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らっかせいの花の咲く頃に  作者: 真鳥 狩亜
第一章 落下精
3/25

3 あの二人は出会った――

 ついつい妄想を繰り広げてしまいそうな程温かな五月の日の光が差し込む気持ちの良い部室。


 俺…いや、俺たちは今、部活に励んでいる。この部活の名前は…


『ドロップ同好会』。


 部室棟にあるまあまあな広さの部室に、六つの机と椅子を円にして、部員と常連たちがそれらの椅子に座っている。

 部員は四人。

もちろん、俺も含めて…。


「これより、『ドロップ同好会』によりますM会合を始めますっ!」


 今、元気の良い挨拶をしたのは俺の同輩の木村真理きむらまり――通称:真理。


 うん、そのまんまだ!


 真理は、長い茶髪をサイドポニーにして、高二女子にしては長身の女子部員だ。

とろんとした二重の目とかふんわりした雰囲気の見た目に反して、運動神経が抜群なんだそう。

 だが、俺はまだ真理がスポーツとかしているところを見たことが無い。


 あ!


 真理と言えばだな、俺的にはどうでも…そう、どうでもいいんだぞ!

 どうでもいいんだが…真理は、モテる。


 一年に四度は告られる…らしい。


 べ、別に自分が告られたことが無いから強気になっているわけではないぞ!

 ほんとだからな?!


 こほんっ。

まあ、それはいいんだ。

続けよう。


「んじゃー今日はー、かず君から報告よろしくー。」


 のんきな口調…ではないな、のんきと言うか無気力?な口調で司会進行を務めているのは、これまた俺の同輩の花宮野々《はなみやのの》――通称:のん公。


 のん公は抹茶色の長い髪を耳の下あたりで二つ結びにしていて、前髪は寄せてクロスさせたピンを二か所に留めている。


 こう見えて、のん公は親父さんがどっかの町の町長をしているらしい。

のん公っつうあだ名はそっからきたんだけどな。


「先輩、聞いてくださいよー。

俺昨日の夜、死の歩道橋で自転車の攻撃にクリ―ヒット!

そんでもって、落下!

トラック来てバーンッ!!

まじ、焦りましたよー。」


 先輩たちに対して敬語とタメ語の境界線にあるような話し方をしているこの男子部員は、俺の後輩の戸田和弥とだかずや――通称:かず君。

又は、俺しか言ってないけど…かず坊。

 

 黄褐色色の背中まで伸びた髪を後ろで一つに結んでいて、顔立ちも整っている結構な美青年だ。


 うーーん………。


 かず坊は特に無し!

 髪とか見た目の特徴以外、ほぼ全部平均値だからなー。


 仕方ないぞー。

 うんー。


「そういう時に活躍してのが…?」


「私たちの発明した…?」


「「ちょっと重いけど我慢してね!ver5…ですね!!」」


 自慢げに話しているのは、俺の同輩の|(老けてるわけでは無いが)白髪で長身の美青年、七海勇斗ななみゆうと――通称:ななさんと、後輩で肩まで伸びている金髪をちょこんと少し結んだ背の低い美少女の米澤美子よねざわみこ――通称:巫女様だ。

 

 この二人は、部員ではない。

 えーと。

何だっけ?


 そうだ!

 ななさんは放送部で、巫女様は料理研究会だった!


 で、何故そんな二人が全然違う部にいるのかと言うと…。

簡単に言うと、M会合の常連なのだ。

 何故常連か、はまたの機会にしよう。


 そうそう、で、二人の得意なことは物の発明。


 が、しかーしっ!!


 物の発明という才能はあるのだが、この通りネーミングセンスが全く無い!


 だってほら、『ちょっと重いけど我慢してね!ver5』だぞ?

 ダサい。

 名前長い。


 これはもう笑うしかないだろ!


 あ、『ちょっと重いけど我慢してね!ver5』の説明は言う時がきたら教えよう。


 別にじらしてるわけではないぞ!


 あとさあ、二人共「ver5」のところだけ発音良くするのやめてくれるかな?!


「おい、七夕っ!この巫女様に対して、その白々しい目は何だ!」


 そして、年下の巫女様にキレられてるのが、俺。笹原雄介ささはらゆうすけだ。

通称:七夕。


 何故こんな意味不明なあだ名になったのかと言うと、単純に、笹原の『笹』からきたそうだ。


 何かこいつらの中では、『笹=七夕』っつう風になってるらしい。


 つーか、俺白々しい目なんぞしていない!


 しかも、後輩にあだ名で呼ばれた?!

 俺ってそんなに後輩になめられてた?


「次ー、七夕ですけどもー?」


 のん公が面倒臭そうに言った。


 俺はのん公をじろりと睨んでから、無駄にガタガタ揺れる椅子から立ち上がった。


「えーと…。まあ、いつも通りベランダから落ちたぐらいかなー?

あとは――――?」


 あとは、何かあったっけなー?

 何か、何か、何か…。


 別にそれ以上落ちたわけでもなく、特に何もなかったわけで…。


 今も、窓の外に上の方から落ちてくる人影が見えたぐらいで。


 ―――――――――――おや?


 人が、落ちていった…だと?!


「――ッ!!人ッ?落ちてる?!」


 


 

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