27話
1つ前の26話ですが、1点訂正しました。
レイちゃんが「レイを生み出した科学者はもう死んだでしょ?」というセリフのレイを零に変えました。ただのミスです。友人に言われて気づきました。友人、ありがとう。
それでは27話を楽しんでください。
「その科学者が死んで、零は一人裏社会に身を置くことになった」
科学者は消え、零は黒ズボンを穿き、黒いブラウスを着て、黒い着物風の長いカーディガンを羽織る、いつもの姿に変わった。唯一違うのは、髪が黒いところだろうか。
「当時の零は十一歳。そんなわたしに、いえ零に興味を持ったのはボスよ。二つの異能力を持つだなんて、いい駒になるとでも思ったのではないかしら。まぁ、零がボスのもとで生きることを決めたの」
零の隣にボスが現れた。
「ボスは零の面倒を見てくれて、本当にありがたかったな〜。・・・あー、なんか話すの疲れちゃった」
ふと飽きたような目をしたこぼれは零やボスを消し、冷めた目つきでレイを見た。
「ここからわたしの記憶を見せてあげるね」
「そこからのことは、覚えてないの」
レイは悲しげに呟く。
「なんか、すごく悲しい気持ちになった気がする」
「無理に思い出そうとしなくていいよ」
「うん。でも・・・これだけは覚えてる」
一呼吸置き、レイはこぼれの言葉を思い出し、震えだした手を握りしめ、震える唇を開いた。
「理由は忘れたけど・・・復讐相手はボス」
「は?」
◆◆◆
「あの子は今頃、わたしたちの目標を伝えてくれたかな??」
「伝えてると思うけれど?」
どこまでも続く白い世界。
こぼれと零は紅茶を飲みながら、話していた。
「ねぇ零」
「ん?どしたの?」
「楽しみだね!」
こぼれは無邪気に笑う。
本当は邪心にしか満ち溢れてないが。いや、もしかしたら、邪心はないのかもしれない。ただ純粋に復讐を誓い、純粋に楽しみだという可能性は否定しきれない。こぼれの体の時間は、零から感情をもらうことで進みだしたが、心は十歳のままだ。
だから、言葉遣い、性格、何もかもがあやふやで、こぼれという個がまだ確立していない。
「そうね、楽しみ」
対して零は紅茶飲みながら、無表情で答える。きっと零にとってそこに感情はない。こぼれが言うから、楽しみになる。それだけだ。
「どうやって殺そうかねー」
「好きにしたら良い。私はこぼれ姉さんの望むままに殺す」
「そーゆーところ、怖いよ??」
「そう」
こぼれはニコっと笑い、零に提案する。
「まずはボスに会いに行かない?」
「え?なんで?」
「だって、わたしちゃんと会ったことないんだよ。こぼれとして、会いに行きたい」
こぼれの提案に零は無表情で答える。
「下僕くんに言えば?叶えてくれると思うよ」
「うん!そうだね!!!」
レイと話しながら、有心は人知れず寒気を覚えた。




