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◆ボツ文たち  作者: ワイヤー・パンサー
『易しい世界_旧版』
13/57

006.覇王へ忠誠を誓う

のちほど文を削り洗練化

006.覇王へ忠誠を誓う

; 視点: 一人称<幸>

; 場所: ギルドの解体所


「それでは、よろしくお願いします」

 用の済んだ私たちは、立ち去ろうとするが、さらに声をかけるドルメンさん。


「幸様、宿の方は、もうお取りになりしたか?」


「いいえ……、そもそも、私、無一文ですので…… 今日は野宿することになります」


「心配するな、ワシの家に来い。

 コウは命の恩人だ。多少なりとも恩義を返したい。

 好きなだけ、泊まっていけ」


と、ダイオードさん仰ってくださった。

 しかし負けじとドルメンさんが云う。


「このギルドでは宿も経営しておるのです。

 ギルドのすぐそばですぞ。便利ですぞ。

 宿泊代はワタクシが出します。何日泊まろうと、何か月泊まろうと、全て私が代払いさせてもらいます!

 是非、こちらにご宿泊下さい!」


と、力強く迫るドルメンさん。

 私は疑問を口にする。


「あの……、なぜ冒険者にもまだなってない私に、そこまで入れ込むのです?」


 そう云うと、ドルメンさんは しばし口を噛みしめる。その様子は、云いたいことも云えない有様を思わせた。

 ポン、と手を付いたドルメンさんは、さわやかに云う。


「貴方の将来性に投資します!

 …………と、いうことでどうでしょう?」


 あからさまに もっともらしいことを云ってのけた。

 が、そういうことにしよう。


「宿を提供して下さるのはありがたいです!」


 都合良い返答をした!



         *



; 場所: ギルドのロビー


「ドルメンさんは少し変わった方なのですか?」


 率直な感想をダイオードに云った。


「いや、今日の奴は、いつも以上に変わっていた」


「いつもは、あんな感じではなく?」


 ダイオードさんは思い出す素振りで述べる。


「んん――以前、不祥事やらかして御偉方が直々に来たときに、今回のような挙動になったか」


 外に出る。

 もう暗くなった空の元、私はダイオードさんと別れた。

 また中に入る。



         *



 宿泊の際は、受付での方で名乗れば良い、とドルメンさんから云われている。


「コウと申しますが、宿泊について聞いていますか?」


 受付嬢の方へ尋ねる


「コウ様ですね、承っております」


と、受付嬢が云い、さらに横から別の職員が、


「こちらへどうぞ」


と、案内開始される。


「あ、どうも」


 会釈して、職員の後を付いて行った。



         *



; 場所: ギルドの宿&食堂


「それではコウ様、ごゆっくり ごくつろぎ下さい」


 パタン、と部屋のドアが、背後で閉まった。


 案内された大部屋は、見るからに豪勢な内装だった。のみならず、窓からの景色も良かった。


 私は豪奢なソファに寝そべったり、華やかで柔らかなベッドに寝そべったりした。

 高級すぎるその場所は、庶民的な自分には落ち着かなかった。


 ありがたいが、なぜこのような特別待遇を……?


 しばらく部屋で休んだのち、食堂に呼ばれて、夕食を用意された。


「お金、持ってないので、払えませんよ?」


「大丈夫です。既に頂いておりますから」


とのこと。


 食べたら、部屋に戻って、寝た。紅の髪がベッドに広がった。



         *



 翌日、食堂で朝食を食べているとき、周囲の会話が耳に入る。


「覇王の斧がなくなってた、って話は聞いたか?」

「そうなのか? 封印が解かれたときには、まだ斧は残っていたと聞いたが?」

「その後でなくなったらしい」

「よく見ていないだけじゃないか? 砂ボコリに斧が紛れたのだろう?」

「いやいや、しっかり見たって話だ。一人ならずな。これは確かだ。確かになくなった」

「そうなると、覇王が戻って持って行った、って訳か? ア、忘れてた、って具合に?」

「まー少なくとも、覇王以外が持っていたってのは考えづらいよな」


 ……覇王の斧を取り出しにくくなった。



         *



 朝食を終えて、部屋でくつろいでいた頃、訪問者が来た。

 それはドルメンさんだった。


「どうもコウ様、……今、お時間よろしいでしょうか?」


「はい、良いですよ」

 快く部屋に迎え入れる。そしてすかさず尋ねる。


「この部屋、立派過ぎはしませんか? 私はもっと安い部屋で良かったのですが」


「何を仰りますか! 世界の頂上に立つ方。これでもまだ身分不相応なくらいです!」


 世界の頂上って、何でしょ? と、こちらから聞く前に、ドルメンさんひざまずいた。

 どうかなされた?


「覇王様――! 貴方なのですね……!

お姿は全く変わられましたが、ワタクシには分かりました」


「覇王……? 封印されていた、あの? どういうことですか?」


「そういえば覇王様は、記憶喪失だと聞きましたが――、本当に覚えてなさらないのですか……?」


「んと、少なくとも、覇王になった記憶はないですね」


「しかし、貴方は覇王様なのです……!」


「いえ……、私はコウという人間で、しかも見た目に違って、おじさん――」


「覇王様……! なぜ、ワタクシが覇王様だと断定できるか、ご説明しましょう!」


「えっと……、はい、んじゃ……、どうぞ、お願いします」


 ドルメンさん、楽しそうだな、と思い、お話に付き合うことにした。


「それは昨日、貴方が巨大アイテムボックスを開いたときに、ハッキリ分かりました!」


「ほう~」


「まず第一に、そして決定的に! あのとき覇王様独特のエネルギーかつオーラすなわち――、覇気が現れていたのです。

 普段のコウ様、いえ、覇王様は――」


「あの、覇王と呼ばずに、コウって名前で呼んでくれませんか?

 それと、もう少し声量を抑えて欲しいです」


「いや申し訳ありません……、承知いたしました、コウ様。

 ――それで、普段のコウ様についてですが、普段は力を抑えておいでですね?

 だからこそワタクシが察知できないほどに、覇気の漏れは少なかった」


「力を抑えると云いますか、力の無駄使いは疲れやすい身体になりますから……」


「そして次に、覇王様だと断定できる、第二の理由です。

 コウ様、貴方のアイテムボックスの中には、覇王の斧がありますね?」


「へ~、アイテムボックスって、取り出さなくても、中身は分かるものなんですか?」


「いいえ、そんなことはございません。ですが、あの斧は特別です。斧から漂うオーラは、分かる者には強烈に感じ取れるのです――ワタクシのように」


 私はアイテムボックスから覇王の斧を取り出した。

 ドルメンは、斧を凝視する。


「じゃア、都合が良いです。これ買ってください」


「ええっ!? 覇王様、今何と」


「あの、名前で……」


「失礼しました、は、は、こ、コウ様。しかし、なぜ、それを手放そうと?」


「なぜって、あまりに話題性があり過ぎるからですよ。私は目立つのが嫌なんです! 有名人になりたくないんです! ついでに云っちゃうと、覇王にもなりたくないんです!」


「な、な、なんと……」


「ですから、別の人を覇王にしてください」


「そ、それは、無理な話です……。覇王様は生まれながらに覇王様なのです。職業のように、適性があれば他の者でもなれる、とは、違うのです」


「ふ~ぬ」


 若干のため息を付きながら、重かった斧を床に置こうとするが――


「ままままま待ってください! コウ様! 置いてはいけませぬ!」


「ええっ!? どーしてですか? ただ置くだけですよ? そんなに汚れてませんよ?」


 ドルメンさんは冷や汗を垂らしながら、両手の平を正面に「ストップ」のポーズで、慎重に述べた。


「あのコウ様……、その斧の取り扱いは、慎重に慎重を期して下さいまし……。その斧はですな、異常重量なのです」


「異常重量? 異常に重たい」


「ええ、異常に重たいのもそうですが、コウ様にとってはさほど重さを感じないという二重性も――」


「重たいですよ? この斧、私からしても」


「……他の者には、微動だに動かせないほど、重いのです。

 それほどの斧を、普通の建物で床に置かれては、どうなるでしょう?

 たやすく床は抜け、階下に貫き、地面に埋まるでしょう。その間に斧に貫かれた死傷者も――」


「分かりました! この斧が危険なことは、よーく分かりました」


 私は覇王の斧をアイテムボックスにしまった。……もうずっとしまいっぱなしになるかもしれない。――漬物石に使おうかな。超強力プレス機としての使い道もいいかな。


「お分かり頂いて何よりです。フー」


 息を付き、額をぬぐうドルメンさん。


 ええと、で、何の話でしたっけ?


「そうそう、で、結局、私が覇王と云うことは、なかったということに……」


「そうはいきません!」


 話は平行線か――?


         *@@@@@@@@@@@@以下、直し


「私が、もし覇王だとして、ドルメンさんはどうするんです?」


「コウ様に忠誠を誓います! コウ様に仕えます! コウ様が世界の覇者となられるよう尽くして参ります」


「…………」


「ワタクシだけではおりません。

 覇王様に忠誠を誓う者は、世界の至る所にございます。

 皆ひっそりと、陰ながら覇王様を応援し、いつでも助力する用意が出来ているのです。

 ワタクシは、覇王様が世界を収めになるためならば、命と引き換えに役目を果たすことも、……その覚悟も出来ております……!」


 それは重たい、心理的に。


「まずはワタクシ一応、ここら一帯のギルドをまとめるギルドマスターをしております。その権限を用いて、コウ様のバックアップをさせていただきます」


 しばし色々なことを話したのち。


「そうですねー、世界を支配は魅力的ですね」


「その気になられましたか」


「世界を支配するということは、自分の好きなように出来るということですからね」


「コウ様は世界をどのようにしたいとお考えですか?」


「どのように……。社会に腐敗した所あれば、ヒーローが現れて、悪党をやっつけてくれる。――そういうスカッとする世界が良いですね。

 そう考えると、ヒーロー組合とか、おっ立てるのも良いですねー。そうそう、ヒーロー組合そのものが腐敗しないようにしないと、ですね。

 ヒーロー組合を作るとしたら、それ自体はあまり社会に関与しないようにしましょう。それぞれのヒーローの支援とか、だけで」


@@@@@@@@









■要約

・ギルドの宿でドルメンさんの代払いにて泊まれることになった。

・ダイオードさんと別れる。

・覇王の斧がなくなっているウワサ。

・翌日ドルメン訪問、覇王コウに忠誠を誓う。


007.   <書きかけ状態になっている>

; 視点: 一人称<幸>

; 場所: 


 






■要約


・魔物買い取りの支払いを受け取る。

・冒険者登録。最低ランクから。ステータスチェックをすると全能力マイナス値という異常値が。


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