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反逆(裏)  作者: あきら
2/5

1.5

アレンからキツネのロボットを買った。作成していた人工知能のプログラムをこちらに移す。うまく動かない。こういう時はクリードに頼む。クリードはロボット工学が得意だった。いや、それ以外の分野も優秀だった。僕はクリードのことが嫌いだった。全ての教科で自分よりも成績が良い。それだけなら、ヤツは天才だからと言い訳をするだけだ。しかし、こいつは努力家だった。時間があれば、勉強している。ヤツは天才だ。ヤツは出来が違う。そんな言い訳すらさせてくれない。自分の駄目なところを直視することを強いられる。クリードはそんなヤツだった。不思議なことに、嫌いなのに一緒に行動することが多かった。どこか自分に似ている。だから、なおさら嫌いなのだろう。


カレンがハイハイをするようになった。目を離すといつの間にか消えている。しかも、何でも口に入れてみる。おかげで目が離せない。抱っこしている時が一番安全だ。それでも、動くものや音が出るものがあると身体全体でそちらへ行こうとする。カレンの行きたい方向へ抱っこしたまま連れて行く。そうしないと不機嫌になるからだ。最近のカレンのお気に入りは、じいちゃんのラジオだった。なんといっても音が出る。そのラジオにはシールが貼られていた。僕が子供のころに貼ったシールだ。じいちゃんはずっとそのラジオを使っていた。ときどき音が出ない。そんな時、じいちゃんは軽く叩いてみる。音が出る。カレンはマネしてラジオをどんどん叩く。そんな姿を見ながら、じいちゃんに新しいラジオをプレゼントしよう。そう思った。


キツネのロボットが動くようになった。そうは言っても、クリードにほとんどやってもらったのだが。どうせだから、文字が出るだけじゃなく、画像と音が出るようにしよう。その方がカレンが喜ぶ。そう言えば、ロボットに名前を付けないと。名前を読んだら尻尾が動くとかカレンが喜ぶに違いない。尻尾を振って喜ぶなんて心があるみたいじゃないか。名前は何にしよう。好きな小説から適当に取るか。好きなスポーツ選手。映画俳優。悩むな。

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