30話
とうとう30話です!ただの私の趣味全開の本作にお付き合い頂き、ありがとうございます!!
現在の有心とこぼれの位置。
そう、ボスの執務室。
二人の目の前には、笑顔が逆に怖いボス。
こぼれは無邪気に笑っている。
有心は・・・悟りを開いたような表情をしている。
「はじめまして!!」
こぼれは元気に挨拶する。
「はじめまして。きみが・・・こぼれくん?」
「はい!!」
そう言いながら、こぼれは目を紅く光らせる。
【死ね】
「ボス!!」
有心の掛け声は虚しく響き・・・。
「やれやれ」
ボスは困ったように笑う。
「零くんより恐ろしいじゃないか。殺意をまるで感じなかったよ」
どうやら、目を逸らしたらしいボスはこぼれの攻撃をかわしたようだ。
「え、死なないんだ」
呆然と呟く有心を置いて、ボスはこぼれを見据える。
「きみの力は、相手と目を合わせてなきゃ通じないだろう?それは、零くんの時に知ったよ」
「あは」
狂気的にも思える笑い方をしたこぼれは首を傾ける。
「弱点をご存知だなんて、さすが〜〜。ここで死なれたら、わたしも嫌だったもん」
「死んでほしかったくせに、何を言うんだい」
ボスは危機を感じてない瞳で、こぼれを見つめる。
「まぁ死んでほしいんだけどね」
こぼれは少し声のトーンを下げて話す。そして、ボスが座る椅子の前にある机の上に膝を乗せ、上半身をボスに近づけ、拳銃を胸元から出す。
「これでバンッ!ってやれば、あなたは死ぬ」
「そうだね、やらないのかい?」
死を恐れないボスは銃口をトントンと指で触れる。
「やらない。そんなのつまらないからね」
ニヤッと笑うこぼれに思わずといった調子でボスの口角が上がる。
「きみが、ボクに復讐したいなら・・・零になるしかないんじゃない?ボクを殺せるのは、きっと零の異能力だけだ」
「よく分かったね。でも」
こぼれは意志の強くこもった目で答える。
「わたしが殺す」
地獄の底から這い出たような声で、こぼれは宣戦布告した。
「応援してるよ」
対してボスは軽やかに言う。
「わたしは、いや、わたしたちは忘れない。お前にやられたことを」
こぼれは睨む。
ボスは笑う。
有心は・・・慌てる。
「それじゃ、また今度。ボス」
さっきの声とは一転して明るい声を出したこぼれは机から降り、手を振る。
「そうそうそれと、有心ちゃんはわたしの下僕になったから、よろしく〜」
こぼれはスキップで執務室から出ていった。
「有心くん」
「は、はいっ!」
怒られると覚悟した有心だったが、まったく違う回答が返ってきた。
「楽しみにしてる」




