表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
零の愛寵  作者: Lilly
57/57

54話

 零たちの過去が明らかになってから数日。有心、零、菊たちは、有心の家で会議をしていた。


「これから、どうする?」

「どうするって何?」

「いや、だから、その」

 有心は零の向かい側に座っている。なのに、零とは一向に目が合わない。キョロキョロと周りを見渡している。まるで、自分の家じゃないかのように。

「ねぇ、有心・・・なんか変」

 零の核心を突くセリフに有心は慌てた。

「い、いや??そ、そんなこと、ないんじゃないかな、うん!」

「ぜ、零・・・・・・怪しい、ね・・・」

 菊が零に言う。

「ほんとに何?」

 怪訝そうに聞くと、有心はモゴモゴとしながら口を開けた。

「その・・・」


 零と菊が注目してる中、部屋の隅っこでガタガタという音が聞こえた。

「んー!んー!!」

 ガタガタという音とともに聞こえる零でも、菊でも、有心でもない声。

「うるさいんだけど?陽一」

 零は部屋の隅っこで椅子に縛り付けられ、猿轡をされている陽一を見た。

「何か言いたいことがあるなら聞くけど」

 零は猿轡を異能力で解いた。

「僕のこと忘れてない?」

「『忘れてない?』ってどういうこと?僕の異能力のこと忘れてない?なのか、僕の存在忘れてない?なのか、僕をここで縛り付けてるの忘れてない?なのか、どれ?」

 冷徹な瞳で零は陽一に聞く。

「僕をここで縛り付けてるの忘れてない?かな」

「ふぅん」


 零は己の髪に付けた簪に触れる。

 耳の横あたりの髪を一房取り、くるりんぱした結び目の所に簪を挿した姿は、元からそうであったと錯覚させるような魅力がある。


「陽一」

 零は縛り付けられたままの陽一を呼び、ニヤリと意地悪そうな意味を浮かべた。

「よく見てて」

 そう言った零は、手を伸ばし有心の唇に触れる。優しく唇をなぞると、有心が言葉にならない声を上げた。

 顔を真っ赤にして菊は手で顔を覆っている。


「あ!ちょ、え!あの!零ちゃん!!」

 陽一が焦ったように零を呼びかける。

「なに?」

 艶っぽく微笑んだ零は有心に近づき、もう一度有心の唇をなぞった。そしてそのまま耳に触れる。

「ね、ねぇ、零。どうしたの。僕に触れてきて」

 ときおりビクッとしながら、有心が困惑したように零を見上げる。

「え?陽一の反応が面白いから」

「は、はぁ・・・」

 有心がよく分からないという顔をした。しかしそんなの気にせず零は有心の唇、首元、耳、顎を順不同で触り続ける。


「ねぇ、陽一。今の気分は?」

「最っ悪だよ。僕の有心に何してくれてんの?」

 その言葉を聞くと、零は有心から手を離した。


「有心」

 零が呼びかける。

「陽一はあんたを瑞花のようにしたくて近づいたんだよ」

「え!?」

「陽一は、気に入ったやつは手に入れないと気がすまない性質なの」

 有心は未だに残るゾワゾワとした感覚と戦いながら、零の話を聞く。

「瑞花を探しに来た。陽一はそう言った。多分、瑞花がメインミッションで、有心がサブミッションだったんでしょ?」


「そうだよ」

 陽一が妖艶に笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ