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オロ叔父ちゃんも乱入①

 私は工房の扉を開けて、シフィ姉ちゃんが待っているであろう階段付近に、目線を合わした。


 すると、そのすぐ先の階段中程の場所で、シフィ姉ちゃんを羽交い締めにした、黒い忍者衣装に身を包んだオロ叔父ちゃんが、私に視線を合わせるようにして、その場に(たたず)んていた。


 その、オロ叔父ちゃんの鋭い眼光が、私に向かい、私をじっくり観察している。


 いやん!もう!そんなに見つめちゃイヤン!!駄目よ!!


 だって、怖いよ!オロ叔父ちゃん!!いつもと全然違うもん!


 いつもは、にっこり微笑んでいるんだよ。


 目しか判別できないけど、その目が全然笑っていないよ。


 黒い衣装を着たオロ叔父ちゃんは、青い瞳だけが唯一わかるけど、他は顔の輪郭(りんかく)もわからないように、全て黒1色で覆い尽くされてるんだよ。


 私がその姿を、オロ叔父ちゃんだと判別できたのは、サラ情報があったからだからね。


 その、サラ情報によれば、オロ叔父ちゃんは、サラの忍術の師匠で、平錬協会の闇の部隊を取り仕切る立場の責任者だという事実を、サラの自白から知ることができたよ。


 他にも、今日は、私の周囲一帯の何処かに隠れ忍んでサラと私を監視してると、サラが自白して、教えてくれたんだ。


 だけど、それが一体全体何の為に行われているのかを、サラに質問したけど、本人には、()(へん)に関しては、知らされていなかったようなんだ。


 相変わらず、卑怯(ひきょう)なオロ叔父ちゃん!!プン!プン!プ─ン!!


 だから私は、サラの情報を得ても、この光景が何を意味するのか、どういう意図を持っているのか全然知らないから、何が起きているのか、本当にさっぱり意味不明でチンプンカンプン!!


 だから、今は、現実逃避(げんじつとうひ)して頭の中でお星様がクルクルキラキラ回ってるよ。


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 ホント、お星様、綺麗だな─、ずっと(なが)めていたいな─。

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 ふ─、(いや)されるな─。あ─、流れ星だ─綺麗だな──。

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 そうだ!!お星様にお願いしよう!そうしよう!!

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 神様。お願いします。私の祈りを叶えてください!!

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 女神様(メグフェリ─ゼ様)が私の願いを叶えますように!

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 私の錬金術が皆のお役に立てますように!

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 女神様(メグフェリ─ゼ様)のように素敵な女性になれますように!

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 エロエロ女神にギャフンって言わせれますように!

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 エロエロ女神にゴメンコしてもらえますように!

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 エロエロ女神より、もっとエロエロになれますように!

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 エロエロでエロエロな人生が送れますように!

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 大勢の人から沢山貢いで貰えますように!

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 シフィ姉ちゃんが王子様と幸せに結婚できますように!

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 王子様と早く違うクラスになりますように!!

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 王子様が私に無理難題をこれ以上持ちかけませんように!!

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 これ以上王族と関わり合いになりませんように!!

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 私が現実逃避して、空想星世界1週旅行を満喫している最中(さなか)でも、時間は刻刻(こくこく)と経過していた。


「大人しく、何も言わずに、この場から立ち去れ」

「そうするなら、お前を許し、離してやる」

「さあ、死ぬか、引くか、どちらか直ぐ選べ!!」


 このオロ叔父ちゃんの呟く声は、私には小さすぎて、声が全く届かない。


 こちらの現実世界では、オロ叔父ちゃんとシフィ姉ちゃんの争いが、お姉ちゃんが羽交(はが)い締めにされていても、なお、未だ続いている。


「オロジンク様、一生のお願いだ!ううっいたたぁ!」

「うぅっ見逃してくれ─この通りだ!!いた─っ!」


 シフィ姉ちゃんの必死の説得にも関わらず、無常にもオロ叔父ちゃんがシフィ姉ちゃんの腕を締め上げ、シフィ姉ちゃんの悲鳴が漏れ伝わる。


 その悲鳴と同時にシフィ姉ちゃんの手に持っていた、最後の魔導銃が床に転げ落ちるように、手から()がれ落ちてしまった。


 ガチャン..ガラン..ガラン..ガラン..ガチャン


 その魔導銃は、階段から滑り落ちるように、衝撃音を上げながら、下の階に落ちていく。


 ..ガラン..ガラン..ガラン..ガチャン..カラ.カラ..カラン


 シフィ姉ちゃんが、抗(あらが)い必死に抵抗する際に、魔導銃を落とした衝撃音が、階段廊下に響き渡る


 私はその衝撃音で、いまそこで、何がおこっているかを、ようやく気づくことができ、慌てて現実世界便に飛び乗り、現実世界に無事に発着し帰還を果たした。


 アヴィちゃん、無事、空想星世界1週旅行を満喫して帰還しました。サ─


 通常任務に戻ります。サ─イエッサ─!!


 私が遊んでいるような思考状態で、場をなんとか(なご)んで見ようとしたけど、どうも無理っぽい。


 そんなに真剣にしなくてもいいじゃんと思いつつ、私は、彼等の発言を聞き逃さないように耳を澄ます。


「頼む、..オロ..ジン..クさ..ま..あっいったぁ」

「アヴィは、身命を..として..守る..うぅうっく」


 シフィ姉ちゃんの(あらが)い願う声が階段廊下に響き渡っていた。


 オロ叔父ちゃん、将来の王族候補に何してんのよ。私をこれ以上巻き込まないで!!


 私、後であのエロチビデブ王族に叱られるじゃないの─


 オロ叔父ちゃんは、将来の王族候補に実力行使を実行してでも、私を何かから、守ろうとしているんなら、その前に、私をエロチビデブ王族からもしっかり守ってよ─。


 後で絶対に、オロ叔父ちゃんの仕出かしたこの件を、エロチビデブ王族にちくってやるんだから!!


 オロ叔父ちゃん、やったことの責任は自分で負いなさい。


 エロチビデブ様は、かなり陰湿なんだよ。私絶対に構ってあげないからね。


 も─、これ以上将来の王族候補のシフィ姉ちゃんが、オロ叔父ちゃんに羽交い締めされ続けているのは、みすみす黙って放っておける訳がないじゃない。


 シフィ姉ちゃん緊急救助作戦開始─。いくぞ─えいえいお─!!

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