世界は私が思っている以上に・・・
「アルバーノ殿、それは無謀ではござらぬか?」
わが軍、六大将軍の1人。怪鳥のハシビロ男爵が執事のアルバーノに食って掛かる。
其処問いかけにアルバーノは答える。
「しかし、ハシビロ男爵。他に名案がありまするか?」
他の将軍たちも唸る。
空と地からの同時攻撃・・・其の隙に少数精鋭であ奴を助けに行くという。
私も無謀に近い作戦と思う。
いつまで、攻撃が持つか?
無事見つけられるのか?
勇者は何処にいる?(勇者は厄介すぎる・・・)
と・・・・その時に伝令が走る。
「会議中に失礼いたします。城の正面に怪しい者がおりまして・・・」
私はすぐさまに、城の正面の殺気を読み取る。
「「おい、無礼だぞ!」」
「誰の部下だ?」
と兵長クラスが騒ぐ。
【 おい、お前ら黙らっしぁい‼ 】
六大将軍の黒オニのヘイブラが叫ぶ。
六大将軍は武器を取り、城の正面に躍り出る。
一部の幹部連中は、その城の正面にいる者の正体をすぐに捉えたのだろう。
正面にいたのは、勇者だった。
相変わらずのニヤケタ顔で・・・
「今日はね。貴方たち・・・いや、魔王様に良いもの持ってきたの。受け取ってもらえるかしら?」
布に包まれた。スイカぐらいの・・・・
いや、やめておこう。あれは紛れもなく生首だ。
「ずっと、抵抗するから少しお仕置きをと思ったらさ・・・ごめんね。殺すつもりは無かったの。ホントよ。でね。ずぅと置いておくのもアレだから・・・お土産に持ってきたの。喜んでもらえるかしら?」
そのにいる全て者が殺気立つ!
私は・・・私は・・・私は・・・・
誰かが私の肩に手を置く。
気づくと、アルとアルバーノが私の隣にいた。
そのまま、ふたり。アルはアルバーノの肩を借りて勇者の元に行き手を差し出す。
そして、こう言葉を発する。
「勇者様。その首。確と預かり申し上げます。まさか、か弱き私目を手に掛ける事はございませんよね?。」
アルは片目しかない目で勇者を見詰める。見つめ続ける。
アルにとってその眼、その言葉だけが唯一の抵抗手段だった。
勇者は呆気にとられたが・・・直ぐに唇を歪ませてアルに首を渡すと後ろを向いて帰っていく。
アルは首持って帰ってきた。
あそこで、他の者が行っていたら首すらも帰って来なかっただろう・・・
アルは私にその首を手渡す。
私は両手で受け取り・・・抱きしめる。
全てが残酷だった。
全ての過去が残酷だった。
全ての今が残酷に思えた。
全ての未来が残酷しか残ってなかった。
だから・・・だから・・・私は魔王になった。
未来を取り戻すため
今を変えるため
過去を笑えるように・・・




