第2話 倉庫の怪、異変再び?!
登場人物紹介
猫柳明美 ちろらし探偵社所長、通称ネコミ。
柴今日子 新人探偵、通称シバキョン。
二階堂 二階堂研究所所長、通称シザー。
名和由紀子 ちろらし探偵社所員、通称ユーキ。
津村剛史 ちろらし探偵社所員、通称タッキー。
*登場する名称等は全てフィクションです。
ユーキさん、タッキーさんと私の3人で事件の現場に向かう。
「シバキョン、この経験は?」
なに、タッキーさんいきなり?
「シバキョンちゃんは未経験かなぁ。」
ユーキさん、そっそれは…。
「あっあの…。」
「シザーの旦那のとこ行ったから大体分かるか。」
へっ?シザーさん?何の事かな。
そうこうするうち現場に着いた。
ここの倉庫か。普通の建物だし、中で依頼人でも待っているのかな。
扉を開けて中に入る。
入った瞬間!なにこれ?!
倉庫内の資材は散乱しているが、その散乱が異常だ。とても人がどうこうしてなるもんじゃない。
「えっ、なっなんですかこれ?」
「ただの異変じゃないか。シバキョン知らんのか。」
いやいや、タッキーさんおかしいって。
異変とかめちゃくちゃじゃないですか!
「異変って何ですか?探偵だから殺人事件はアリですが、これって都市伝説?」
「シバキョンちゃん、冷静に。」
ユーキさん、こんなの落ち着いていられないよ。
「ユーキさん!タッキーさん!どういうことなんですか?」
「ネコミ所長から聞いてないのか。」
どゆこと?探偵に憧れて何とか入所したけど、異常事態とかマジ勘弁です。
「いやいや、聞いてないですよー。何ですか異変とかって。」
「何だよ所長、俺らに丸投げか。」
「いいじゃない、タッキー。ねぇ、シバキョンちゃんに手取り足取りとか。」
何かユーキさん楽しそうなのは何故?
「昔、所長が探偵始めた頃異変が起こったんだと。」
「当時、先代所長とかシザーさんたちも手伝って何とか収めたらしいわ。」
「でもよ、最近また異変があちこちで起こり始めちまった。」
「所長の見立てだと、おそらく異変を起こしている集団の存在があるみたい。」
「お前もビビってばかりじゃなくて処置しろよ。」
成る程、要は異変を起こす集団を突き止め倒すということ。
「でも、普通の人は異変なんて起こせないですよね。」
「ヤツらは異変の元『コア』を仕掛け、事件を起こしてるんだ。」
「つまり、一時対処的にコアを破壊しながら、最終的に異変集団を捕縛するってことですね。」
「理屈はそうだが、なかなか厄介だぞ。」
「でも、シバキョンちゃんならイケるかな。」
やるしかない!私に何が出来るか分からないけど、異変のせいで困る人を見捨てることは出来ない!
「ユーキさん!タッキーさん!私、ヤリます!」
改めて倉庫を見ると、吹き飛ばされた資材が散乱している。人が投げたくらいではこうはならない。
「妖怪や怪獣でもいたんですかね。」
「シバキョン、異変のコアについて推理するんだ。結果の事象ばかり気を取られるな。」
うん、最初驚いたけど、よく観察しよう。
資材は下の方から上に飛ばされている。
引力に逆らう力…、しかも大きい重量。
そうか!逆転の発想だ。
上下が逆なら有り得る。重力の逆転?
「タッキーさん、これって上下逆の異常現象ですか?」
「いいトコ見てるが、何か足らんな。」
倉庫だが、きちんとしている資材と散乱資材がある。何がその差になったんだ?
ん?軽そうなのは動かず、重そうなのが動いてる…?
何か分かりかけてきた。
そうか!
「分かりました、タッキーさん。物質逆転の異常ですね!」
「まあな。」
「やるじゃない、シバキョン。」
ユーキさんが、何か機械で測定してる。
「今回の異変は物質転換。通常物は上から下に落ちるが、逆に上に飛んだ。また、動きやすい軽い物より動きにくい重いものが動いた。」
確かコアとか言うのがあるんだよね。
「この辺にコアがあるんですか?」
「これだけの状況だ。必ずある!」
周りを探すが見つからない。
「ちなみにコアってどんなものなんですか?」
「何かを引き寄せる感じのモノだな。」
「意外なモノがコアだったりするわよ。」
よう分からん何かってこと?探しようないじゃん。
諦めかけた時だった。
何か気になるモノがある。
はて?あの小さい木は何?この倉庫には似つかわしくない。
「ユーキさん、あの木は?」
「いい感ね。あれが多分コア。」
あれがー!タダの木じゃないの?
「あんな木から異変が起こるんですか?」
「そのままなら何も起こらないけど、コアに異質な要素を加えたら発生するわね。」
「誰がそんなことを…。」
「これは、あくまで私の想像だけど、各地でトラブルを起こし、その隙に何かするつもりかも。」
確かに厄介な集団みたい。
「ヤツらの目的は分からんが、止めるしかないな。」
今はここの異変を収めることに集中しよう。
あの木を処分すればいいんだよねぇ。
うーん、どうすれば?
「あのコアの木処分はどうすんですか?」
「まずは、異変要素を減らすことね。それからコアの破壊かな。」
ユーキさんとタッキーさんが道具の機械を動かし始める。
周りに散乱したものが動き始めた。
「その機械は?」
「シザーさんお手製のマシンだよ。異変の処理に使う。」
「シバキョンちゃんもそのうち使いこなすようにしてね。」
倉庫が片付いていく。
全体が元に戻った感じになった時、タッキーさんが木をカプセルにしまった。
「後はシザーさんにお任せだな。」
事務所に戻り、ユーキさんとタッキーさんが所長に報告していた。
「みんなお疲れ様。今日はゆっくり休むのよ。」
もう一ヶ所の異変は明日処理することになり、大変な初日は終わった。
第3話 予告
次に向かうのは動物病院だった。異変により動物たちが大変なことに...。
次回 「しゃべる犬、再び?!」
チームちろらしの出動は如何でしたか。謎の異変拡散集団とは?次回もお楽しみに。