18 『等価交換』んッ!
今日は余談です。
あと投稿遅れたのは申し訳ございません。言い訳をすると、風で寝込んで、起きたら1時だったので書きました。m(_ _)m
「それどぇ〜?話って何ぃ?」
話し方うぜー。初対面で殴りたくなったの初めてだ。
でもこいつと話せるチャンスなんて他には来ないかもしれないしな、慎重にいこう。
「本題の前に少し自己紹介しないか?」
「ちぇっ、しゃぁーないな。私は『ナチュラルガーデン』を一代で育て上げた天才にして、孤高のファッションリーダー、坂口 李依よッ!」
李依を名乗るギャルは何故か右手で空を切り、最後に目元にピースを決めた。
え?何か急にキャラ変わったんだけど?何この人、まともな事言ってるのに何故か中二病に聞こえる。
「そ、そうか...じゃ俺の自己紹介を...」
「ちょっと待ちなさいよぉ!な・ん・で・私がせっかくカッコイイ自己紹介してあげたのに無反応な訳ぇぇぇぇぇ?」
え?何この人?勝手にキレ出したんだけど?別に無反応じゃないよね?俺ちゃんとこの人大丈夫かな?見たいな反応したけどぉ?こんなに頭の中「?」になったの初めてだよ!
「お、おぉーすごい、すごい。とてもカッコイイと思いますよー」
「何で棒読みな訳ぇ?殺すわよ?」
「ごめんなさいってば。何でそんなにキレるの?」
「はぁ?べ、別にキレてないんだからね」
突然のツンデレ?マジで分かんない。ギャルって皆こうなの?俺には情緒不安定にしか見えないよ?
「そうだな。よし改めて自己紹介するぞ。俺はフェイトだ。宜しく。」
「え?...」
「何だ?どうしたんだよ?」
「あなた日本人じゃないのぉ?」
青ざめた顔で俺の胸ぐらを掴んでくる李依。
「説明するから少し待てって。お、落ち着...し、死ぬぅ」
俺の息が止まりそうな所で、手を話してくれた。
「それで?ちゃんと話してくれないとこれだから」
李依は中指を立てて鬼の形相で睨んでくる。
「話すってば。だから俺の旧姓は太田 落下落下っていう時は縁起が悪いから名前を変えたんだよ」
「何だぁ〜そういう事?はやくいってよぉ〜」
こいつぅ。勝手に胸ぐら掴んどいてよく言うよ。
「まぁいい。余談はさておき、本題に入ろうか」
「ええそうね私は多忙だもの」
なんだこいつ?さっきだらしない格好でポテチ食ってたくせにどの口がそれを言うんだ?まぁいいこれからは俺の時代だっ!
俺は立ち上がり、李依を上から見下ろすようにして言い放った。
「なぁー李依。俺はお前がこの性格でかなり助かったよ」
「はぁ?何いってんの?」
「ふふふ。この剣を見てみろッ!」
「そっ、それは...?ゼンセツのセイケンエクスカリバーなのォ?」
「おい?棒読みになってるぞ?」
「ん?何のこと?」
「俺日本人って言ったよな?」
「うん。いったわね」
「俺アストレア卿からこの剣貰ったんだけど?」
「ひぃッ!」
李依はバランスを崩し尻もちをつく。そして俺は前へ1歩踏み出す。それと並行して、李依は手で後ろに下がる。まさに形勢逆転。
「そぉれぇどぇ〜「この剣は偽物です。」となぁぁぁぁぁぁぁ」
俺は今持てる最高のウザさで対応した。
「らめぇぇぇぇぇぇぇぇ」
リアル「らめぇ」とか初めて聞いたわ。ていうか、とうとう泣き出してるし...何かこいつと居ると変な気持になるな。
「それでだな。一つ条件を呑んでくれたら、見逃してやるよ」
「え?なぁに?」
李依涙を手で拭い、顔に少しだけ笑顔が戻った。
あれ?何か見えているよ?俺の目の前には李依の黄緑色のシマパンが見えていた。今の李依の格好は、女性用のスーツに、きめ細かい網タイツだ。
そのパッチリ開き、潤んだ瞳。更にその格好は俺の息子が大いに喜ぶものだった。
まてまてまて。息子よまだ速い。
「なっ、なぁ李依そろそろ椅子に座らないか?」
「何で?」
「いいからぁ!」
「ひゃい!」
李依は立ち上がり、自席に座る。椅子は、日本で見た事のある様な、機能性を重視したものだった。
「それで?話って何ぃ?」
すっかり泣きやみ、表情は笑顔に戻っていた。
「その前に、座りたいんだけど?」
「あーそうだわね。忘れてたわぁー」
李依はそう言うと、指を鳴らした。
「ん?どうしたんだよ?」
「まぁ見てなさい」
そう言うと、エレベーターの方面から李依と同じ椅子が独りでに歩いてきた。
「ぬぁ、なんだぁ?」
「変な声出さないでよ。あれは私の権能『等価交換』よっ!」
また右手で空を切る。これは癖なのかな?と思いつつこんど黒いマントを買ってあげようよ思った。
「『等価交換』ね...まぁ効果は分かった。でも何でこいつが動くんだ?」
俺は椅子を指さした。
「そ・れ・が・私特性の『等価交換』よ。私は造った物を自由自在に動かす事が出来るのよッ!」
「強いな。お前こんな事しなくても冒険者として、立派にやって行けるんじゃないか?」
「そうなのよぉ〜。私も正直冒険者の憧れはあったわ。でも冒険者って荒くれ者ばかりでしょ?何されるか分かったもんじゃない」
いつもの明るくおちゃらけ声じゃない。低く冷たい声だ。
「お前もお前なりに考えてるんだな」
「えぇ。初めては好きな人にって決めてるからねぇ〜」
「えっ?お前ってビッチじゃないの?」
「ちっげぇーよ!」
おお〜いい突っ込み。
俺は意気投合して、丁度いいタイミングで、本題に入る事にした。
「それで要件を言うぞ。お前のこの世界に来た時と、その前の話を聞かせてくれ」