第三話「放課後」
—桜の下の約束―
第三話「放課後」
放課後、みちるは千草といつものように帰ることにした。
二人並んで教室を後にした。
二人は渡り廊下を抜けて下駄箱から靴を取り出した。
外に出ると赤い夕日が校庭全体に広がっていた。
校庭ではまだたくさんの人がいた、校庭の時計はすでに四時を回っていた。
自分たちと同じく校門の方向へ向かって歩いている人もいれば部活をやっている
運動部もあった。自分たちは帰宅部なので関係ないが、運動部は今日も練習を
忙しく行っていた。
ふと校庭のグラウンドを目にした時、一つの部活が行われていた。
野球部だ。去年地区大会で惜しくも準優勝どまりとなってしまったが
部員たちの活気溢れる声援を浴び、運動部内の中では一番みんなの支持率が
高く人気のある部活だった。それだけに部員も多かった。
そんな部活をみちるはただ凄いと思って感心していた。
千草もまた野球部の光景に見入っていた。野球の球がバッドに当たる音がする度にボールが空中を舞う。そしてバッターは走る。その繰り返しだ。
そんな中一人の少年が目に入った。渉だった。渉も懸命にボールを追いかけていた。
「朝練もあったのに頑張るね、渉」そう渉を見ながら千草は言った。
「そっかー、そうだね」そうみちるも言った。
暫くの間、野球部の練習を二人とも見ていたが、帰ることにした。
千草とみちるは校門に向かい再び歩き出した
つづく