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お日さまみたいな君が好き‼︎  作者: ハル
初恋はじめました!_運命の文化祭
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はじめて、2人きりで、……春原日菜子

文化祭当日。

家庭科室に向かう私の前に、

我らがヒーロー、夏目先輩の姿が見えた。


野球の名門、明和学園のエースで4番。


190㎝近くあるんじゃなかったかな?


すらりと背が高くて、

カッコイイ後ろ姿。


学校中の女子が

黄色い声を出すのも頷ける。


…まぁ私は諸事情ありまして、

我が校の野球部に黄色い声は上げられないのだけど。


「夏目先輩!」


先輩が家庭科室に入るのを確認してから、

おもむろに声をかける。


「早いですね。まだ10時半ですよ?廊下で先輩の後ろ姿を見つけて、びっくりしちゃった」


先輩は驚いたような、

なんともいえない顔をして私を見た。


「春原…」


「名前、覚えててくれたんですね」


「当たり前だろ。廊下で気づいてたなら、もっと早く声を掛ければいいのに」


「いやいや…。私なんかが、おいそれと声を掛けられませんよ」


半分冗談、半分本気の答えに、

先輩が眉をひそめた。


「私なんか、とか言うなよ」


先輩の強い口調に、少し驚く。


「昨日はうちの部の奴らが、その…、色々言って申し訳なかった」


歯切れの悪い台詞。


「F組のことですか?全然気にしてませんよ。私、本当に併願だし」


この学校には明らかな序列がある。


A、B組は部活を頑張るスポーツ科。

C、D組は勉強を頑張る特進科。


そしてE、F組は

高校生活を楽しむ普通科。


普通科の中でも2番目のF組は

学年で一番頭が悪いし、

生活態度が悪い生徒も多い。


色々言われるのは

仕方ないと思ってる。


「俺は、F組がどうとか、思ってないから」


先輩が真剣な表情で言う。


「知ってます」


先輩のことは全然知らないけど、

1日近くにいるだけで、分かることもある。


「先輩は、本当にいい人だから」


思わず溢れた台詞が

あまりに恥ずかしかったから、

照れ隠しににぃっと笑う。


「さぁ!餅米を蒸す準備をします‼︎」


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