1話目『父親の想い、後編』
「娘を助けていただけるんですか…!?」
『ええ、その代わり、‘身代わり’が必要なんですが…』
「私で良ければなんでもします…!」
【やはり…】
『では僕と来て下さい…』
〈ちょっと待て〉
【ろくでなしが来たぞ、】
〈怪しいからな。俺も連れてけ〉
『…分かりました』
おれ達は、おれの家へ向かった
『じゃあこれから皆さん、幽体離脱をしていただきます、なのでオレの横で寝て下さい』
「分かりました」〈分かった〉
『どうですか?幽体離脱した気分は?』
「変な感じです…」
〈お前すげーな〉
『どーも。でわ、娘さんのところへ行きましょう』
オレたちは、死に神の下へ再来した
「優衣…!!」
〈優衣…!!〉
《…身代わりは誰だ…?》
「わ、私が…」
〈いや、俺だ〉
【…!!】「…!!」
〈俺の大事な娘だ、返してもらう〉
《返すが代わりにお前が死ぬぞ?いいのか?》
〈構わない〉
「アナタ…!!どうして…?!」
〈俺は今まで父親らしいことをしてやれてなかった。それにな、お前らに手を挙げたりもした。でもな、俺はお前と優衣を心から愛している、この気持ちは嘘じゃない〉
【…貴之くん】
〈お義父さん、今まですんませんでした〉
【オレの方こそ…すまんかった…】
〈死に神さん、早く優衣を元の体に戻してやってくれ〉
《…ああ、今戻した、さぁ、お前はこっちに来るんだ》
〈ああ、今行く〉
〈よしえ、じゃあな、お前はどうだったか知らないが、オレは幸せだったよ、ありがとう〉
「そんな。今更そんな事…泣」
〈泣くなよ…じゃあな、優衣の事頼んだぞ〉
貴之さんは死に神に連れて行かれ、
オレ達は家に戻り、
優衣ちゃんが入院している病院へ向かった
「ママ…」
「優衣…!!」
「ママ…あのね…夢の中でパパが出てきて言われたの、ママの言うことちゃんと聞くんだぞ!って、でね、パパお空に飛んでいったの…」
「…うっ………うっ……」
「ママ…どうして泣いてるの?」
「なんでもないわ…グスン」
オレは黙って帰ってきた
親子の愛…
こんな感じなのか?
自分の子供の為なら命も惜しくないのか?
オレには…わからないよ…
【兄ちゃん、ありがとな!】
『うるせーよ、じじい』
オレは帰って両親のことを思い出そうとしたがやめた
にしても今日は疲れた
寝るかな。
《終わり》




