第1話 探偵再び!
あのネコミやシザーが帰って来る。
ちろらし探偵社第2幕の開催です。
私は昔から推理ものが好きだった。
シャーロックや金田一に憧れていたが、現実は厳しく今はOLをしている。
そんな時、ちろらし探偵社という看板を見た。
これは偶然じゃない、運命だ!
私は事務所に入った。
「ようこそ、ちろらし探偵社へ。どのようなご依頼でしょうか?」
所長さんみたいな人が声をかけてきた。
「あの!私、柴今日子って言います。探偵になりたいんです。」
「柴さん、入所をご希望ですか。私はこのちろらし探偵社の所長、猫柳明美と言います。」
「猫柳所長、私頑張るので、探偵出来ませんか?」
ここで引く訳にはいかない。
「そうですねぇ、採用試験をしてみますか。」
「是非お願いします!」
試験ムズいかな?いや、絶対合格してみせる。
「何をすればいいですかね。」
「今日いきなりは無理だから、後日改めて事務所に来てもらえるかしら。」
「了解です!」
ビシっと敬礼した。
猫柳所長の指定した日が来た。
絶対探偵になって活躍するんだ。
「お早うございます!」
「お早う、柴さん。朝からハイテンションね。」
気合いだ。
「それで、試験とは?」
「この荷物をこのメモの場所に届けてもらえるかしら。」
なになに、二階堂研究所か。
でも、荷物何だろ?
「あ、そうそう。絶対中は見ちゃだめよ。よろしくね。」
見るなと言われると見たくなるのが人間のサガ。だけど、これは試験だとすると見たらヤバいよね。
メモの番地に着くと看板があった。
二階堂研究所、やっと着いた...。
「あの…、ちろらし探偵社の者ですが…。」
「おう、ネコミんとこの新人か。」
「二階堂博士ですか?」
「博士は俺の親父だ。今は俺が所長をしている。まあ、シザーとでも呼んでくれ。」
「しっ、シザーさん?」
何でシザー?しかも眼帯とかしてる。ヤバい人か…?
「荷物を渡すように頼まれたんですが。」
「新人さん、中身見た?」
やっぱそうだよ。コレ中身見たら失格ってヤツだ。
「見てないです。」
「そう、真面目だねぇ。見ても問題ないのに。」
なにー!見ても良かったの?
じゃ試験って何?
「またネコミに採用試験とか言われてココ来たんだろ。」
「その通りです。」
「ま、ウチに来させる時点で、あんた合格してるよ。」
へっ、なに?どゆこと?
「皆お使いして合格なんですか?」
「タダの使いっぱで入所出来る程あそこの事務所は甘くねーだろ。」
「じゃあ何で...?」
「それはネコミに直接聞きな。」
シザーさんは荷物の整理を始めた。何この機械?見たことないもんばっか…。
事務所に戻ると猫柳所長と2人の人がいた。
「おっ、新人さんのお帰りだな。」
「所長、また『お試し』したんでしょ。」
「柴さん、お疲れ様。」
「猫柳所長、シザーさんから聞いたんですがどういうことですか?」
所長、何考えてんだろう。
「あなた、探偵に必要なこと分かる?」
必要なの推理力かな?
「依頼人の事件解決する推理力とか?」
「推理力もある方がいいですが、探偵は依頼人の為に一生懸命仕事に打ち込むことです。」
横にいた女性が話す。
「とか、所長凄そうなこと言って、新人さんお使いだよね。」
「ユーキ、余計な事言わないの。」
えっパシリが試験?
「それより所長、この新人に案件させんの。」
何かまだあるんですか?
「改めて紹介するわね。うちに所属する探偵、こちらの女性が名和由紀子、通称ユーキ。」
「よろしくね、新人さん。」
「で、こっちの男性が津村剛史、通称タッキー。」
「おう、よろしく新人。」
「今日からあなたも探偵よ。柴今日子さん。」
「じゃ、シバちゃんでいいか?」
何か皆カッコいい通称あるのに、私ちゃん付けだけ?いや、マズい。ここはいいネーミングを出さねば…。
「あの、通称は『シバキョン』とかは?」
「いいんじゃない、それじゃシバキョンよろしくね。」
何かもっとカッコいいのなかったかな…、ちょっと後悔。
前の会社の退職手続きも終わり、正式に探偵事務所の職員になったある日、事務所を掃除していて犬の写真が気になった。
名前はらっちーとか書いてある。
「所長、この犬何ですか?」
「ああ、シバキョンは知らなかったわね。昔の私のバディよ。もう死んじゃったけど。」
えっ?犬がバディって何、人に変身するとか。
でも、この犬幸せそうな顔してるな。所長と仲良かったんだね。
「このらっちーって犬、所長のペットなんですか?」
「らっちーはしゃべる探偵犬だったのよ。」
犬が話すんかい?ま、これ以上深入りしない方がよさそう。
「おはよーっす!」
「お早うございます。」
タッキーさんとユーキさんが入って来た。
「それじゃ、皆揃ったから依頼の件打ち合わせしましょうか。」
「今回、シザー君の調査によると、周辺の異変は2件あります。」
「俺とユーキでそれぞれやるか。」
「いいえ、今後はユーキ、タッキー、シバキョンの3人チームで解決に当たってちょうだい。」
「新人さんのトレーニングってとこかしらね。」
「シバキョン、足引っぱんじゃねえぞ。」
いきなり実戦投入?大丈夫かな?
「あの、頑張ります!よろしくお願いします!」
ユーキさんニコニコして、
「所長、シバキョンのああいうトコ気に入ってるでしょ。」
「ユーキも分かってきたようね。」
「それじゃ、1件目早速行きますか。」
ユーキさん、タッキーさん、私の新チーム探偵ライフの始まりだ。
第2話 予告
3人で向かった現場は、資材がぐちゃぐちゃになっていた倉庫だった。とても人間技じゃないと思っていたら、何あれ?ちょっとヤバすぎ!
次回 「倉庫の怪、異変再び?!」
シーズン1に続き、早くも続編開始。
新メンバーの活躍にご期待下さい。
そうそう、らっちーの後輩は…。
それでは次回また。