エルシアへの道
彼はダリウスといい、2mはあるかという大男だった。
レイは彼がなぜ自分の能力について知っているのかと疑問に思い、質問をした。
しかしダリウスは黙ったまま、静かに喋った。
「お前はこの世界の仕組みを知っているか?」
「仕組みってなに?」
レイは幼少期より町におり、街から出たことがなかった。しかし、彼の発言に疑問を持ち、思わず問い返す。
ダリウスは深い瞳でレイを見つめたまま、静かに続けた。
「お前が今まで見てきたもの、感じてきたものは、すべてこの世界の表面に過ぎない。だが、お前も薄々気づいているだろうがお前はただの“人間”ではない。」
レイは混乱し、何を言いたいのか全く分からなかった。しかしダリウスは続けた
「お前の力、記憶を操る力のことだ。その力は普通、特別な儀式をすることで得る力だ。まあいい。お前も覚醒してしまったのならばいくしかなるまい。」
彼はそういうと手紙を渡してきた。レイは手紙に目を落とす。地図には大きな都市が描かれており、エルシアと書かれている。
「20時間ほど歩けば着くだろう。だが、注意しろ。お前の力によるものか、何かが変わり始めている。気をつけろ。」彼はそういうと姿を消した。
レイは直感的に感じた。すぐには帰っては来れないと。
彼は荷作りを始めた。ナイフにロープ、水、それに食料も調達した。
いよいよ旅立ちの時だ。彼は自然とエルシアの方角を見ていた。
「歩くとなるとかなりの時間かかるよな」
レイは木を使ってボートを作り川を下ることにした。一人乗るには十分なボートが完成した。水しぶきとともに、彼の旅は幕を開けた。ルア=ノアは広く、その広さは大陸3番目だ。広大な土地、その全てをいずれは見たいと彼は考えていた。
旅路には宿がない。彼は船に乗ることで寝ている間も移動することができ、翌朝にはエルシアを目前に捉えていた。




