エラー
**一地球から遥か遠くの惑星「グラナ」ー**ここでは独自の文明が栄え、何千年もの歴史を刻んできた。だが、土地、食料、地位を巡る争いは尽きることがなく、ほんの些細なことで血が流れる。
この世界は平和を知らぬまま、1000年余りの争いの果てに、四大勢力が形成された。
そしてその四大勢力の一つ、「ルア=ノア」。
自然と調和し、活気に満ちたこの大陸に、運命の少年が生まれる。
レイ・ヴァルシア。彼の両親がつけた名だ。
少年は気づいていなかった。
彼の力が目覚める時、大切な何かを失うことになることを。
ここは「ルア=ノア」。自然豊かな明るい大陸。4大勢力2番目の強さを誇り、一人の王が治める土地。
元気な青年レイは秘密を抱えていた。彼には隠された力があることを。
彼は周りの人間の記憶を操り、改変する力を持つ。
「記憶を操るなんて、こんなことできていいのか?」彼は時折、自問自答することがあった。だが、その力を持っていることが正しいのか、間違っているのか、はっきりとは分からなかった。
周囲の人々の記憶に「空白」を作り出し、その隙間に自分が希望する記憶を埋め込むことができる。
これがどれほど便利で、かつ危険な力であるかを、彼は本当の意味で理解していなかった。
そんなある日、一人の見知らぬ人物がレイの前に現れる。
その人物は、レイの記憶に関する重大な秘密を知っていると言う。
「お前が記憶を操る力を持っているのは、お前だけの選択ではない」その言葉に、レイは強烈な違和感を覚える。