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君のソナタ  作者: R a bit
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番外、切り取られた原稿用紙の二枚目

三人称かつ律(一人称)視点を混ぜなければいけなくて

ほんとに自分の文才の無さに絶望してます

矢部やべから話を聞いた黒井くろい恋澄こいずみ、外川…もとい外界に住まう者(アウトサイダー)は、学校から例の公園に向かっている途中だった。

その道中で、黒井はある表札を見つけた。


ねぇ、恋澄さん。

これって


黒井が指を指し示した場所には、

宮古みやこと書かれた表札が下がったボロボロな一軒家だった。

「そうですね。確かに宮古という名字はそこまでメジャーという訳ではありませんが。とはいえ、特別少なくは無い筈です。」

隅々まで汚れ廃れているのに対し、ドアまでの道程は清潔に保たれている。

ここに誰かが住んでいるのは明白だった。

(インターフォン周りは特に汚れているわね。人が訪ねてくることは全く無いみたい。)

観察し分析する恋澄に対し、黒井と外川は特に何かしているわけではなかった。

「いや判らぬぞ。特異な力を持つ者程、目立たぬ場所に潜むというものだ。」


周りの家と比べてここまで廃れていると、逆に目立つけどね。


最早バイト先を目指すということすら忘れ、三者三様にこの家に興味を持っていた。

三人称視点から見ると明らかに不審者だ。

「あの、この家に何か用ですか?」

背後から声がし、三人同時に振り返ると

そこにはどこか既視感のある少年がいた。

「すみません。この家にお住いになられている人物は、宮古(りつ)さんで合っていますでしょうか。」

「あ、兄さんの知り合いなんですね。

じゃあそちらの方が黒井心さんですか?」


え!?なんで名前しってるの!?


「貴様、さては黒井さんのストーカーか?」

「今宮古君の弟だって言ってましたよね?」

恋澄は時計を見て、時間が有ることを確認し眼の前に居る少年と話をすることにした。

「申し遅れました。宮古(りょう)13歳です。

兄さんに用が有るなら、今はバイト先…あ、ここから二百メートル程先にあるコンビニに居る筈ですよ。」

凌はさっきの反応から会話(警戒)すべき人物を恋澄に定め、やんわりと家から立ち去るように促していた。

無論恋澄もそれを察している。

「はい。それは存じております。先程矢部先生からお話をお伺いしたので。」

表情を一切変えず淡々と答えているものの、お互いがお互いに警戒して話すため黒井と外川はポカンとした顔で棒立ちしている。

「そうですか。そういえば、逢川あいかわ愛依あいは不在のようですね。」

「彼女なら友人と遊びに向かっていますよ。」

凌はにこやかに、恋澄は無表情を貫く。

張り詰めた空気を断ち切るように、宮古宅の出入り口の扉が警察が家宅捜索に来たかと思わせる程強く叩かれた。

「あ、すみません。美琴が待っているのでこれで失礼しますね。」

(美琴…あぁさっきヤブ医者が兄妹って言ってたわね。)

「随分力強いんですね。」

凌は一瞬面倒そうな顔になり、直ぐに笑顔を作った。

「育ち盛りの10歳なので。」

凌はなるべく扉が大きく開かないようにして中に入っていった。


今のはどういう会話…?


「宮古君、あぁ律君もそうとう頭がキレる人物だと思っていましたが…」

あれは面倒だ。という言葉はその場にふさわしくないと感じ

「いえ、何でもないです。」

彼女、恋澄色芭こいずみいろはという見たままの清楚でThe文学少女は、後方の黒井に目を配り、凌が消えていった扉へ視線を流して踵を返すことにした。

黒井も外川もそれについていく。


「ここか、わが盟友が住まう第三の拠点は。」


第三?


「知らんのか?奴はここ以外でもバイトをしている。」

公園に並ぶ低木越しに黒井と恋澄、外川はコンビニを観察していた。

背後には普通に遊ぶ小学生もいるため、背後に視線を感じながら独特の構えで外川は身を隠す。


でも、いつ律君が休憩するかわからないし

誰かが店内に入るべきじゃないかな?


恋澄はあまり興味が無いのか、本を読んでいるため

黒井か外川しか行動にうつせない。

かといって黒井の会話は少しテンポが遅くなりがちなこともあり、選択肢は無いに等しかった。

要は狭いからあっち行って。

ということだ。

「それなら任せろ。見事盟友を連れてこようではないか!」

そんなことは読み取れず外川は意気揚々とコンビニに向かっていった。

彼も男子一人という構図は肩身が狭かったのだろう。

店内に入ると冷房の涼しい風と、店員の挨拶が吹き抜けてきた。

手前から二番目のレジに俺が居る事を確認し、外川は飲み物を三つ手に取り俺が居るレジに向かった。

「やぁ我が盟友よ。こんな陳腐な場所に居るとはお前らしくもない。どうだ?また俺と共に世界を救おうでは…」

「レジ袋はご入用ですか?」

「あ、はい。あ、レシートいりません。」

「三点495円です。」

「あ、PA◯MOで。」

「はい。音がなるまでそちらに。」

「ありがとうございました。」

「あ、はい。」

外川は猫背のまま自動ドアをくぐり、公園の手前で背筋を伸ばして高らかにこう言った。

「完璧だったな。」


陰キャの買い物として?


「何を言うのだ?完璧な友人同士の会話だったろう?」

「可能な限り思い出しても、友人要素が見つかりませんでしたが。」

恋澄は呆れつつも再びコンビニへ視線を移す。

「そうね。黒井さん、宮古君を説得するより先ずすべきことはクラスメイトから宮古君に対する印象を変える事ではないでしょうか?」

「確かにそうだな。いざ戻ってきてもこの現状は厳しいだろうな。」

二人の考えは一致したが、黒井は未だ賛同しようとしない。


ねぇ、恋澄さんと外川君は何で律君が体育祭で何をしたか知ってるの?


余りにも光を持たない黒目にすくむ二人だったが、

尚更答えるべきだと判断した。

「私は只の状況判断です。後に宮古君本人から確認を取りましたし。」

「俺は…その言いにくいんだが、体育祭を休もうと矢部先生に相談したら宮古から計画を伝えられた。」

凌が恋澄を警戒したように、この時が明確に黒井が恋澄を敵視した瞬間だった。

コイツは放置すると邪魔になると。


じゃあ、そうしよっか。今日は帰ろう。


また、黒井の目標もとい計画を変更した瞬間でもあった


夏が少しずつ近づき、青を帯びる夜空の下

俺(宮古律)はバイト帰りに例の公園を横断していた。

そこで見たのは本来ならここに居るはずのない人物

「美琴!?何してんだこんな時間に。」

「あ、律君お疲れ様。そっかぁ、バイト先ここら変だったっけ。」

俺を待ち伏せしていたわけでもないなら尚更何故、

こんな時間に美琴が出歩いているんだ?

「どうした?何かあったのか?」

とても10歳の女子が何の理由も無く夜道を歩くとは思えない。

普段外に出ない美琴なら尚更だ。

「あのねっ!律くん。私おべべ欲しい!」

「落ち着け?それは息子が父親へじゃなくて、魔王が息子へだ。そしてよく知ってたな。」

しかし洋服か。確かにあまり美琴にそういう物は買ってやれていなかったな。

とはいえ何故今急に…

「じゃあ、明日行こ!黒丸連れて。」

「それは流石にやめておけ?」

俺は美琴の手を引いて家に帰った。

まぁなんと言うか。

終わったあとにこれを書いているから言えることだが

人生なんて上手くいかないもので

俺がこの結末を迎えるきっかけがあるとするならば

間違いなくこの美琴との買い物になるだろう。

しなければこの結末にはならなかったのかもしれない

心残りなんて山程ある

でも、もし、もしだ

美琴と買い物に行かなくてもこの結末になるとするならば

俺は喜んで再び過ちを犯すことになるだろう。

美琴のエピソードを記すか記さないか大変迷ってます

個人的にはベスト重設定なんで書きたいんですけど

如何せん年齢制限かけてないんですよね。

(というか作者の私が15、初掲載時は早生まれなんで14だったんですよ。なんでR15すらかけれなかったっていう)

某お母さんの顔が江戸川君の仮面の回の仮面みたいになってる鬱ゲーのシチューからインスピレーションを受けました

参考だから当然ですが、本家より(といえば作者に失礼)胸糞な感じになっちゃって

もし最終話になっても美琴を掘り下げようとしなかったら

ストレスフリーななろうユーザーに配慮したと思ってください。もし書くことになったらその回の前書きに注意書いときます。

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