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入城


―エルシア―

ルア=ノア王国第二の都市。

大河エレドを挟んで広がるその街は、豊かな自然と洗練された建築美が調和した場所であり、「緑の都」とも称される。

エルシアは古くから学術と精霊信仰の中心地として栄え、今では王国の政治・軍事・経済の要所でもある。高台にそびえる「語りの塔」は、かつて王家の血を引く者だけが立ち入ることを許されたという伝説が残る。


町に入ろうとすると門番に話しかけられた。

「お前は誰で何をしにきたんだ。身分証がないとこの先には入れない」


しまった。レイ・ヴァルシアという名前さえあるものの、身分証を持ってはいなかった。

「身分証?さっき見せたよな?」

仕方なく能力を使うことにした。未知の能力であまり使いたくないが、仕方ない。


無事に門を過ぎるとそこは人で溢れていた。どうやらここは商店街のようだ。

「いらっしゃーいお兄さん武器に興味ある?見たところ大した武器は持ってなさそうだけど」

武器屋のおじさんらしき大男はそう言うと色々な武器を見せてくれた。


そうか武器か、考えたことなかったな。確かに武器は必要だ。


そこにはさまざまな武器が揃っており、杖、剣、弓、鎧などなんでも揃っていた。


しかし問題は金だ。今の持ち金は少ない。前の街では自給自足のような生活をしていたのが仇となった。

仕方ない、諦めようとしていた時、店主は察したのかある提案をしてくれた。


「見たところ金もあまりないように見える。どうだ、ここは兄ちゃん一発勝負をするか?」


勝負?なんの勝負かにもよるがこれはなかなか興味深い。乗った!


店主はニヤリと笑い勝負の内容はじゃんけんだと言い出した。じゃんけんに買った場合。レイは好きな武器を1個選ぶ権利を貰える。


レイはは相手の記憶を改ざんする力があるのだ。例え負けても記憶を書き換えて勝ちにすればいい。しかし、彼は善意でくれた勝負の場面で能力を使うと言う発想がなかった。


「いくぞ…じゃんけん ぽん 」



なんと負けた…そんなことがあるのか。

仕方がないので諦めて店から出ようとした時、店主は言った。

「一週間ここで働けば武器を作ってやるよ」

え?

「俺にはお前にメラメラとうねるオーラが見える。お前はきっと大成する。俺がここで店構えてんのはお前みたいな若者を応援してえんだ。」


悪いけどここには用事があってきたんだ。その場所を探さないといけない。


「能力者」


……なぜ知っている、この店主…


「エルシアに来るものは大抵がルア=ノアに住む能力者かその力を秘めたものだ。お前家もホテル代もねえだろ?この提案は俺からの気持ちさ、ここで働けば2階の部屋を貸してやるし、仕事外の時間でこの街を見て回れるぜ」


確かにそうだ、そうするよありがとう。




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