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バカな俺のスパイ伝説  作者: 白 一梅
第一章 地下組織
6/8

第六話

俺が、囮を完璧にこなす為には・・・。


まず、セキュリティで引っかからなければいけない。

一番派手に相手の目を引くには。

しかも、それなりに重要な場所のセキュリティだ。


でないと、囮だとすぐにばれてしまうから。

囮に見えないようにするには、絶対に口を割らないこと。

これは、口を割らないことで、ハンパない覚悟があるんです!ってのを売り出して、

あぁ、コイツは囮じゃないんだ。 囮みたいなやわな覚悟じゃない。

と、思い込ませる。


・・・俺、500円のために、よくこんな頑張ってるよなー。


俺は、思わずため息をつく。


え、哀れなヤツ?

うっせーな、もっと尊敬しやがれ!!

すごくないか、俺??

こんなに、頭が回るなんて・・・。

我ながら、感動するよ。

え? ナルシ?

うるせーな、内面だから、ナルシとはいわねーんだよ!!!


俺は、地下の研究所を目指して、エレベーターに乗り込む。

そして、地下1階のボタンを押す。


エレベーターは、音を立てずに静かに動き出す。


その数秒後、エレベーターは、静かに扉を開いた。

その先にあるのは、ロック付きの扉。

俺は、会社員証を扉の横にある画面にかざす。

扉がゆっくりと開いていった。


今更だが、地下には、地下1階から地下15階までが、研究所となっている。

一般的には、下に行けば下に行くほど企業秘密が詰まっている。

そんな中、俺は地下1階に行くことにした。


いくらボス達が大きい獲物を狙っているからって、地下1階は遠慮しすぎ?

ちげーよ!!

地下1階っつのは、以外に企業秘密を隠していたりするんだよ!

お手柔らかなセキュリティを、複雑に進んでいくと、セキュリティのお堅い、結構重要めな物があったりな。


・・・え? それなら、それはボスに譲るべきでは?

え、っとーーー。

すんません。 怖いのでセキュリティの軽い地下1階に行くんです。

それぐらいの、小さいスパイなら、そこまで拷問されませんし。

あぁ、すぐ殺される場合もありますけど・・・。


俺は、今更ながら、怖くなってきた。


え? 嘘つくな?

・・・はい、最初っから怖かったです。

ものすごく怖かったです。

まじで、心臓飛び出るくらいにドキドキしてます・・・。


びびり、だと?

俺は、そんなんじゃ・・・、びびりでわりーか!!



俺は、少しだけ。

ほんの少しだけ震えながら、足を前に進めていく。


ここの企業のビルは、全て内装のベースが白色で統一されている。

そして、白い通路を俺は歩いて行く。


白い通路は、しばらく歩くと左右に分かれた。


ここは・・・。


俺は、どの方向に向かうかを決める。


スパイと言ったら勿論、天井裏でしょ!?


・・・え? それは忍者??

いや、天井裏はスパイなんじゃないのか!? ・・・嘘。

俺の夢だったのに。 天井裏をつたうスパイ。


バカ?

学年主席の俺をなめるな!!


いいさ。 俺は、天井裏を伝うスパイになってやる!


俺は、自前スパイ道具!


折りたたみ可能な、便利な踏み台!(定価 100円)を持ち出す。


貧乏って言うなよ!? 自前なんだからな!


とりあえず、俺は懐に畳んで置いた、便利な踏み台!を取り出す。


え?ダンボールみたい?

・・・何故、強化ダンボールだと分かった!?

これ以外ねーんだから、文句言うんじゃねーぞ!!


俺は、イソイソと強化ダンボールを組み立てる。


じゃじゃーんっ!


あっという間に踏み台になりましたー。

俺は、ダンボールの踏み台を上り(結構高さがある)通気口に手を上す。


―――カパッ


俺が通気口の蓋を押し上げると、見事に蓋が持ち上がる。

俺は、それを横にずらし、それから踏み台を思いっきり蹴って

換気口へとへばり付く。

それから、筋肉が切れそうだと、切実に思いながらも腕で体を持ち上げ

通気口へと体を詰め込む。


よしっ。 侵入成功☆


俺は、自慢げにニヤニヤとする。


え? キモい?  ってか、古臭い手口しか使えないんだ、ですか?

いいだろーが、成功したんだから!! 


俺は深呼吸をしてから、下を見下ろす。


ダンボールを回収しなければ・・・。


懐から、輪の形をした磁石を持ち出す。

その輪の中心には、紐が通してある。

そして、その磁石をゆらゆらとおろしていく。

たどり着いたのは、ダンボール。の表面にくっついている磁石。

これはかなり強力な磁石であり、重いものでも持ち上げられるほどのものだ。

ダンボールにくっつけた(ガムテープで)磁石とくっついた磁石に通してある紐を、俺は引っ張って行く。

そして、通気口付近まで持ってきたダンボールを、片手で掴み、もう片手で持っていた磁石を、

通気口の出入り口付近においておく。

開いた片手も、ダンボールを掴みダンボールを折りたたみ始める。


―――カツッ カツッ カツッ


靴音が聞こえて、俺は急いでダンボールを折りたたもうとする。

だが、焦ってしまって逆に、ダンボールを折りたたむスピードが落ちてしまう。


やばいっ! 間に合わないっ!


靴音は、だんだん近づいてくる。



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