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輪廻に囚われし者  作者: 烈火
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旅立ち

翌日ナギは小鳥の囁きによって目を覚ました。

『もう朝か。もう少し寝ておきたい所だがそうもいかないからな』

立つ鳥跡を濁さず

ベットから起き上がり部屋の掃除をはじめる。そして自分の部屋に別れを告げる。

『今までお世話になりました。』

元々置いてあった木彫りの熊にそう告げる。何かと気に入っていた彫刻なのだが、この部屋の守神として置いておくことにした。この彫刻は後々ものすごい物だと知るのは後々のお話。

下に降りていくとシスターが朝食の用意をしていたので一緒に手伝うことにした。そうしていく内に別れを惜しむ子供達が押し寄せてきて慰めることで精一杯だった。

ちなみにギルの方には全然子供達が集まっていなかった為、本人は別の意味で涙を流していた。

それから、ギルを慰めるのに多大な時間がかかったことは言うまでもないだろう。そして、ギルは出発の日を1日ずらす事になったのだ。


そうして、先にナギはギルよりも先に出発することを決めていたことも重なり、シスター達に別れを告げて先にレヴァイン学園に向かうことにした。

ちなみにギルは明日、二度寝してから向かうらしい。大丈夫なのだろうかと思ったが口にしないことにした。

歩いて1日ほどかかると言われているのでどこかで野宿することを視野に入れていたのだが、しばらく歩いていると馬を引いている農家の人と出会って交渉した結果、乗せてくれるということだったのでお言葉に甘えて乗せてもらうことになった。

『いや〜。レヴァイン学園に入学するなんて凄いな〜。』

農家のおじさんが話しかけてくる。軽く話をしながら進んでいると見知った人が現れた。

『おじさん。あの子知り合いなんだけど、一緒に乗せてくれないかな?』

賭けではあったが、農家おじさんは了承してくれた。そして私達は面白いな感じながらその人物を見ていた。何やら動物とアタフタしている様子だ。遠くから見ていると動物達と遊んでいるように見えるが実際はどうなっていることやら。昨日ルナと話している限り、真面目そうな女の子がわざわざあれほどの荷物を持ちながら遊んでいるなどあり得ない。

『ルナ。こんなところでものすごい荷物を持って何してるの?あと周りになんか動物が沢山集まっているんだけど?』

そう話しかけるや否やルナは全部の荷物を一瞬で地面に降ろすと泣きながら抱きついてきた。

一瞬ドキッとしたが心を落ち着かせてどうしたのか尋ねた。

どうやら、荷物が多すぎて送り切れない物を自力で運んでいたらしい。あと周りにいる動物は鞄の中の食べ物を全部掻っ攫っていき、まだ鞄の中に食べ物があるのではないかと集まってきたらしい。要するに追い剥ぎにあっていたのだなと悟った。

とりあえず、周りの動物は追い払い、そして彼女に荷物を荷台に乗せるように促し、食べ物は自分の物を半分にするなどして彼女に渡してあげることにした。

それを見たおじさんは俺達を温かい目で見ていたことは明らかであろう。そして野宿出来そうなポイントを探し、3人で夜を明かしてようやくレヴァイン学園の入門前まで、1日早くナギとルナはたどり着いたのである。


そこからは別行動で宿を探していたのだが、自分が宿を見つけた後に市場を見学しにいくとまだルナは見つけていない様子で震える猫のようになっていた。仕方なく声をかけて一緒に色々周ってみたが、空いている宿はなかった。仕方なく自分と同じ宿で空いていないかと話をしたのだが今はどこもかしこも空いていないらしくそれなら自分の部屋を2人部屋にしたらどうだという話になってしまった。ナギはかなり気にしていたのだが、ルナがあまりに必死に頼むので一緒の部屋で宿を取ることになった。

宿の女将がニヤニヤしていたのは言うまでもない。

部屋にもう一つベットを入れ終わると

『ごめんなさい。ナギ君。ありがとう。助けてくれて。』

彼女の顔が少し赤かったのだがそういうものだろう。

『いいよ。別にこれぐらいなら大したことないし。』

ナギがその夜、全く寝れないのは言うまでもないだろう。

ナギは寝れない間、空に照らされている月を眺めていた。その月はどこまでも遠くそして届かないと感じて苦しくなり、もどかしさを感じるのであった。



時は遡り

ギルはナギと離れた後、二度寝していたのだがシスターの改心の一撃を与えられ外に放り出され渋々レヴァイン学園に一人で向かったという話は後々、ナギに語られることとなる。

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