表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
零の愛寵  作者: Lilly
41/57

39話

「でも、零は死んでないから悲しんでも良くない?」

「悲しむ要素がないでしょ」

 スパッと言い切った零に菊は嬉しそうに笑う。そして顔をクシャッと歪め、泣き出す。

「心配、したんだから・・・」

「ごめん」


「あのーお二人さん?」

 陽一がそう声を掛けると零は菊をかばうようにして立つ。

「あなた、何が目的?」

「ん〜僕はね、君に興味があるんだよ」

 そう言い陽一は零の前に立つ。

「なにしろ、三人いるなんて・・・初めてだ」

 三人。そう聞いて零は目を見開く。

「な、んで・・・」

「名前は分からないけど、三人いるでしょ?君の中に」

 陽一は零の心臓を指さした。

「・・・何が目的?」

「そうだね、君を知りたい」

「私を知りたい?」

「そう」

「あなた、ボスの味方だったりする?」

「いいや、違うよ」

 そう言った陽一に、有心は掴みかかる。

「じゃあ!どうして・・・あの時、僕の前から離れたの?」

「有心・・・。ちゃんと、説明しなきゃだね」

 憂い気なまつ毛は悲しそうにまばたきをする。

「僕はね、あの時・・・ボスに命を狙われてたんだ」



◆◆◆



 あの頃の僕は何というか、感情をちゃんと知らなかった。

 だから、僕はボスに悪用されてたと思う。そう、今の零みたいに。

 でも、有心に出会って僕は感情を知ったんだ。それで、僕は愚かにもボスに口答えするようになった。

 その頃からかな。ボスが僕を邪魔者扱いし始めたのは。


「ボス!どうして最近、僕に任務を与えてくれないのですか!」


 ボスの執務室に行き、執務台をバンっ!と手で叩き、僕はそう叫ぶ。

「君に向かない任務が多いからだよ」

「違いますよね?僕が感情を持って、ボスに口答えするのが気に食わないんですよね!?」

 僕がそう言うとボスは、笑っていた口角をさらに押し上げ、僕を見た。

 ボスの瞳から逃れられなくなった僕はボスの瞳を見つめる。慈愛に満ちたていながら、所有欲のようなものさえ感じられ、もっとよく覗くと殺意も感じられた。殺意を覚え、僕はゾッとして目を逸らそうとしたが、逸らせなかった。逸らそうとした瞬間、ボスのさらに深いところが垣間見えたからだ。


 暗くて、冷たくて、黒い。


 それがボスの瞳の最深部のように思えた。


「大丈夫」

 そう言い、まばたきをしたボスはようやく僕を解放する。

「陽一に向いてるなぁと思う仕事があったらちゃんと呼ぶよ。それまでは、()()()で待ってて」



◇◇◇



 その帰り道、僕はエレベーターのボタンを3回ぐらい間違えてしまい、『8、2、8』の順番に押してしまった。

 1階を押そうとして、どうして8階を押したのか。1階にしなくちゃと思って、どうして2階を押したのか。また間違えた正しいのを押そうとして、どうしてまた8階を押したのか。

 未だに分からないが、押した瞬間エレベーターがスピードを上げ、下降をした。1階よりも下に。

「え!?」


 たどり着いた場所を降りてみると、そこにはたくさんの死体が安置されていた。


「こ、この人たち・・・一体・・・・・・」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ