第二話 「朝の風景その2」
—桜の下の約束―
第二話 「朝の風景その2」
教室のドアをガラリと開けた。完璧に遅刻だと思っていたが
そこにはいつも教卓に立っているはずの先生の姿はまだなかった。
みちるは疑問に思いながらも騒がしい教室にホッと胸をなでおろした。
自分のいつもの席に座った。席についたときに背後から背中をポンと
叩かれてみちるは振り返った。
「遅いよ!でもみちる、運がいいね、今日は先生は急用で
一時間目は自習になったよ」そう言ったのはみちるを迎えにきた幼馴染の千草だった。
「そうなんだね、ありがとう。」そうみちるは千草に言った・・。
みちると千草の間には仲の良い幼馴染以上に強い信頼関係があった。
そんな二人の会話に割り込む一人の少年がいた
「おはよう、いつも遅いなお前、もっと早く起きろよな」
その少年は、自分の手に持っていたグローブでみちるの頭を叩いた。
「痛いな~、いきなり何するのよ!渉の馬鹿!」
みちるはそういい渉を睨みつけた。
「まあまあ。みちる。落ち着いて、今日も一緒に帰ろうね」
千草はいつもみちるの味方をしてくれる。そんな千草がみちるは大好きだった。
そうして今日も一日の授業が始まり、そしてあっという間に終わり教室
がざわめきだす頃、
みちるは「千草、帰ろう」と言いカバンを持ち千草に話しかけた。
つづく