授業、そして…
学園生活が始まって数週間経った。
まだ慣れてないところはあるけど、学園内の生活にはだいぶ慣れてきている。
この調子でいけば、学園内での生活は完全になれると思う。
授業のほとんどは実技が多く、実技は主に特殊な細工がなされたラウンドでおこわれる。
一見、見通しが良くてまっ平らなグラウンドだけど、グラウンドの下から微弱だけど魔力が沸き出ている。
学園は地脈地点の上に建てられているため、地脈から湧き出る魔力の影響を受けやすいのはあたりまえだが。
下から湧き出る魔力のお陰で、マラソンなどの嫌いな体力実技が少しばかり楽になってる。
湧き出る魔力は微弱なため、人族の中で最弱であるオレたち人間でも平気でいられる。
魔力は世界全体において力の象徴だけど、多過ぎる魔力は時として毒になるから。
しばらく学園で過ごして分かったことだが、地脈から湧き出た魔力のほとんどは建物に向かって集中している。
建物を少し調べて分かったことだが、学園内の建物のほとんどに明らかに術式が組み込まれていたから。
送り込まれた魔力は、オレたちの生活を支えるものに変換されている。
例えば、夜になった学園や部屋に灯りをもたらす光に。
例えば、風呂のお湯。
例えば、食堂の調理場で調理をサポートする魔動機の動力源に。
学園中の色々なところで、オレ達の生活を役立てられている。
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聖族がどうしても気になってしばらく調べていたある時、聖族に関する伝説がある文献が見つかった。
古い文字で書かれていて読むことはできないため、文字を読むことが出来る人を探し回ったことで、何とか文献が読める人を見つける人を見つけることができた。
その人は学園に滞在している一人の学者で、オレたちとは違う色の姿をした風人の女性だった。
気になって『どうしてそんな姿をしているのですか?』っと質問したところ、生まれた時からこの姿をしているっと返された。
何がともあれ、エルフの人に古い文献を読んでもらった。
かつて、ある一つの村で不治の病が流行った。
その村は国からかなり離れているため、国から医者を呼ぶだけで一苦労だった。
村は何とか国から一人の医者を村まで連れてくることができたが、その病は不治の病であったため、村人たちは再び絶望に立たされた。
医者は村人たちを助けようと尽力したが、医者もその不治の病にかかり、村を救う唯一の希望が失われ、村中は再び絶望のどん底に立たされた。
すると、どこからともなく一人の少女が医者の目の前に現れ、こう言い放った。
「私の血を飲んで、そうすれば楽になれるよ」っと。
医者は少女の言葉にしたがって一滴の血を飲んだ。
すると医者を蝕む病は消え、完全に復活した。
摩耗した精神が治り、衰弱していた身体と体力も回復した。
医者はまるで若返ったかのような気分で、完全に復活した。
村人たちは一人の少女の血を飲んだことで病から解放され、元気を取り戻した。
そして、その少女はどこかに消えてしまい、二度と村に現れなくなった。
これが、聖族についての伝説。
文献によると、聖族の血を飲めばどんな怪我や病気も治るらしい。
人々に魔法を授けた聖族にそのような秘密があるとは思ってもいなかった。
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「魔導大会?」
休み時間に図書館内で魔法について調べ物をしながら、ラバルと話をしていた時『魔導大会』という言葉が耳に入った。
「ああ! 年に一度おこなわれる学園最大の祭り。
『我こそは強い!』 と思う多くの生徒たちが己の力をぶつけ合って、学園内で一番の魔法使いを決める大会なんだ!」
ワクワクに満ちた笑顔ラバルは語る。
魔導大会は、学園で毎年開催されている唯一のビックイベントのこと。
元々は他種族同士によるもめごとや、自分の力を試したくてウズウズしていた学生たちのために、学園側が開催したのが始まりだった。
結果的に、大会を開催したことで他種族同士によるもめごとは多少すくなくなり、
異なる種族同士が一戦交えたことで仲良くなったり、より一層強くなって卒業した学生が出たことでたことで、毎年開催れるようになったんだとか。
大会を開催することは、参加しない学生にもメリットになる。
どのような術を駆使して戦う生徒の姿を見学することで、使い方や戦い方を学べるからだ。
「その魔導大会に出る気なのか?」
「ああ、勿論出る。 強い魔法使いになるためだからな!」
ラバルもオレと同じく、強い魔法使いになることを夢にしている。
どういった経緯は不明だけど、ラバルも本気で強い魔法使いを目指している。
この学園は強い魔法使いの育成を目的にしているため、オレやラバルと同じく、強い魔法使いを目指す生徒は間違いなく全員だと思うが。
「……オレも、出てみようかな」
「おお! エレンも出るのか」
こうして、オレ達は魔導大会にでることになった。