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駄々っ子  作者: 崎 陽太
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段々、日が落ちてきた。私の影法師も私の背丈を超えようとしている。見えない時間の経過が紅一点の夕日にて私に伝わる。嗚呼、綺麗だ。こんなにも物事を美しく思えるこころがあるなんて今まであっただろうか。今が連続している中でてかてか光る電燈の様にここに存在している私にとってはどうにも理解し難い問題であり、悟性的に説明することは極めて困難で在ることは間違いないだろう。こんな意味のない思索に耽っている間にも私の両脚は忙しく忙しく前に進んでいたようで、いつの間にか何でもないようなそんな自動販売機の前に立っていた。その佇まいは仏壇の前で手を合わす名も知らぬ老婆のようだった。私はそれに百五十円をいれてコーヒーを買った。砂糖が入っているのは嫌いだから無糖の甘くないやつをのむことに。今、ふと思ったが私はお金を持っていただろうか。もしかしたらズボンのポケットに入ったままだったのだろうか。ごとん。思考を張り巡らせている所に雑音というか変なノイズが入り込んだ。素晴らしい仕事ぶりだが、もうすこしだけ待って欲しかった。煩悶としたおもいが心に広がるが仕方がない。屈んで飲み物を取ろうとする。その時だった。自転車だろうか、こっちにちかづいてきていたのだが私はそれに気付かなかった。あとは簡単だ、思いっきりぶつかられた。あんまり音は立たなかった気がする。相手はふらふらの酩酊状態だったからどうすることもできない。鈍い痛みが体の中に浸み込んでいく。まだ意識は鮮明だった。

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