最期

私もついに天に召されるときが来たのかと、他人事のように考えた。

たくさんの人の血で手をあかくアカク染めた割にはあっけない最後だと思いつつ、目の前にいる男に目を向ける。

私のだけじゃない返り血を大量に浴び、艶やかな紅い唇を吊り上げて、いまだ殺気を振りまいている。

別にこの世に未練なんてこれっぽっちも、ない。

あなたの手で終われるだなんてこれ以上はないんだから。

だから、さぁ早く、私をこの薄汚れた世界から、

解 放 し て。