24話
「絶対、服従・・・」
有心はこぼれに言われた一言を反芻する。
「はい。何があろうと、組織のボスよりも、レイよりも、零よりも、わたしの言葉が最優先です」
もう、後には引けない。有心はそう覚悟を決め、こぼれを真正面から見た。
「いいお覚悟です」
こぼれは満足そうに笑った。これで、目標にも近づける、と。
「それじゃあ、まずは・・・零から、ですか?」
「いいですか?」
「はい。それでは・・・おはよう、私」
こぼれが目を瞑ると・・・。
「有心?」
零が、現れた。
「零・・・?」
「有心・・・?あぁ、そう。こぼれ姉さんがいたんだ」
零は色が変わった髪を見ながら、そう呟く。
「うん」
「どうだった?ファーストコンタクトは」
「恐い、かな」
「恐い?」
零は首を傾げる。
「こぼれ姉さんが、恐いの?」
「恐かったよ。君より、紅い目が怪しく輝いてたようにも感じられたし・・・」
「ふぅん。そうなんだ」
零は、有心の目を見つめた。
「何か、あった?」
見破られた有心は諦めたようにため息をつく。
「今日から僕は、こぼれに絶対服従らしい」
「そ、頑張って」
相変わらずそっけない返事に有心は、とある提案をしてみた。
「これから、こぼれは僕の主様になるわけなんだけど・・・少しでいいからこぼれのことは知っておきたいんだ。零なら詳しいんじゃない?」
「まぁ、詳しいけど・・・」
「じゃあ、教えてくれない?こぼれを、満足させるためにさ」
「こぼれ姉さんは、別に自分のことを知られて満足しないと思うけど・・・」
そう言いながら、零は考える。感情は抜きで。
「ま、いっか」
頭の中で思考をまとめた零は有心を見た。
「いいよ、何が知りたい?」
「こぼれについて」
零は首を傾げる。
「私も全部は知らない。それでも、いいの?」
「いいよ」
「じゃあ、私が言える範囲でこぼれ姉さんについて言えるなら・・・」
零は考えながら、言葉を紡ぐ。
「こぼれ姉さんの目的は、たった一つ。多分、そのために有心を絶対服従にさせたと思うんだよね」
「目的は?」
有心の問いに零は勿体ぶらずに告げる。
「復讐」
簡潔で、分かりやすい一言で。




