全てが狂った日
拙い文章で色々間違えがあると思いますが暖かい目で見守りください。
周りから響くファンファーレ
きらきらと輝くシャンデリア
周囲から湧き出す拍手の嵐
今日は俺の兄上と義姉上の結婚式だ
切れ長な瞳に整っている鼻白く透き通る肌の兄上と
さらさらと流れる金髪の髪に滑らかで妖艶な雰囲気を醸し出す義姉上、、
「シルヴィ、、」
思わず呟いてしまった義姉上の愛称に俺は祝いの場には不釣り合いな自嘲気味の笑顔がふっと漏れる。
本当は俺がシルヴィの隣にいるはずだったのにと、。
そうシルヴィは忘れている俺との約束を、俺だけはずっと覚えていた、。庭園で結婚を誓い合ったことを。
だけどシルヴィの隣には俺が敬愛してやまない兄上がいる。俺の大好きな2人だからこそ自嘲気味の笑顔から本当に心からお祝いできると思える笑顔がもれかけたとき、、
ぐさっ
不吉な音と見たくもない光景に俺は目を奪われた。
シルヴィの胸に煌めく銀のナイフ、彼女の胸から滴り落ちる赤い赤い赤い不気味な液体。
崩れゆくシルヴィの体。
俺は思わず飛び出してその体を必死に受け止めようとした時、先に彼女の体を支えた兄上。
動揺して周りが見えなくなっていた俺の思考の中にシルヴィを突き刺した男の気が狂ったとしか思えない笑い声が突き刺さる。
「王太子殿下!その不届きものシルヴィア・フォン・ラグノーは王太子殿下のお命を影から狙い国家転覆をも企て殿下と結婚した暁には殿下を薬付けにしようとした張本人でございます!その不敬な女に鉄槌を私が下したのです!!!」
この男はなにをいってるんだ?シルヴィが不届きもの?勘違いも甚だしい。そんなことシルヴィがするわけがない。
「そんなくだらないことは、、」
早くその男を捉え義姉上に治療を施さないとと思い俺は近寄ろうとしていた。
「最初から知っている。」
は?なにをいってるんだ兄上は
「私はシルヴィアと結婚しそのことで裏から手を回しシルヴィアを傀儡にする方が利があるとふんでいた。なのに、貴様のせいで全ての筋書きが狂った。どうしてくれる」
兄上の言っていることが理解できない、シルヴィを刺した男は兄上の殺気にやられ動くこともできていない。俺が数秒思考停止になっていた瞬間に兄上は剣を抜きはなち男の心臓を貫いた。純白のレオタードに降り注ぐ男の血、、、。そしてそれから
シルヴィの首を切り落とした。
「、、?、し、、シル、シルヴィ?」
俺の足元に転がってきたシルヴィの頭に俺の思考を止まった。
「あ、兄上。シルヴィの頭がここにあるのですがこれは夢ですよね?」
「夢ではない。シルヴィアはここで今死んだ」
聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない
なんでシルヴィが死ななくちゃいけないんだなんで、、
「なんで、、なんで!!殺した!!ギルバート!!!」
俺は思わず兄上の名前を呼び捨てにし、刀で斬りかかる。それをいなされ、それでも斬りかかり兄上の頬に傷をつける。その瞬間に吹き飛ばされる。
「お前は知らなくていい」
なんだよそれ、。訳がわからなくて俺は兄上にまた近づこうとしたとき父上(現国王)が言葉を発した。
「ギルバートの頰に傷をつけたそのものを斬り捨てろ」
実の息子に対しての差の扱い。わかっていた。父上が俺を愛していないことなど、兄上だけを大事にしていたことなどわかっていた。だが、それでもほんの少しは愛してくれているのではないかと期待していた。シルヴィを失い今まではぐらかしてきた父のことまで分かってしまった。数人の父上の側近に周りを取り囲まれる。ただただ呆然としていた俺に攻撃が防げるはずもなく、、俺の胸から血が溢れだす。視界がぼやける。遠くから聞こえてくるような兄上の声
「、、父上!!弟は、弟は助けると約束してくださったはずです!!!なぜ!!」
「お前の頬に傷をつけたからにきまっているだろう?」
「そんな、、そん、、、」
どんどん聞こえなってくる周りの音。最後に聞こえた父上の言葉だけが耳にこびりついて離れなかった。
「あのものが死ねばシルヴィアは死ななくて済んだものを。」
そこから俺の意識は途切れ深い闇の中へと沈んでいった。