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零の愛寵  作者: Lilly
39/57

37話

すみません、これから少し忙しくなるので投稿がなかなかできなくなると思います。気長に待っていただけると嬉しいです。

「生き、てる・・・?」

 有心は我に返り、零の言葉を反芻した。

「うん」

「じゃあ、どこかにいるって言うこと?」

「そう」

 力強く頷く零を見て、有心は目に涙を浮かべた。

「良かった・・・!良かった・・・!」

 その有心を見ながら、零は悲しげに目を瞑る。

「有心」

「何?」

 嬉しそうな目でこっちを見ないでほしいと、零は思った。

 何かを思えている自分を不思議に思いながら、零は気づいたことを述べる。

「陽一さんは有心を裏切ったってことにならない?それに・・・私たちに味方してくれるか・・・・・・。もし」

「もし?」

「もし、ボスの味方になっていたら・・・」


ーピンポーン


 そんな無機質なインターホンの音が部屋中に響き渡る。

 妙なタイミングの良さ、そして友人が零だけのはずの菊の家を誰かが訪ねるはずもない。

 それを瞬時に理解した零は、扉の外に意識を向ける。

「っ!」

 得体のしれない恐ろしさ、そして殺気を零は感じた。

 今まで会ってきた誰よりも鋭い。息が詰まりそうな中、零は闇でできた刀を握りしめ、菊にいう。

「逃げて」

「・・・うん」

 小さな返事と共に、布団から菊が出てきた。そして、菊は有心の腕を掴み、強引に引っ張る。

「菊さん!?」

 大きな声を出す有心の口を急いで手で塞ぎ、菊は有無を言わせぬ口調で脅す。

「わ、私と一緒に逃げてください。じゃないと、い、い、今ここで・・・・・・零を殺す」

 本当に殺せないことを、菊と零だけは知っている。でも、それを知らない有心は素直に従った。

「わかった・・・」

 菊は艶やかに微笑み、窓から飛び降りた。後を追い、有心も窓から飛び降りる。

 それを見届け、零は覚悟を決め、ドアに近寄る。ゆっくりと鍵を開け、後ろに飛んだ。

 ドアが音を立ててゆっくりと開き、その先にはー



◆◆◆



「ねぇ菊さん」

 有心はピタリと立ち止まり、菊を呼ぶ。

「ひゃ!な、なんですか」

「零は大丈夫かな」

「さぁ」

「さぁって心配じゃないんですか!?」

 怒る有心を睨み、菊は告げる。

「あ、あなた!心理カウンセラーらしいですけどっ、裏社会の人間ですよね?殺し屋の気持ちが、分からないんですかっ!?」

 菊は息を吸い、ゆっくりと吐き出す。


「零は何時でも死ぬ覚悟をしてるんです!!」


 人生でこんなに大声を出したのはいつ以来か、菊はそんな事を考えながら続きを話す。

「零と約束したんです。何があっても零に『逃げろ』と言われたときは逃げるって」

 呼吸を直しながら、菊は進み始める。

 遅れた有心は少し小走りになり、菊の隣に並んだ。

「お〜い、そこのお嬢さん」

 すると、有心にとってはどこか懐かしい声が聞こえた。

「そしてー」


「有心」


 ハッとして振り返った菊と有心は、そこにいた男を見る。

「よ、陽一・・・!」

 感動したような有心の声を聞きながら、菊は尻もちをつく。

「ちょ、菊さん?」

「ぜ、零!!」

 そう叫び、菊は前を指さした。その先を有心は見つめ、絶句する。

 そこにはー


 気を失い、陽一におんぶされている零がいた。


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