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零の愛寵  作者: Lilly
29/57

27話

1つ前の26話ですが、1点訂正しました。

レイちゃんが「レイを生み出した科学者はもう死んだでしょ?」というセリフのレイを零に変えました。ただのミスです。友人に言われて気づきました。友人、ありがとう。


それでは27話を楽しんでください。

「その科学者が死んで、零は一人裏社会に身を置くことになった」

 科学者は消え、零は黒ズボンを穿き、黒いブラウスを着て、黒い着物風の長いカーディガンを羽織る、いつもの姿に変わった。唯一違うのは、髪が黒いところだろうか。

「当時の零は十一歳。そんなわたしに、いえ零に興味を持ったのはボスよ。二つの異能力を持つだなんて、いい駒になるとでも思ったのではないかしら。まぁ、零がボスのもとで生きることを決めたの」

 零の隣にボスが現れた。

「ボスは零の面倒を見てくれて、本当にありがたかったな〜。・・・あー、なんか話すの疲れちゃった」

 ふと飽きたような目をしたこぼれは零やボスを消し、冷めた目つきでレイを見た。

「ここからわたしの記憶を見せてあげるね」


「そこからのことは、覚えてないの」

 レイは悲しげに呟く。

「なんか、すごく悲しい気持ちになった気がする」

「無理に思い出そうとしなくていいよ」

「うん。でも・・・これだけは覚えてる」

 一呼吸置き、レイはこぼれの言葉を思い出し、震えだした手を握りしめ、震える唇を開いた。


「理由は忘れたけど・・・復讐相手はボス」


「は?」


◆◆◆


「あの子は今頃、わたしたちの目標を伝えてくれたかな??」

「伝えてると思うけれど?」

 どこまでも続く白い世界。

 こぼれと零は紅茶を飲みながら、話していた。

「ねぇ零」

「ん?どしたの?」

「楽しみだね!」

 こぼれは無邪気に笑う。

 本当は邪心にしか満ち溢れてないが。いや、もしかしたら、邪心はないのかもしれない。ただ純粋に復讐を誓い、純粋に楽しみだという可能性は否定しきれない。こぼれの体の時間は、零から感情をもらうことで進みだしたが、心は十歳のままだ。

 だから、言葉遣い、性格、何もかもがあやふやで、こぼれという個がまだ確立していない。

「そうね、楽しみ」

 対して零は紅茶飲みながら、無表情で答える。きっと零にとってそこに感情はない。こぼれが言うから、楽しみになる。それだけだ。

「どうやって殺そうかねー」

「好きにしたら良い。私はこぼれ姉さんの望むままに殺す」

「そーゆーところ、怖いよ??」

「そう」

 こぼれはニコっと笑い、零に提案する。

「まずはボスに会いに行かない?」

「え?なんで?」

「だって、わたしちゃんと会ったことないんだよ。こぼれとして、会いに行きたい」

 こぼれの提案に零は無表情で答える。

「下僕くんに言えば?叶えてくれると思うよ」

「うん!そうだね!!!」


 レイと話しながら、有心は人知れず寒気を覚えた。

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