちから、ざわめきが聞こえる。


「このエルフの少女を王都で保護した。今はこの通り奴隷だが解放してやりたい。受け入れてはもらえないかか?」

「我らエルフ族に、その少女を知る者はおらぬ。エルフ族では無いと言う事だ」

「この娘は幼き日に連れさられ何も知らない。受け入れてはもらえないか?」

「だまれ! その様な者を作ったのは人間のせいであろうが!」


長老が吠えると、付いてきたエルフたち全てが頷いている。


ズウェイトの後ろにいる三人は、今彼女の表情は分からない。

アザゼルのみ、彼女の肩に触れた手より、身を硬くし震わせているのが伝わってくる。


「つまり受け入れる事は出来ないと?」

「当然じゃ」


アザゼルの問いに、きっぱりと言い切る。


「そうか・・、残念だ」


ズウェイトを自分たちの方に引き戻す。


「すまない」

「・・いいえ」


アザゼルが謝ると、同族に見限られた悲しみか、涙ながらに一言呟く。


「ではお互いのためにも長居は無用だな。帰るとしよう」


四人は帰りの身支度を始めるが、長老がそれを許さなかった。


「待て! 生かしては返さんと言ったはずだ」


その言葉を合図に、全てのエルフが精霊を呼びだす。

長老は呼び出された精霊たちと一線を画す精霊を呼びだした。


「ま、まさか、風の精霊王・・?」

「仲間の命の礼として、苦しまぬように一瞬で殺してやろう」


ズウェイトの茫然とした言葉に、狂気に染まった笑みで長老が応える。




アザゼルは不思議に思っていた。


何故彼らは、自分たちを殺そうとするのか? 

何故彼らはそこまで怒っているのか?


自分たちはこの森へ、話し合いをしに来ただけで、傷つけない様に注意を払った。


ただズウェイトと言う少女を、奴隷から解放するために。

何も知らない彼女を、彼女を知らないと言う理由で受け入れられないと言う。


ならば自分たちは帰ると言っているのに、何故殺そうと言うのか?

・・殺す? ・・誰を? 自分を? それは構わない、元々罪深き存在なのだから。


・・自分たちを? たちとは誰か? セッチ殿? ウォック殿? ズウェイト殿?

何故彼女たちが死ななくてはならない? 


この世界でも、元居たの世界のように善悪を知る木の実を食べさせた結果なのか?

自分が良かれとした事は、この世に生を受ける全ての者に不幸をもたらす物だったのか?


自分のせいで、目の前の少女たちが殺される・・?


・・・

・・・

・・・


「許さん」


アザゼルはこの時、明確に怒りと敵意を示した。

封じられた天使としての残滓が、色濃く滲み出る。




精霊も世界が創られた際に生まれた、魔法のある一つの形、事象の一つである。

元とは言え天使であるアザゼルと争う事は、自らのこの世界での存在の否定である。


すぐさま全ての精霊と言う事象は、逃げる様に消える。

天使を傷つけようと呼ぶ者たちの声に従う事はなくなる。


「・・むっ!? 何が起きた? 精霊たちが・・逃げた!?」

「長老! 精霊たちが呼び掛けに応えない!」


周囲のエルフからも同様の声と、戸惑い、焦りなどが感じられる。

長老でさえ、アザゼル達を傷つけるためには下位精霊すら呼び出せなかった。


侵入者を殺すと言い、あの仮面の男が「許さん」と言葉を発した。

全てのエルフたちは、その言葉を嘲笑った途端の出来事だ。


侵入者たちが身支度を整え、あの男を殿に去って行くのを黙って見守るしかなかった。




彼らが去ってしばらくの後、葬儀の列の如く沈黙して森の中央へと戻ってくる。


再び彼らが精霊に呼び掛けると、問題なく行使する事が出来た。

ただあの仮面の男に手を出す事を除いて。


「長老・・、一体何が起きたのでしょう?」

「・・精霊神王」

「えっ!?」

「それしか考えられぬ」

「精霊神王・・!? 伝説の全ての精霊の母? 原始の精霊である?」


全てのエルフたちに伝えられている古の精霊伝説。

あらゆる精霊は、自分たちの母である精霊神王に従うと言う。


「風の精霊王でさえ逃げ出す程なのだから、それしか理由が思い付かん」

「と言う事は長老・・我らは?」

「精霊神王を敵に回した事になる」

「そ、そんな・・」


エルフ族にとって精霊とは切っても切れぬ関係。

全ての精霊を敵に回す? エルフ族にとってはあってはならない事態である。


「未だ精霊たちは応えてくれる。あの男に敵対さえしなければ・・」

「しかし何故、人間などに?」

「分からん。精霊とは本来自由気ままなモノ。我らが縛れるモノではない。見た限りあの仮面の男アザゼルと言ったか、自分の力に気付いている節はない」

「如何しますか、長老?」

「まだ望みはある。あの仮面の男アザゼルについて調ぺよ!」

「はい!」


大森林の全てのエルフたちが集められ、選りすぐりの精鋭が調査に向けられた。





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