45話
「よし、邪魔者は消えたし話の続きをしよう」
零がそう切り出すと、全員が頷いた。
「でも、ここ・・・」
有心が窓を見ると風がビュォォォと吹き込んでくる。
「こんなところで話なんてできなくない?」
有心の言葉に陽一と菊が頷いた。
「場所変えるって言ったって、どこにするの?」
零が言うと、有心と陽一と菊が頭を抱えた。
「あ」
菊は思い出したかのように言うと、菊の背後に黒い人影が現れた。その人影がパンと両手を合わせる。すると、一面が青空の空間へと移動させられた。
「ここは・・・?」
有心は言う。
「い、異能空間です。いろいろと異能空間はあるのですが、わ、私がここ・・・好きで」
戦っていたときとは様子が違い、オドオドしながら話す菊。
「私も好き」
零が言う。零の肯定に菊はパァッと顔を輝かせた。
「そ、そう?」
「うん。ここは、とても澄んでる」
顔をうつむかせ、零は呟く。
「私の汚いところを、突きつけてくれる」
「零?」
心配そうに触れてくる手は、温かい。
「なんでもない。それよりも、話を進めよう」
零の提案に全員が頷いた。
「まず、私の過去をここにいる全員に話そうと思う」
「え!?」
菊が大声を出した。
「いいの?零・・・」
「大体のことを、知ってるんだよ。有心は」
「僕も大体のことは知ってる」
陽一の衝撃的な発言に、零は目を見開く。
「え、なんで?」
「ん〜いや、身辺調査ってやつだよ」
「・・・」
睨む零に陽一は首をすくめる。
「ごめんって」
「まぁいいや。でも、知らないこともある。そうでしょ?」
「それは、まぁ・・・そうだね」
陽一が頷き、有心も頷く。
そんな2人を見て、零は軽く息を吐く。
「ねぇ、菊」
「な、なぁに?」
「確か、人の過去を映像化して空中に映せる異能力、なかったっけ?」
零が聞くと、菊は頷く。
「じゃあ、それで見せてもらっても良い?私が話したやつもあるけど、私目線でみんなには体験してもらいたい」
「分かった」
そう言うと菊の背後に黒い人影が現れた。その人影のおでこに零は己の掌をくっつけ、目を閉じる。
黒い人影は記憶を読み取り、空中に映像を投影した。
「うまくいったね。じゃあ、再生するよ」
零がそう言うと、有心が手を挙げる。
「ごめん、ずっと気になってることがあるんだ」
「なに?」
「どうして零ちゃんが菊ちゃんを蹴ったりするのかってこと?」
陽一の言葉に菊が慌てる。
「ち、違うんです。わ、私が・・・お願いしてて・・・。あ、ほ、ほら、私ぐうたらな生活送ってるじゃないですか。だから、誰かに言われないと・・・ずっと怠けちゃうんです。それに、零は、私のこと嫌ってないって知ってるので、何されても・・・平気です!」
「な、なるほど・・・?」
陽一は全くもって理解してなさそうな顔で頷く。
「じゃなくて!」
有心が話を元ある場所に戻した。
「最近、零が表に立ってること多くない?」
「え、レイに会いたいってこと?」
「いや、そうじゃ・・・まぁ、そうなんだけど、あ、でも」
煮え切らない態度の有心に零は首をかしげる。
「早く言って?」
「はい。その、いつの間にか話が大きくなってて僕も収拾つかなくなり始めてるんだけど、レイの感情はどうなったの?」




