5 同士
今日は後二本くらい行けます!
「実は私...王族の従姉妹なの!」
うわー予想通りのやつだぁぁぁあ!
何この子。友達が居ないのって美人すぎる訳では無くて王族の従姉妹で近寄り難いだけか!
圧倒的裏切られた感。
まぁでも...
「そうか。それじゃ大怪我させなければいいんだな。それじゃ明日隣町のに行こうか」
「え?なんで?」
「ん?なんでってなに?」
「だって私王族の従姉妹だよ?勿論周りの人は皆私を王族と同じ様に扱って勿論冒険者になるのだって反対された。勝手に冒険者になったのはいいけどだけにも私の味方は居なくて...」
途中でアルは泣きそうになっていた。
「そうだな。俺は君のことは何も知らない。
だけど君が1人大変な思いをしていた事は分かったよ。俺もな前居た街では1人。友達も居ない。どんなに辛いことがあっても1人。誰も俺を大切に扱ってくれる癖に、誰も俺の事を分かろうとしてくれない。お前もそうなんだろ?別に大切に扱ってくれるのが嫌なんじゃ無くて、誰も自分の事が分かろうとしてくれないそれが嫌なんだろ?」
「うん!」
万遍の笑みで答えるアル。
「これでも俺運はいい方なんだぜ!これから一緒に冒険者やろぜ!相棒!」
「うん!」
もうその頃には泣き止んで、彼女の顔には笑顔が戻っていた。さて問題は...
「でもフェイト...」
「分かってる」
俺は夜、ディナーの時間になり大広間まで来ていた。問題と言うのは...
「アル。その男は誰かね?」
そうだアルの親父だ。
「私の冒険者仲間です」
「戯言を...まだ冒険者になると言い張るのか?別にお前は兄がいるこの家を継ぐわけではない」
「だった...「駄目だ」」
「なんで?」
「それはそうだろ?お前はこの家に産まれた。お前は運命神イノシス様に使え、教会で教えを伝えるのだ」
「そんな...」
「それは酷いんじゃないか?」
俺は会話の途中に入り込んだ。
「ほぉ?君はアルケウスの仲間とか言い張る奴か?君には責任が取れるのか?娘が死んだ時の責任。そして少し怪我をさせただけで死刑だぞ?」
俺はニッコリ笑った。
「俺は運がいいからな」
「なにを!?運命神の使徒の家系でそれを言うか!打首にしてやる!」
後ろにあった家宝の刀を取り出して俺の首に添えた。
「何か言い残すことはあるかね?」
「それじゃ、これを見て貰おうかな?」
俺は冒険者カードの隠蔽を解いて、見せた。
「こ、これは...」
「嘘」
この場に居た全員が跪いた。
ビンゴ!そう。俺はこの家に着いた時から気づいていた。こいつの家の門の前には運命神であると思われる銅像が置いてあった。俺は何故かそれが運命神のものだって分かったよ。
「あえてもう1度言おう。俺は運がいいからな」
「は、はいぃぃ!」
変なテンションで答えてくる。それはそうだろうな。自分が使えるべき神の跡取りが今この場に居るのだからな。
「そうか。ありがとな。後跪かないでいいぞ。あんまり慣れてないからな」
「左様ですか」
「後聞きたいんだが…酒って何歳から?」
「16でございます」
「しゃー酒を持ってこい!」
〜1時間後〜
「プパ〜」
「フェイトくんいい飲みっぷりだぁ!」
「おっ?何だ?俺と勝負する気か?」
「望むところ!」
俺とアルの親父はすっかり仲良しになっていた。とは言っても朝になったら全く覚えてなかったけど。酒って怖。
〜翌朝〜
「ゔぁーぎもぢわりぃー」
「もう大丈夫?フェイト」
「二日酔いって辛いのな」
「私は飲んだことないから分かんないけど」
「そうなのか?アル何歳だ?」
「16だけど?」
「飲めんじゃねーか」
「でもあれよ。16歳でのんでいい酒は1杯だけなのよ」
「......」
「どうしたの?」
「いや何でもないです。はい」
「後お父さんも二日酔いだから今は寝てるの。剣を持ってっていいって」
「感謝だな」
「『キュアヒール』」
「ん?なんか気持ち悪いのが治ったぞ?」
「これは『第一次覚醒者』に使える能力よ」
「ん?第一次覚醒者?」
「そうよ。大体16くらいで使えるようになるわ。て言うか貴方はほんとに何も知らないのね。」
飽きれた顔でいうアル。まぁ無理もないか。俺は転生者だしな。
「それはそれとして、なぜ親御さんにかてあげないんだ?」
「さっきかけようとしたけど『わ、ワシにはかけないでくれ』と必死に言うものだから...」
あれだ。俺の存在を忘れようとしてるやつだ。
「まぁいいか。それじゃ剣の場所を教えてくれよ」
「ああ在宝庫にあるわよ。行きましょう」
俺はアルについて行き、地下の何重もの警備を通り抜けて在宝庫まできた。
在宝庫は普通の部屋と変わらず、本棚や椅子などが置いてあった。
「なぁ?この部屋は本当に在宝庫なのか?」
「ええそうよ。本だけでも1つ百万ゴールドはあるわね」
俺は黙って付いてこうとしたその瞬間...
「うおぉー!これは俺がここに来る前に読んだ最後の『幼少シャンプー』の次回号じゃないかぁー!」
「ど、どうしたの?フェイト?」
冷たい目で見てくるアル。
「ちょっとまてアルは俺以外にも黒髪の男を見たことあるか?」
「ええ。たまに居るのよね。何故か皆特殊能力持ちだけど」
「やはり居たか...」
俺は読むのを諦めて、剣を取った。
「これが剣?」
「そうよ。これは前にきた黒髪の人が置いてった剣よ」
俺は絶句した。何故ならその鞘には...
『やーい。これは擬似聖剣ブーリブリーだよぉー!悔しかったらこの字を読んでみろやーい』
「それはね、この世にたった一つしかない『聖剣エクスカリバー』よ。他言無用と言われたその剣をあげるわ」
「お、おうありがとな。」
ブクマの嬉しさ