表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
零の愛寵  作者: Lilly
14/57

12話

 チェントの首元を切れる。

 そうレイが確信した瞬間、鎌の柄の部分でチェントはレイの攻撃を防いだ。

「お前、零だろう?なのに、なんでそんなに、とろいんだ?」

 好戦的な目。

 零よりも劣っている。そう突きつけられた気がして、レイは悔しかった。

 ジブンの力量では、有心を守りきれないかも知れない。それがひどく怖くて、手が震える。


『あ〜もう、一旦私に変わって』


 頼りがいがあり、安心できる声。しかし、感情のこもっていない。レイは安心して体を氷のような声の持ち主に預けた。


「あーあ、ほんっとにそんな鎌で私に勝てると思ってるの?」

 どこか舐め腐ったような表情、絡みつくような視線。白い髪は艶やかに輝き、氷のような瞳はギラギラとしていた。

 そう、そこには好戦的な殺し屋を演じている零が君臨した。


「鎌はさ!!」

 大声で叫びながら零は一歩踏み出し、刀に変形させた闇で斬りかかる。

「刀に勝てないの!!」

 チェントは鎌を一度消し、後ろに飛んで零の攻撃を避けた。

「ましてや、私よりも弱い三流殺し屋が、私に勝てるわけ無いでしょ」

「私はまだ・・・負けてないっ!!」

 悔しげな声とともにチェントは百個の金属武器を操りだした。

「うわお。なるほど・・・チェント。イタリア語で百を意味する名。百個の武器を操るから、か・・・。いいね、燃えてきた」

 ニヤッと零は笑い、一瞬でチェントとの間合いを詰めた。

「はっ!?」

 チェントが零を認識したのは、零の刀がチェントの首を切ったとき。

 零はふっと笑い、倒れたチェントを見下ろした。

「弱い弱い。百個の武器を手にしたって、自分の気が大きくなるだけで、強さは変わらない。あんたの敗因は、私を怒らせたこと」

「な・・・どう、いう・・・」

 ゴホッと血を吐き出し、チェントは倒れた。


「レイ!?」

 背後から大きな声がして、零が振り返れば有心が上半身を起こし、零を見ていた。しかし、有心は零のことをレイと思っているようだ。

 だから、零はレイに()る。

「どうしたの?先生」

「チェントが来てから、安心しちゃって少し寝ちゃってた。何かあったの?」

 そう言いながら、有心は視線を足元に落とした。

「って、チェント!?どうして・・・」

「先生を殺そうとしてたから」

「レイが、殺したの?」

「うん、私が殺した」

 有心が零をじっと見つめる。零は有心の視線を軽く受け流して、有心を見た。

「チェント、治すの?」

「いや、治さない。ボスからも、用済みって言われてたんだ。だから、お掃除屋さんを呼ばなきゃ」

「そっか」

 有心は零を注意深く観察する。

「レイ、お掃除屋さんが誰か、分かるの?」

「いや」

「ねぇ、ホントにレイ?」

「うん」

 有心は尚、零を見続ける。

「零?」

「・・・え?」

 有心が零の名前を呼んだ。

「先生?私が零になれるわけないじゃん」

「そうだけど・・・。でも、レイは僕のことを“先生”って呼ばない。なんか、チェントを呼ぶちょっと前から“センセ”って呼ぶようになった。それと、レイはそんなに素っ気なくない。最近、心を知っていったから、もう少し感情があるように見える」

「ふぅん、レイのことそんなに見てるんだ」

 零はレイを演じることをやめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ